『MEGALODON ザ・メガロドン』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

チープさと荒唐無稽さは健在ですが、アサイラムにしては全体的に真面目です。ただ、サメ映画として面白いかと問われれば微妙だと思います。

邦題MEGALODON ザ・メガロドン
原題Megalodon
公開年2018年
監督ジェームズ・トーマス
出演マイケル・マドセン/ドミニク・ペース/キャロライン・ハリス
制作国アメリカ
ランクB級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。)
ストーリー★★☆☆☆
演出や絵作り★★☆☆☆
サメの造形★★☆☆☆

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目次

あらすじ

ハワイ沖を航行中の米国駆逐艦が、沈没したロシアの潜水艦を発見する。

自身が開発した潜水艇ベルで救助に向かったリンチ中佐は生存者の救出に成功するが、数百万年前に絶滅したとされる巨大ザメ「メガロドン」の襲撃を受ける。

メガロドン相手になすすべく潜水艇は飲み込まれてしまい、さらにこのままではハワイ諸島での甚大な被害が予想される。

果たしてリンチたちは無事生還し、メガロドンを倒すことができるのか?そして、救出されたロシア兵たちの真の狙いとは一体・・・・。

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

デカすぎるだけで見せ場の少ない巨大ザメ

本作は舞台が潜水艦と軍艦のみで登場人物ほぼ全員が軍人という異色のサメ映画です。

単純な「サメVS人間」の死闘を描いたというより、サメが出てくる軍隊映画と言った方が正しいかもしれません。

確かに物語はサメの登場や襲撃を軸に展開しますし、どう考えても全長100m以上ある存在感ありすぎのサメ(もはやメガロドンではない)が出てくるのですが、リンチたちが乗る潜水艇を飲み込んで以降、メガロドンは大した活躍を見せません。

メガロドンを砲撃するシーンでもサメの姿はあまり映らず、船に体当たりするばかり。スパイ活動をしていたロシア兵との駆け引きや攻防、上官との対立や絆など、軍事アクションの方がメインになっています。

そもそも本作にはサメ映画の醍醐味である捕食シーンがほぼありません(クルーザーに乗っているモブキャラが船ごと丸呑みにされるシーンはあり)。

ラストで船を破壊するメガロドンもサイズがデカすぎるせいで吻先しかほぼ映らないという体たらく。そのサイズ感が迫力ではなくシュールさにつながっています。

サメのサイズ感以外はふざけた描写はあまりなく、アサイラムにしては真面目でシリアスに作っていると思いますが、「巨大ザメVSアメリカ海軍!」のような壮絶バトルを期待していると、大きな失望に襲われると思います。

その他見どころや豆知識

  • マイケル・マドセン演じるキング大将の見た目やポーズが完全にマッカーサー。
  • サメにケーブルを引っ張られただけでダウンする船のシステム。ショボ過ぎる。
  • 着水した瞬間に人間が死亡するほどの強い電気を海に流したら、そのまま甲板にも電気が伝わるのでは?
  • ボートから人が落ちるシーン、何故か一瞬静止画が映る。バグ?
  • ロシア艦長イワノフの銃の持ち方が舐めてます。あんな構えで当たるか。
  • ストリーパー艦長が自ら犠牲になることを決意してリンチに艦長の座を明け渡す直後、いい感じの雰囲気にもかかわらず呑気に泳いでいるイルカが映り込みます。撮りなおそうよ。
  • 明かに足を折る音がしたのに、平然と歩いているイワノフ艦長。
  • 船に縛り付けられたまま船と共に沈んでいったと思しきポポフが少し不憫。

サメに関する解説

サメの造形

メガロドンは知名度こそあるものの、その正確な姿や大きさはハッキリとは分かっていません。

ホホジロザメと同じネズミザメ目に分類され、当初ホホジロザメの祖先とされたことから、ホホジロザメに近い姿で再現されることが多いのですが、どんな姿をしているのかは現在も謎のままです。

そのため、どんな姿で描いても自由といえば自由なのですが、それでも本作のメガロドンには指摘しなければならない重大な問題が二つあります。

一つ目はそのサイズです。

全身骨格が見つかっていないこともありメガロドンの正確なサイズは不明なものの、全長10~20m前後だとされています。

しかし、本作のサメは口の幅だけでナガスクジラの全長を超え、その全長は駆逐艦の半分ほどもありました。

食べられたクジラが何mだったのか、駆逐艦のサイズはどれくらいだったのか、作品を観ているだけではよく分からないのですが、それでも本作のサメは100mほどはあったと思います。

メガロドンの歯の化石のサイズや現生の近縁種における歯の数、メガロドンに噛まれたと思しきクジラの仲間の化石などから判断するに、どう考えても100mあったとは思えません。いくら何でもサイズ感が滅茶苦茶です。

もう一つ、本作のメガロドンは妙にゴツゴツした見た目をしていましたが、これも考えづらいです。

メガロドンはその歯の大きさや形状から、明らかに大型の海洋生物の肉を切り裂いて食べていたと思われます。

そうした生物を捕食するなら水の抵抗をできるだけ減らして速く泳げる方が有利で、現に現生のホホジロザメ、アオザメなどはそのような流線形の体をしています。

本作のメガロドンのように無駄に凹凸が多い姿では水の抵抗が増してしまい、流線形のサメより余計な体力を使ってしまうはずです。このような特徴を持つ個体が生き残れるとは思えません(この場合の「生き残れる」は、世界各地で化石が見つかるほど当時繫栄するという意味です)。

恐らく「古代ザメの設定だから変な見た目にしておこう」という雑な考えのもとで作られたのだと思いますが、元々アサイラムのCGはおかしいところが多いので、そのままデカいホホジロザメを描いた方がそれっぽくなったかもしれません。

サメの行動

本作のメガロドンは、「南太平洋通信ケーブルに侵入して情報を得ようとドリルを使ったところ蘇った」という設定のもとに登場します。

メガロドンはとにかくデカいので、「実は生きていた」設定の映画やオカルト話を作ろうとすると、どうしても深海に潜んでいたことにする必要が出てきます。

しかし、一次生産者に乏しい深海はエネルギー総量が少なく、メガロドンのような大型捕食者の食力を満たすほどの獲物がいるとは思えません。

そもそもホホジロザメですら深海と表層を行き来しているのですから、メガロドンが生きていたとすれば、彼らも豊富な獲物を求めて潜ったり浮上したりを繰り返しているはずです。

海底でドリルを使うまでもなく、もし生きていればメガロドンはそこら辺の海を泳いでいることでしょう。

その他サメの解説

ロシア兵たちが潜水艦で何をしていたのかを尋問された際に「サメの研究をしていた」と言い訳するシーンにて、どうも翻訳がおかしいことになっています。

日本語字幕では終始「サメの研究」としており、確かに「shark」と発している時もあるのですが、時々「Whale」や「Whaling」という言葉も聞こえてきます(言うまでもなく、「Whale」はクジラ、「Whaling」は捕鯨を指します)。

駆逐艦船内での尋問シーンにおいても「I love whales」というセリフが「サメが好きなんだ」と訳されています。

まさか、字幕担当者がサメをクジラの仲間と勘違いしていたのでしょうか?それとも製作陣がサメとクジラの区別をつけておらず無茶苦茶なセリフになっており、字幕担当者が整合性を保つために全てサメの話に訳したのか・・・。

サメは魚の仲間が陸に上がる前に他の魚たちと分岐した軟骨魚類というグループの仲間であり、クジラたちは陸上に上がった魚たちの子孫である陸生哺乳類が再び海に戻った成れの果てです。

両者は全くの別物ですので、誤解のないようにお願いいたします。

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