『松島トモ子 サメ遊戯』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

邦題松島トモ子 サメ遊戯
原題松島トモ子 サメ遊戯
公開年2025年
監督河崎実
出演松島トモ子 / 木下彩音 / 岩井ジョニ男
制作国日本
ランクZ級(もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる。)
ストーリー★★☆☆☆
演出や絵作り★★☆☆☆
サメの造形★★☆☆☆

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目次

あらすじ

ライオンとヒョウに襲われた経験を持つ女優・松島トモ子は、とあるインタビュー後に突如意識を失い、目覚めると不思議な空間に閉じ込められていた。

トモ子はサイコロを振ることで別の空間に移動できることに気付くが、何故かそこでトモ子は若返っており、さらにサメが襲い掛かってくる。

トモ子は空間内のタレントたちの力を借りながら空間を移動して逃げ惑うが、サメは執拗に追ってくる。

果たしてトモ子は無事にこの空間から脱出することができるのか?

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

松島トモ子が本人役で登場するサメポリー宣伝映画

松島トモ子さんという女優をご存知でしょうか。若い人は「誰それ?」となっているかもしれません(というか僕も世代ではない)。

1945年生まれの女優であり、1986年にテレビ番組の撮影で訪れたケニアにて、ライオンとヒョウに立て続けに噛まれるという悲劇に見舞われた方です。このエピソードは『トリビアの泉』でも紹介されたことがあるので、それで知ったという方も多いかもしれません。

本作では、その松島トモ子さんが本人役で出演。上記の猛獣事故に関するインタビューを受けた後に突然謎の空間に迷い込み、サメ(二足歩行で歩くサメの着ぐるみ)、に襲われるという内容です。

もっとも、突然謎の若返り現象が起こるため、作中の大半で松島役として映るのは木下彩音さんですが・・。

そんな本作はボードゲーム「サメポリー」のプロモーション映像がもとになっており、作中でもサメポリーの実物が登場します。

実際のサメポリーは、モノポリーでお金に相当するものが「市民」となっており(プレイヤーは市長という設定)、アミティ島などのマス目に止まると市民を獲得、サメのマスに止まると市民を喰われて失う・・みたいなゲームのようです。

本作ではサイコロで偶数の目を出すと別の空間(というか部屋)にワープでき、そこにサメがいたりいなかったり・・みたいな展開で進みます。「サイコロを振って移動する」という設定自体は確かにボードゲーム感がありますが、逆に言えばサメポリー要素はそれだけです。

作中にマップのようなものや空間移動の順番があってゴールを目指すというより、出口の有無すら分からない謎の空間で目覚めるという『キューブ』的展開で、最終的には閉鎖空間の支配者であるサメを倒す必要があるという話になっていきます。

「何を見せられているんだろう」という映像の連続

とにかく最初から最後まで「一体僕は何を見せられているんだろう・・?」という感情に支配されました。

基本的に物語は、サイコロを振る→部屋を移動する→サメが襲ってくる→サイコロを振る・・の繰り返しで、移動した先にいるタレントと繰り広げる昭和ネタや無言戦闘シーンで、どうにか繰り返し感を誤魔化しているという感じです。

人が歌い出すシーンでは「権利の関係上、歌は流せません」のテロップが出てオルゴールの音だけ流れたり、トモ子を襲ったライオンの息子やヒョウを名乗る存在(着ぐるみとボディペイントのコスプレ)が何の脈絡もなく登場したり、演歌が流れてサメが躍り出すなど、改めて文字に起こしても理解に苦しむ映像が連続します。

肝心のサメとの戦闘シーンも、基本的には素手または武器を持った人間とサメの着ぐるみが無言でもみくちゃになっているだけです。

今や人気YouTuberとなったバキバキ童貞ことぐんぴぃがサメに襲われるシーンもあるのですが、突然トモ子と関係ない立体駐車場でサメに追い回され、特に本筋に絡むことなく喰われております。今わの際に「誠に遺憾です」の名言を入れてきますが、何の脈絡もなく童貞が走る映像を見せられることこそ遺憾だと言いたいです。

食べられたはずのジョニ男が何の事前説明もないのに時空の裂け目みたいなものから武器を提供したり、トモ子が若がった理由が大して説明されないなど、設定がガバガバです(というか設定自体ないのだと思います)。

唯一の救いというか、この作品ならではと感じたのは、サメがトモ子を狙う動機です。

クライマックスにトモ子とサメが対峙するシーンで、サメは「両親を地元の漁師に殺されてから海に来る人間を喰いまくっていたら、ある日ライオンやヒョウに食われている生きている人間がいることを知った。そこで、その人間を喰い殺す初めての動物になりたかった」と明かします。

その後に海底火山の噴火で時空の狭間に飛ばされたという急展開、狙っているうちにトモ子のことを好きになったと言っているのに結局喰うことは変わらないという行動原理など、ツッコミどころは潤沢ではありますが、少なくとも松島トモ子でなければ成立しないストーリーであることは確かです。

一応ストーリーがシンプルなのでZ級の中ではマシな部類なのですが、有名女優やインフルエンサーが出演していることを理由に期待値を上げて挑むと、それなりに大きなダメージを喰らうことになると思います。あくまでZ級サメ映画を見る時の覚悟を持って臨むことをオススメします。

サメ映画好き声優・戸松遥出演

個人的な注目ポイントを挙げるなら、本作には本人役で戸松遥さんが出演されていることです。

出演作で有名なのが『To LOVEる -とらぶる-』のララ、『ソードアート・オンライン』のアスナなどでしょう(両方とも未履修の僕にとっては、『幼女戦記』のメアリー役と言われた方がしっくりきます)。

戸松さんはサメ映画好きを公言されており、サメ映画界の業界人である中野ダンキチさん、サメ映画ルーキーさんとYouTube番組に出演するなどの活動もされています。

戸松遥さん、中野ダンキチさん、サメ映画ルーキーさんの対談↓

本作でもサメ映画学会の会員証を見せてきたり、サメの吻先にロレンチーニ器官があるというサメ知識を披露。

挙句の果てにはかの有名なZ級サメ映画『ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』の技、ミスティックシールドを発動していました(こっちは権利上OKだったのか)。

アニメに声を当てている時以外の戸松さんの魅力を味わいたいという方は、一度観てみるのも良いかもしれません。

その他見どころや豆知識

  • ジョニ男が話していた『川口浩探検隊』は実在したテレビ番組です。俳優の川口浩を隊長とする探検隊が謎に包まれた原住民や危険生物を探しに行くという、ドキュメンタリー風のヤラセ番組です。流石に死人は出ていないはずですが、サメを探しに行く放送回も何度かありました。
  • 逃げ惑うシーンでは割と動き早そうなのに、サイコロを振る間は全然襲ってこないサメ。
  • やけに似ているジョニ男の古畑モノマネ。
  • 臭いを犬みたいに嗅ぐサメがちょっと可愛い。
  • サメの演歌が流れた後のジョニ男のセリフ「なんだったんだ今のは?」。こっちが聞きたい。
  • ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』を「最高!」と評する戸松に対し「何言ってるの?」とトモ子。それはそう。
  • ジョシュ・バーネットがサメと闘う場所が何故か”例のプール”。

サメに関する解説

サメの造形

純度100%の着ぐるみでした。メタリックな色合いで目も赤く光ったり、異業のサメというよりロボットのような見た目です。

作中では終始「サメ」とだけ呼ばれており、二足歩行で歩くことなどについて誰もツッコミをいれません。一体コイツは何だったんでしょうか。

なお、ホホジロザメモデル(というか世間一般にイメージされる”普通の怖いサメ”)がメインで出てきますが、ノコギリザメ型とシュモクザメ型も登場します。

最終対決でノコギリザメの頭を武器に、シュモクザメの頭を防具みたいにするアイディアは面白かったです。

サメの行動

もはやサメと呼んでいいのか疑問な謎な存在なので何からツッコんでいいのか迷いますが、強いて気になる点を挙げればサメがトモ子を狙う動機です。

本作のサメは両親を地元の漁師に殺されたことがきっかけで人を襲うようになり、やがてトモ子を食べたいと思ったと語っているのですが、サメは子供を産みっぱなしにし、子育ては行いません。

また、一部のサメ類では母ザメが出産前に餌を食べなくなることが確認されており、これは出産した我が子を誤って食べないようにするためだと考えられています。

もし自分の子供を見た目などで判別できるのであればこんな行動を進化させる必要はないため、恐らくサメ類は自分たちの親子関係を判別することができないと思われます。

水族館で親子が一緒に飼育されている水槽をしばらく観察したこともありますが、特に親と子が特別なかかわり方をしていると感じる場面はありませんでした。

以上のようなことを考えると、本作のサメが言っている「両親」は実の親ではなく、たまたま一緒にいることが多かった同種の大型個体かもしれません・・・。

その他サメの解説

コンカフェオーナーのチロルがサメ皮でコスプレ衣装を作ると言った時にトモ子は「生臭そう」と言っていますが、サメ皮をなめして加工した商品は財布、靴、ハンドバッグ、その他アクセサリーなどに用いられています。

特に生臭いということもないので、気になる方は購入してみても良いかもしれません。

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