【魚魚展】オガワアートさんのサメ剥製が並ぶ展示会でホホジロザメの幼魚を観察!

先日、超高クオリティの魚の剥製がずらっと並ぶ素晴らしいイベントに参加してきました!

それが、長野県松本市で開催中の「魚魚展・魚の博物館がやってくる!2023」です!

「生きている時そのままの姿を再現する魚類剥製師」と称されるオガワアートコレクションの小川貴光さんが手がけた魚の剥製たちを観ることができます。

今回はそんな魚魚展にどんな剥製が展示されているのか紹介していきます!

「魚魚展・魚の博物館がやってくる!」は2023年7月29日(土)~8月6日(日)開催です。 

目次

生き生きとしたサメの剥製たち

今回のイベント名は「魚魚展」ですが、ポスターの副題に「サメの世界」とある通り、沢山のサメの剥製が並んでいます。

サメは硬骨魚よりも皮を剝がすのが難しく製作が大変らしく、実際巷でよく見るサメの剥製の中には不細工なものやシワシワなものをよく見かけます。

しかし、オガワアートさんが手がけるサメの剥製は、そうしたものとは一線を画すクオリティです。

数々のサメの標本たち
アオザメ
ノコギリザメ
ラブカ
ワニグチツノザメ

ここまで完成度の高いサメの剥製は他ではなかなか見ることができません。

剥製を作る際は一度皮を剥がし、芯材を包むように被せていくそうですが、生きているサメそのままを固めたような姿をしています。

色と目の再現がすごい

何故ここまで再現度が高いのかを考えた時に、色の再現が限りなく本物に近いことが大きな理由の一つだと感じました。

剥製作りの前提ですが、魚は乾燥の過程で色が抜けてしまうため、生きている姿を元に着色する必要があります。

しかし、サメの体色は「〇〇色」と断言しづらい微妙な色が多く、メタリックな光沢やグラデーションもあり、さらに生前と死後で体色が大きく変化するなど、再現が非常に難しいです。

そのためなのか、世に出回る一部のサメ剥製は「何故こんな色にしたのか?」とツッコミを入れたくなる配色だったり、背中側とお腹側の色の境目が明確過ぎて作り物感が強いことがあります。

そんな中、オガワアートさんの作品は、ネコザメやイタチザメなど、模様の再現が難しいであろうサメたちの剥製も本物そっくりに着色されており、生き生きとした剥製を作ることへのこだわりが強く感じられました。

ネコザメ。生きている姿の模様を忠実に再現した色合いです。
イタチザメの幼魚。背中のサバ模様はもちろん、お腹側の色との境目も素晴らしいです。

オガワアートさんのサメ剥製のもう一つの重要な要素は目だと思います。

どこのどれとは言いませんが、一部のサメの剥製は絵画の修復失敗例を彷彿とさせる、なんとも間が抜けた顔をしていることがあります。

何故そんな剥製に見えてしまうのか理由を考えてみると、真っ黒くて大きな目をしたサメなのに全然違う目で再現されているなど、目の表現が本物とまるで違うせいだと感じました。

しかし、オガワアートさんの作品はドチザメのアーモンド形で眠そうな眼から深海ザメのエメラルド色に輝く眼まで忠実に製作され、本来の表情がしっかりと再現されています。

ドチザメの眼・分かる人には分かる、本物そっくりの再現です。

ホホジロザメの幼魚の剥製!

今回の展示で個人的に一番観たかったのはコチラ!

ホホジロザメの幼魚の剥製です!

写真からしても「幼魚」というサイズに見えないと思いますが、ホホジロザメは出産直後の時点で120~150cmほどの大きさなので、こんな姿でも0歳の赤ちゃんだと思われます。

太さから判断するに、剥製にする過程でやや縮んだ気がしますが、それでも迫力ありますね。

ホホジロザメの幼魚は成魚そっくりに見えますが、実は分かりやすい違いが二つあります。

一つが第一背ビレの形です。

左が今回展示されたオガワアートさんの剥製、右側が成魚と思しきホホジロザメの写真です。

左側の第一背ビレの方が先端がやや丸みを帯びているのが分かると思います。

成魚のホホジロザメだと欠けたりしない限りは背ビレの先端がとがり気味なのですが、幼いホホジロザメだとやや丸くなり、アオザメやネズミザメに近い見た目になります。

もう一つが歯の形です。

剥製の口に並ぶ歯をよく見てみると、三角形の左右に小さなトゲのようなものが付いているのが分かります。

これは、幼魚のホホジロザメにだけ見られる特徴で、成魚になるとこのトゲはなくなります。

ちなみに、この可愛らしいトゲは副咬頭といい、ホホジロザメの幼魚以外だと、ネズミザメやシロワニの歯で確認することができます。

今にも泳ぎだしそうな硬骨魚の剥製たち

今回展示されているのはサメだけではありません。

迫力満点、今に泳ぎだしそうな硬骨魚の剥製も数多く展示されています。

ずらっと並ぶ剥製の数々
スケトウダラ
スジアラ
ハモ
キハダマグロ
コブダイ
ヒラスズキ

今回展示されていた魚の剥製は体に”うねり”や”ねじり”があるものが多く、口の開き方や目つきに個性があるように感じます。

また、サメの剥製も触れた眼の部分が良いですね。義眼を入れているそうですが、本物の目玉を固めたのかと思うような表情をしています。

学術的な剥製として展示するなら「体を真っすぐにしなければならない」などの制約があるのかもしれませんが、今にも動き出しそうな躍動感のある剥製も僕は好きです。(ちなみに、オガワアートさんは博物館や水族館向けの剥製も製作されています)。

イベントの開催期間が短いのが惜しいですが、まだ間に合うという方はぜひ松本の魚魚展へ足を運んでみてください!

魚魚展・魚の博物館がやってくる!2023の詳細

魚魚展・魚の博物館がやってくる!2023

  • 開催期間:2023年07月29日(土)~2023年08月06日(日) ※月曜休館
  • 会場:梓川アカデミア館
  • 開館時間:9時~17時
  • 料金:大人1,000円、小学生500円 ※未就学児無料
  • 住所:〒390-1701 長野県松本市梓川倭566-12
  • 最寄り駅:新村駅(徒歩約33分)、松本駅(タクシー約20分)
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