なぜサメ映画はB級・Z級が大量に作られるのか?ひどいほど愛したくなるサメ映画人気の理由を解説!

先日、日本製作のサメ映画『妖獣奇譚 ニンジャ VS シャーク』という映画が劇場公開され、僕も映画に絡めて日刊サイゾー様から取材頂きました。

※日刊サイゾー様の記事はコチラ

「え、サメと忍者?どういう組み合わせ・・?」と混乱した方もいると思いますが、「もはやサメ映画にフカ能はない!」とまで言われるほど、様々なサメ映画がこれまで製作されています。

竜巻でサメが飛んでくる『シャークネード』を始め、頭が二つ生えたサメ『ダブルヘッド・ジョーズ』、タコと合体したサメ『シャークトパス』など、本当に多種多様です。

そんな勢いの止まらないサメ映画ですが、何故こんなにもサメ映画が量産されるのか?何故トンデモな作品ばかりなのか?

今回はトンデモなサメ映画の歴史を振り返りつつ、サメ映画が繁栄する理由について僕なりに解説していきます。

目次

何故おかしなサメ映画が作られ続けるのか?サメ映画の歴史と人気の理由を解説!

このブログの内容は以下の動画でも解説しています!

※動画公開日は2023年4月21日です。

トンデモなサメ映画の歴史

1975年に『ジョーズ』が公開されて以降、良くも悪くも様々な作品が生み出されてきました。

まずは、そんなサメ映画の歴史を振り返ります。

ただし、全部を紹介していると一冊本が書けてしまうので、今回は「サメ映画を通してサメがどう変化してきたのか(オモチャにされてきたのか)」という、サメ映画の進化史的なところに絞って紹介していきます。

1984年:サメに触手が生える

「サメに触手」と聞くと2010年公開の『シャークトパス』を思い浮かべる人もいると思いますが、実はあの映画には元ネタがあります。

それが1984年に公開された『死神ジョーズ・戦慄の血しぶき』です(別名『ジョーズ・アタック2』)。

本作に出てくる生物の顔は恐らくダンクルオステウスがモデルだと思われるので、果たしてこれを「サメ映画」と呼んでいいのか疑問ですが、異形のサメを登場させた作品としては恐らく最古の作品だと思われます。

1995年:サメが物体Xになる

『プロテウス』という映画では、人に化けたり液状化したり触手が生えたりする謎の生物が出てきます。

恐らく、名作SF映画『遊星からの物体X』にインスパイアされた作品だと思われます。

もはやサメの姿を失っているのですが、一応特殊なDNAを注入されたホホジロザメという設定なので、サメ映画の一つとされています。

1998年:サメが大地に立つ

『海棲獣』という作品では、海軍の極秘実験で生み出されたサメ人間的な生物が登場し、現地の人や研究者に襲い掛かります。

設定だけ聞くと完全にトンデモですが、実はこの『海棲獣』の原作者は『ジョーズ』と同じピーター・ベンチュリーです。SFとして純粋に楽しめるので、古い映画でも大丈夫という方にはお勧めです。

とはいえ、サメ映画の始祖とも呼べる人物がトンデモの基盤を作っているというのは感慨深いものがありますね。

本作以降も『キラー・シャーク 殺人鮫』、『えっ?サメ男』、『コマンド―シャーク地獄の殺人サメ部隊』など、複数の作品でサメ人間は登場します。

2009年:サメが超巨大化

後に数々のB級サメ映画を生み出したアサイラム社による最初のサメ映画『メガシャークVSジャイアントオクトパス』にて、超巨大ザメが登場します。

本作までにも巨大ザメとしてメガロドンを登場させる作品はあったのですが、本作のサメは全長数百メートルと完全に桁違いです。

もう人を食うというより怪獣のスケールであり、飛んでいる旅客機やゴールデンゲートブリッジに噛みついてきます。

2011年:サメが陸で泳ぎだす

『ビーチ・シャーク』という映画では、砂の中をサメが泳ぐという新しい形態の陸上進出を果たします。

「どうやって呼吸しているのか?」「砂の重みでまともに動けないのではないか?」などのマジレスは通用しません。

この作品に影響を受けたのか、翌年2012年には雪の中を泳ぐ『スノーシャーク 悪魔のフカヒレ』、2021年にはトウモロコシ畑を泳ぐ『シャーコーン! 呪いのモロコシ鮫』など、陸上をサメが泳ぐのは当たり前になります。

「泳ぐ」って何でしょうね・・・・。

2012年:サメの頭が二つになる

いよいよ、サメに頭が二つ生えました。『ダブルヘッド・ジョーズ』です。

二つ頭のサメ自体は現実世界でも複数の報告がありますが、水の抵抗を受け流せないので、まともに泳げずに生き残れないと思います。

ただ、もちろんサメ映画はそんなこと気にしませんので、その後も何故か頭を3つ、5つと増やし、最終的には6つの頭が生えたサメが頭を脚にして陸を歩き出します。

2013年:サメが霊体となる

『ゴースト・シャーク』という作品では、釣り人に殺されたサメが祠のような場所で霊体になり、水がある場所ならどこでも現れて人を襲う幽霊ザメになります。

家庭用プールからウォーターサーバーまで、あらゆる場所からサメが出てくる映画となっています。

もはやホラーですが、ジョジョのスタンドやシャーマンキングのO.Sを彷彿とさせる、面白い展開ではあります。

2013年:サメが空を飛ぶ

ついにお待ちかね、『シャークネード』です。竜巻で無数のサメが飛んできます。

いまやB級サメ映画の代表格になった本シリーズは、サメの宇宙進出、放射能を帯びたサメの集合体”シャークジラ”、火を吹くドラゴンシャーク、サメによるタイムトラベルの実現など、この映画でしか見られない珍場面を量産してきました。

ちなみに本作以降も『ロスト・ジョーズ』、『スカイ・シャーク』、『シャーキュラ』など、サメが空を飛ぶ作品が複数製作されています。 

2014年:サメが極小サイズになる

『ピラニア・シャーク』という映画では、細胞サイズの超小さなサメが登場します。

そのままピラニアにすればよかった気もしますが、何かサメではないといけない事情があったのでしょう・・・。

2015年:サメがロボになる

『ロボシャークVSネイビーシールズ』という作品では、宇宙人が落とした謎の物体を飲み込んだホホジロザメが、何故かロボになります。

スマホを飲み込むことでTwitterを使いこなし、『E.T.』さながらに人間と交流するシーンするという、宇宙ロボらしい描写が多いのが本作の見所です。

2015年:サメが悪魔になる

知る人ぞ知るZ級映画『デビルシャーク』です(現在の邦題は『エクソシスト・シャーク』)。

噛んだ人間に憑依する悪魔のサメが出てきます。

ただし、この作品はあまりにも色々ひどすぎて、もう話したくありません。一言で言えばゲロです。

2015年:サメがゾンビになる

『ゾンビシャーク 感染鮫』という映画では、首だけになっても襲ってくるゾンビザメが出てきます。

ゾンビ映画のお約束である「噛まれたらゾンビになる」という設定もありますが、そもそもサメに噛まれたら大体の人が死んでしまうため、果たしてゾンビ要素が必要だったのか大いに疑問です。

2016年:サメが原爆みたいになる

『シン・ジョーズ』では、サメ自体が核融合みたいな反応を起こしていて、サメの粘液的な何かに触れたり、サメに汚染された魚を食べると人間の体が爆発します。

放射能を何だと思ってるんでしょうね・・・。

念のため言っておきますが、ゴジラも庵野監督も全く関係ありません。

2016年:サメがフランケンシュタインみたいになる

『フランケンジョーズ』(現在の邦題はシャーケンシュタイン』)では、複数のサメを縫い合わせて作ったサメにフランケンシュタインの脳みそを移植したという、完全に理解不能な生物が登場します。

繋ぎ合わせる意味も謎ですし、顔が全くサメではありません。ショボすぎる合成も相まって、NHKの人形劇に出てくる恐竜モンスターのように思えます。

そして、このフランケンジョーズも後半には足が生えて陸を歩き始めます。

2017年:サメが家に現れる

『ハウス・シャーク』という映画では、文字通り家にサメが出ます。

トイレの便器から背ビレだけ出して登場した後、家の中を歩き回ったり、レーザー銃を撃ってきます。

ただし、本作は主題がサメなのか下半身なのか分からなくなるほどの常軌を逸した下ネタが数多く挿入されており、食事中の方や下ネタ耐性のない方にはお勧めできません(耐性のある方にも別にお勧めしません)。

2018年:サメが夢の中に現れる

『ジョーズ・キング・オブ・モンスターズ』という映画では、夢の中にサメが出てきて襲ってくるという内容になっています。

端的に言えば『エルム街の悪夢』のサメバージョンです(かの作品ほどクオリティが高いかは別問題です)。

2019年:サメが3Dモデルになる

『BAD CGIシャークス 電脳ザメ』という映画では、子供のころに書いたサメ映画の脚本が不思議な力によって現実化し、何故かクソCGになって襲ってきます。

サメ映画にありがちな低クオリティなCGを「そういう設定だから」と物語に組み込んでしまっています。

チープさを逆手に取ったような、面白い発想の作品です。

2022年:サメが月面で文明を築く

『ムーンシャーク』という映画では、ソ連によって開発されたサメ人間兵士”ハイブリッドシャーク”が月面に都市を作り上げ、月を探索していた宇宙飛行士に襲い掛かります。

サメである必要性を全く感じないシナリオですが、ここまでに宇宙に飛んだりサメ人間になったりしているので、もう普通な気がします。

なぜ多様かつ大量のサメ映画が作られるのか?

ここまで、B級・Z級と言われるトンデモ系サメ映画の歴史を振り返ってきましたが、これでもごく一部です。

では、何故ここまでサメ映画が量産され、そしてトンデモ系が多いのでしょうか?

考えられる理由を以下にまとめてきました。

ジョーズが超大ヒットしたから

サメ映画の原点にして頂点とされるのが、ご存知『ジョーズ』です。

この作品自体が古いことに加え、「サメ映画=ヤバい」という昨今の風潮のせいで忘れがちですが、『ジョーズ』は映画全体の中でもトップクラス。まさに不朽の名作です。

興行収入は最初の59日間だけで1億ドル以上。当時の大ヒット作である『風と共に去りぬ』や『ゴッドファーザー』を追い抜き、アメリカで初めて1億ドル稼いだ作品となりました。

さらに、アカデミー賞の作曲賞、編集賞、録音賞の3部門を受賞し、作品賞にもノミネートされています。

こうした目に見える実績に加え、『ジョーズ』を観ていない人でも「デーデン、デーデン♪」という例の音楽で何の映画か分かるほど有名になり、ただのアゴを意味する単語でしかなかった映画のタイトルが一つの動物の代名詞になるというのは、『ジョーズ』という作品が持つパワーの証だと思います。

もし『ジョーズ』にそこまでのパワーがなければ、後に『ジョーズ』をパクった作品が数多く生まれることも、今のサメ映画文化に繋がることもなかったでしょう。

サメはデザインの幅が効く

サメには特徴的なアイコンがあるため、キャラクターとして描きやすいという利点があります。

例えば、「サメの絵を描いて下さい」と急に言われた時に、どれだけ絵心がなくてサメに関して無知な人でも、尖った歯がたくさん生えた、三角形の背ビレを持つ魚の絵を描けると思います。

要するに、「尖った歯」と「三角形の背ビレ」という特徴さえおさえておけば、誰が見ても「サメだ」と解釈してくれるので、雑に描いたりデフォルメしたり、よく分からない要素を加えてもサメだと伝わりやすいんです。

近年コスプレイヤーさんが着るようなポップなサメグッズが増えているように感じますが、これもサメという存在の使い勝手の良さが関係していると思われます。

サメはCGが量産しやすい

サメには、他の動物よりもCGが作りやすいという利点もあります。

例えば、同じく危険生物として知名度の高いクマやワニを描く場合、フサフサした体毛やゴツゴツした鱗など、表面の再現に手間がかかります。

対してサメは、パッと見てみると凹凸がなく、滑らかでツルっとした姿をしています。

実際に触ったり顕微鏡で見たりすれば細かい鱗に覆われてはいるのが分かるのですが、スクリーン越しではそこまで見えませんし、そもそも鱗があると知らない人も多いため、ツルっとした再現でも問題ないわけです。

また、多くの動物を動かすときは四本の脚を動かしたり身体が上下したりと動くパーツが多くなりますが、サメは尾びれを振っているだけでとりあえず泳いでいる感が出ますから、そうした動作の面でも再現が楽なようです。

海でサメ映画を作ると手間がかかるから

トンデモなサメ映画が増える理由として、コスト面も関係していると思われます。

B級やZ級サメ映画の歴史を振り返ると、人と合体して脚が生えたり(海棲獣)、砂や雪の中を泳ぐ(ビーチ・シャーク)、竜巻で飛んでくる(シャークネード)など、サメをどんどん水から出そうとしていることが分かります。

サメとタコが合体する映画『シャークトパス』でもタコ足の生えたサメが陸に上がってきますし、サメがロボになる『ロボシャーク vs. ネイビーシールズ』や、サメが霊体になる『ゴースト・シャーク』など、B級サメ映画は陸上を舞台にしがちです。

また、海の映像が出てくるB級映画でも、ドキュメンタリー用に撮影されたサメの映像や他作品の映像が流用されていることが多いです。

海が舞台のサメ映画を作る場合、海辺でロケをしたり、大量の水を使ったり、防水仕様のカメラや濡れても動くサメのロボットを用意したりと、手間やコストが格段に増えます。

こうした事情から、低予算でサメ映画を作ろうとした場合、サメを陸にあげたり空に飛ばした方が製作側としても都合が良いのでしょう。

正統派サメ映画のストーリーを考えるのは大変だから

そもそも、サメが人を海で襲う物語を作るには高度な創造性が必要ではないかと僕は考えています。

サメ映画を観ていると忘れそうになりますが、本来のサメは海洋生物で人間は陸上動物です。

いくらサメが怖いといっても、陸にいる限り出会うことも襲われることもありません。

実際、世界で発生しているシャークアタックの件数は100件にも満たず、そのうち死亡事故は10件以下。世間のイメージより圧倒的に少ない現状です。

※シャークアタックの現状についてはコチラも参照

そのため、サメ映画はどうしても「陸にいる人間を、海にいるサメにどうやって襲わせるか?」というジレンマを抱えることになります。

そして、この人喰いサメ映画のジレンマを解消するためには、市長が金儲けを優先して海開きを強行したり(ジョーズ)、治療薬の開発を行う研究施設でサメが暴走する(ディープ・ブルー)など、それなりの人物設定や舞台を用意する必要があります。

いわゆるA級とされる正統派のサメ映画は、このジレンマを解消するアイディアを思い付き、さらに面白いストーリーに昇華させる才覚や実行力のある人々でないと製作が難しい。

そのため、低予算でサクッとサメ映画を作ろうとすると、「陸を歩く」や「飛んでくる」など、トンデモな設定になってしまうのではないでしょうか。

よくサメのことを話す際、「映画のせいでサメのイメージが悪くなった」という話が出てきます。

しかし上記のことを考えると、大量のトンデモサメ映画があるという事実が、サメが人を襲うという出来事がいかに起きにくいかを表しているのかもしれません。

あとがきにかえて

以上が、トンデモサメ映画の歴史、そしてサメ映画が作られ続ける理由の解説でした。

ちなみに、今回公開された『妖獣奇譚 ニンジャ VS シャーク』は、実はサメの出番は結構少なくてほぼアクション映画でした。

しかし、本当に格闘技をやっている女優さんが出演しているだけあり、そのアクションがかなり本格的で楽しめます。

また、数少ないサメの登場シーンでは、B級サメ映画のオマージュやお約束みたいなものが詰め込まれており、サメ映画に対する愛を強く感じました。

B級サメ映画が好きな方、多少グロテスクでも大丈夫という方は、ぜひ劇場に足を運んでみてください。

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