【BGサメ映画レビュー】エクソシスト・シャーク/デビルシャーク

邦題エクソシスト・シャーク/デビルシャーク
原題Shark Exorcist
公開年2015年
監督ドナルド・ファーマー
出演アンジェラ・ケレック/ボビー・ケレック/チャニング・ドッドソ
制作国アメリカ
ランクZ級(もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる)
目次

あらすじ

児童13人を虐待死させた狂気の修道女リンダ・ブレアは、湖の畔で一人の女性を殺害し、その血をサメの悪魔に対する生贄として捧げる。

その1年後、エミリー、ローレン、アリという三人の若い女性が湖を訪れるが、サメの悪魔がアリを襲い、彼女は足にひどい傷を負ってしまう。

しかし、重症だったはずの彼女の傷は瞬く間に跡形もなく消え去り、徐々に彼女は奇妙な行動をとり始める。

実は、噛み跡を通じてサメの悪魔がアリに憑依していたのだ。

取り憑かれたアリが一人また一人と湖に導いてサメの生贄を増やしていく中、悪魔降臨を知ったマイケル神父はエミリーのもとを訪れるが・・・。

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

物語として成立してすらいないゴミ映画

「最低なサメ映画」や「クソなサメ映画と言えばコレ」と称されることの多い、ある意味伝説的な作品です。

元々は『デビルシャーク』という名前(通称デビシャ)だったのが、一度日本国内での配給権が失効し、2022年5月にコンマビジョンという配給会社が再度権利を取得して、『エクソシスト・シャーク』という邦題で公開されています。

しかし、何でそこまでして公開する必要があるのか?その金と手間をもっと有意義なことに使えなかったのか?

そんな疑問を抱かざるを得ないほどのクソ映画です。最低の更に下という称号を与えたいほどのゴミでした。

色々とツッコミを入れたい部分はあるのですが、最大の問題点は物語が全く成立していないことです。

物語の本筋は「あらすじ」に書いた通りなのですが、ストーリーが進む途中に、自称霊能者の女性がトランス状態になる、オカルト好き女子三人組が謎の儀式を始める、墓場で寝間着っぽい恰好の女性が突然血を流しながら苦しみだす、日光浴する女性を変態野郎が盗撮するなど、よく分からないシーンが次々に挿入されます。

これらのシーンの背景が説明されることも、デビルシャークとの関連性が示されることも、後半のプロットにつながることも一切ありません。

本筋に関係ないモブキャラがサメに食われるシーンを挿入して尺稼ぎするのはサメ映画だと”あるある”なのですが、これらのシーンにサメは全く関わっておらず、尺稼ぎにすらなっていません。

さらに、メインストーリーにおいても、病院にアリが運ばれたと思ったら次の瞬間場面がゲームセンターに変わってアリが退院したことになっていたり、それまでデビルシャークに生贄を捧げていたアリが突然遊園地でカップルを襲ったり、悪魔祓いっぽい儀式の途中に空からデビルシャークがいきなり降ってきたり、水辺に立つリンダ・ブレアが死んだはずの生贄女性にいきなり水の中へ引きずり込まれたり・・・。もう完全に置いてけぼりです。

極めつけは、エンドロールが始まってしばらくすると始まる水族館の映像です。

整合性の全くないゴミ同然の映像を1時間以上見せられた後のスタッフロールで「やっと終わった」と安心しきっていたところに、いきなり一人の女性が水族館を歩くシーンが挿入されます。

当該シーンの女性は水槽をぼんやりを眺め、突然サメのぬいぐるみを爆買いした後、サメのおもちゃの臭いを嗅ぎながら恍惚な表情になった末にゲロを吐くという、1mmも意味が分からない行動をとります。もちろん本編との関連性は謎です(恐らくそんなものはない)。

サメ映画を観ていると「一体俺は何を見せられているんだ」と感じる場面によく遭遇しますが、開始から最後の最後までそういう気持ちを抱き続けた作品は本作『エクソシスト・シャーク』だけであり、今後二度とこんな悪魔的な作品が作らないよう願うばかりです。

演技や演出もホームビデオレベル

もちろん、ストーリーの流れだけでなく絵作りのクオリティもゴミです。

より厳密に言えば、お遊戯会やホームビデオなら許されるという程度の映像が平然と使用されています。

棒読みのセリフ、下手過ぎる演技、赤すぎる血、家電量販店で普通に買えるであろうカメラの映像、遠すぎるor近すぎるカメラアングル、風の音に負けてほとんど聞こえないセリフなどなど・・・。

特に、自称霊能者のスピリチュアル女がトランス状態になるシーンは、あまりにも演技と演出がひどいので、取り憑かれている演技なのか、取り憑かれているフリをしているインチキ霊能者の演技なのか分かりませんでした(一応前者だったようです)。

また、アリと若い男が湖で一緒にいるシーンで、誰のものかも分からない怒鳴り声のようなものが当たり前のように聞こえてきます。作品に関係ない一般人の声を普通に拾って、そのまま使用したのでしょうか。

他にも、ニュース映像で使われているテロップが書体からデザインまで全てダサい、無言でただ歩くだけのシーンが長すぎるなど、ツッコミを始めたら一生終わりません。

70分の中にツッコミどころが沢山あるのではなく、ツッコミどころで70分が構成されているのです。

ここまで酷評すると「そこまで言うならお前が撮ってみろ」と言われそうですが、僕を含めたその辺のYouTuberの方がまともに作れるとすら思います。

サメよりもゲロに力を入れた作品

どれだけストーリーや絵作りがゴミでも「サメが人を食うならそれでいい!」という酔狂な人もいると思いますが、本作にサメが人を喰らうシーンは1秒もありません。

映画の設定上はサメが人間を噛んだり食べたりする場面が確かに存在するのですが、サメと登場人物が一緒に映ることは決してなく、水の中をゆっくりと泳ぐデビルシャークの映像が映った後に登場人物が水に沈んだり悲鳴を上げたりしただけで「はい、この人はサメに食われました」と言わんばかりに捕食シーンが終わってしまいます。

何故サメと人間が全て別撮りなのか・・。まさか、クロマキー合成をする編集能力すら制作陣にはなかったのでしょうか。

そんなサメが泳ぐシーンすらほぼ同じ映像の使い回しで、サメが画面上に映った時間は合計1分程度しかなかったと思います。

さらに、サメ映画では定番の水中から人間を映すシーンが一切なく、人間が腰より深い水に浸かるシーンがやけに引き気味に撮影されています。

もしかしてカメラを水で濡らさないようにしている?曲がりなりにも水棲生物をテーマにした映画を作るのに防水カメラやハウジングも用意しなかったのか・・。

サメを主題にしながらここまでサメに関して手を抜く。まさにクソ映画です。

しかし、そんな映画がサメよりも力を入れたと思われるのがゲロです。

サメの捕食シーンは直接描かなかったくせに、ゲロを吐くシーンは直接的に、かつ何度も映ります。なんでサメの襲撃は役者が水に沈むだけで済ませるのにゲロのシーンはちゃんと鮮明に映すんだ?

悪魔に取り憑かれたアリがゲロを吐くのは『エクソシスト』のパロディとして納得できますが、おかしくなった霊能者、死体を見つけたジョギング男、謎の水族館女性など、特にゲロを吐く必然性のなさそうな人間が次々にリバースカードをオープンしていきます。

もし本作の配給権がまた失効し、再度誰かが権利を取得する時は、もう邦題は『ゲロシャーク』でいいと思います(そもそもそんな権利取得しないで欲しいのですが)。

スティーブン・キングが”本物の映画”と認めた?

本編には直接関係ないのですが、この映画にまつわる謎を紹介しておきます。

本作『エクソシスト・シャーク』は「酷ければ酷いほど好き」という歪んだ感性のマニアのハートを握りつぶすほどつかんだらしく、一部のディープなサメ映画マニアの中では聖典のような扱いを受けています。

そうした影響力が功を奏したのか、本作は2021年に行われた”(理由はどうあれ)一票を投じたいサメ映画に投票する”という謎イベント「サメ映画総選挙」において堂々の1位を獲得しています。

そして、そんなイベントの選挙期間中に起きたのがスティーブン・キング騒動です。

スティーブン・キングと言えば、『キャリー』『シャイニング』『IT』『ミザリー』などなど、数々の名作ホラー作品を生み出した小説家であり、「モダン・ホラーの開拓者」や「ホラーの帝王」と称されるほどの人物です。

そんなスティーブン・キングが「SHARK EXORCIST is a real movie.(『エクソシスト・シャーク』は本物の映画だ)」と突然ツイートし、サメ映画総選挙で盛り上がっていたサメ映画界隈がざわつく事態になりました。

果たして、僕にはゴミの塊にしか見えなかった映画が天才には違って見えたのか?それとも「ゴミでも映画は映画」という意味だったのか・・・。

ないと思いますが、もし僕がキング氏にお会いする機会があれば、この発言の真意を確認しようと思っています。

その他見どころや豆知識

  • 本作で出てくる修道女リンダ・ブレアの名前は、1973年の『エクソシスト』で悪魔に取り憑かれる少女リーガンを演じた女優に由来しています。もちろん本物のブレアさんは本作と何の関係もないです。
  • アリの肩に「天使」という漢字のタトゥー。B級とかZ級映画に出てくる俳優ってたまに謎の漢字タトゥー入れてますよね。
  • スクールカースト上位の金髪女性がいきなり襲われるシーン、突然不気味な色の謎映像が挟み込まれますが、『ロスト・ジョーズ』というZ級映画の映像に色調補正を加えたものです。
  • エンドロール中に突然挿入される水族館映像はテネシー水族館で撮影されたものです(クレジット内ではChattanooga  Aquariumという表記になっていますが、同じ施設を指します)。オープニングでちょっとだけ映るクラゲとサメの映像もこの水族館で撮影されたものです。

サメに関する解説

サメの造形

1分程度しか写りませんが、一応サメは出てきます。

ただし、DVDパッケージに描かれているサメの100倍ショボいです。

サメの姿自体はホホジロザメがモデルなんだろうなと分かる姿をしていました。

尾ビレ上葉に欠刻がないのが気になりましたが、この映画全体のクオリティを考えればそんなことはどうでもいいです。

あと、水族館映像にヤジブカとツマグロが映っていました。

サメの行動

特に言うことはありません。

一応尾ビレを振ったり口を開いたりしていたので、「ああ、一応これはサメなんだ」という気持ちになりました。

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参考文献&関連書籍

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