邦題 | イド・シャーク 心霊調査ビッグサマー |
原題 | イド・シャーク 心霊調査ビッグサマー |
公開年 | 2023年 |
監督 | 夏目大一朗 |
出演 | 夏目大一朗/西川千尋/旭桃果 |
制作国 | 日本 |
ランク | Z級(もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる。) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★☆☆☆☆ |
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あらすじ
心霊現象やオカルトを調査する心霊調査ビッグサマーのもとに、心霊スポットで撮影されたという映像が送られてくる。
動画の内容は、寂れた古井戸を撮影していたカップルYouTuberが奇妙な現象に遭遇し、女性の方がサメのような怪物に襲われるというものだった。
行方不明になったという女性の捜索と真相究明のため、心霊調査ビッグサマーは例の井戸とサメに関する調査を開始する。
しかし、調査中にリーダーの夏目も怪物に襲われてしまい、その後不可解な現象が彼の周りで起こり始める・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
何がしたかったのか謎な『ほん呪』パロディ
「心霊現象を取材していく中で不可解な現象に巻き込まれていく」という流れで進行する心霊モキュメンタリー(ドキュメンタリー風に作られたフィクション)に、無理やりサメ要素をぶち込んだインディーズ映画です。
監督の夏目大一朗氏は「心霊調査ビッグサマー」という名前でYouTubeチャンネルを実際に運営しており、「本人たちが本当に怪異に遭遇する」という設定で製作されたようです。
結論から言えば、『ほんとにあった!呪いのビデオ』のパロディ的なサメ映画を撮ろうとして迷走したという印象です。
基本的なストーリーの流れは、『ほん呪』や類似の心霊モキュメンタリーにありがちな王道ルートで進行します。
「撮影した映像に変なものが映り込んだ」などの相談と、実際に映像が持ち込まれます。
怪異にあった人間の交友関係や怪異があった場所の曰くなどを調べ、実際に映像が撮影された場所に取材班が向かいます。
スタッフの一人が取り憑かれる、不可解な現象や音が取材映像に記録されるなど、とにかく取材中に依頼と関係ありそうな心霊現象が起きます。
怪異に遭遇したスタッフがおかしな言動をとるようになる、依頼人の話に嘘や食い違いなど怪しいことがあると判明する、関係者がブチ切れて抗議してくるなど、とにかく何か起きます。
一連の出来事について「ある人物の怨念ではないか?」や「〇〇という風習に関係があるのではないか?」など、何かしら結論的なものが出されますが、依頼人がおかしくなったり失踪する、犯人と思しき人物が判明するが決定的な証拠がないなど、あまりスッキリしない最後を迎えがちです。
僕はオカルトやスピリチュアルを糾弾することが多いもののフィクションとしては好きなので、こうしたストーリー展開自体が悪いとは思いません。
しかし、ホラーの部分についてはそれなりに本格的な映像を作っているにもかかわらず、失踪した女性を巡る巨乳ネタをはじめとした長々したギャグが定期的に挿入され、ホラーにもギャグにも振り切れていないどっちつかずの印象を受けました。
特に、登場するサメ的な怪物の中に人が入っている様子がはっきり映るシーンがあるのですが、このシーンが着ぐるみであることを明確に示してギャグに昇華させたかったのか、それともサメの中に囚われた怨霊という真面目な設定だったのか分からず、何がしたいのか本当に謎です。
心霊調査ビッグサマーのファンに向けた内輪ネタだったのかもしれませんが、残念ながら僕では理解が及びませんでした。
なお、怪異がサメである必要性を1mmも感じさせない内容です。
サメ成分が少しでもあれば観るというサメ映画ジャンキーや、心霊モキュメンタリー風のネタ映画を観たいという独特の性癖の持ち主以外、本作をあえて観る必要はないと思います。
オカルト業界の有名人が出演
ストーリーそのものや井戸から出てくるサメよりも、本作に登場する脇役の方が見どころかもしれません。
心霊モキュメンタリーでは怪異を調べる中で関係者や専門家に取材するというのが定番ですが、本作では実際にオカルト業界で活躍されている方々が多数出演されています(しかもほぼ全員本人役)。
- 中沢健(UMA研究家):本人役で出演。YouTubeなどでUMAについて発信している。『ツイ跡! 都市伝説』などにも出演。作中で被っていた「動く待ち合わせ場所」もご本人がプライベートで被っているもの。
- 夜馬裕(サメの怪談を語った怪談師):本人役で出演。”怪談界の帝王”と称される有名怪談師。テレビやラジオの出演、書籍の出版などを幅広く手掛ける。
- 広島フレディ(井戸の話を教えてくれる人):本人役で出演。心霊映像作品のレビューなどをYouTubeで配信。
- ブラックストーリー くろ(サメの背鰭について情報提供した人):本人役で出演。曰く憑きの場所を調査するという動画をアップしているYouTuber。
- 村から逃げ出した男性A氏:名前こそ出てきませんが、どう見ても國澤一誠氏。元々はヒカリゴケというお笑いコンビで活躍していたが現在は解散。怪談師として活躍。『人志松本のゾッとする話』で披露した位牌や女友達の家の怪談でお馴染み。
特に、夜馬裕さんがサメにまつわる怪談を披露する場面では、ネタ要素なく本当に夜馬裕さんが怪談師として話しているので、あの場面だけクオリティが突出して高かったように思えます。
本作は2023年のサメ映画総選挙にて堂々の1位を獲得していますが、手作り感満載な作品に上記のようなホラー業界の有名人を巻き込んだことで界隈を盛り上げたのが要因として大きいのかもしれません。
その他見どころや豆知識
- カップルYouTuberも取材する夏目たちも、渦巻蚊取り線香を手に持って歩くという斬新な虫よけスタイル。火傷の危険があるので良い子は真似しないように。
- プロレスラーのザ・シャークによる「井戸からサメ出てくるわけねーだろ」という至極真っ当なツッコミ。
- どんな怨霊よりも恐ろしい西川の暴君ぶり。
- 作中で言及されていなかったのですが、地蔵の手前で西川が「何か聞こえた」と騒いだ直後、腰を曲げたような人影が一瞬写り、次の瞬間には消えています。
- すでに気付いている人がほとんどだと思いますが、井戸の前で唱える呪文「アパスラクンホニガキイセ」は「性器が二本クラスパア」を逆さまに読んでいます(クラスパーはサメの交尾器です)。
サメに関する解説
サメの造形
疑いようもなく純度100%着ぐるみでした。
公式がTwitter(現X)やYouTubeにアップしている内容を見ると全身をしっかり作っているようですが、本編ではほぼ顔しか見えません。
股間のあたりに腹ビレと二本のクラスパーが垂れ下がっているという細かい仕様まであり、作中の呪文でも交尾器に言及しているにもかかわらず下半身を見せないというのは、いささか勿体ないように感じます。
なお、着ぐるみの眼の位置が灰色と白色の境目辺りに位置していますが、モデルになったであろうホホジロザメの眼は色の境目より上に位置しています。
サメの行動
「井戸の水に塩分が多かったからサメが出た」的な設定を匂わせているのに、何故ベッドの下や風呂からサメが出てくるのか謎でした。
また、作中でサメに取り憑かれた状態の夏目は川の水を必死に飲んでいましたが、淡水を飲むのはサメにとって逆効果な気がします。
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