邦題 | シャーク 消えた3人の死体 |
原題 | Bull shark2 |
公開年 | 2024年 |
監督 | ブレット・ベントマン |
出演 | トム・ハルム / ビリー・ブレア / アンドレア・コーエン |
制作国 | アメリカ |
ランク | Z級(もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる。) |
ストーリー | ★☆☆☆☆ |
演出や絵作り | ★☆☆☆☆ |
サメの造形 | ☆☆☆☆☆ |
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あらすじ
かつてレイロバーツ湖でオオメジロザメを退治したスペンサーは、猟区管理官の仕事も辞めて堕落した日々を送っていた。
そんな時、湖に再びサメが出現し、3人の若者が襲われてしまう。
犠牲者のうちの一人クリシーの母親から懇願され、スペンサーは新たな猟区管理官となったノーランと共に、再びオオメジロザメとの闘いに身を投じる。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
何故か先に日本でリリースされた2作目
「消えた3人の死体」などとミステリー展開を彷彿とさせる邦題が付けられていますが、ほとんど意味はありません。3人が喰われることで文字通り死体が消えて、行方不明扱いになるだけです。
表面的なストーリーも捻りはなく、冒頭でサメの被害が出るも権力者がサメ対策を渋り、主人公がサメ退治に向かうという、サメ映画お決まりのパターンで進行します。
また原題を見ればわかる通り、本作は日本未上陸(2025年7月現在)のサメ映画『Bull shark』の続編でもあります。
後述する通り、どう考えても画面に映っているのはオオメジロザメ(英名Bull shark)ではないのですが、「湖にサメが出るとなればオオメジロザメ」という安直な思考回路で作られたのでしょう。
『サメストーカー』をはじめ、日本でのリリース順が前後したり続編だけリリースされる事例は他にもあり、そういう作品は前作を観ていなくても楽しめることが多いのですが、本作は明らかに前作とストーリーやキャラクターが地続きのように見えます。
一体なぜ2作目からリリースしたのでしょうか。謎です。
まあ、仮に一作目を観ていたとしても楽しめないというか、これを観て一作目も観てみようと思えるクオリティでは全くなかったのですが・・・。
サメがほとんど出てこないただの会話劇
本作の致命的な問題点は、サメ映画としての山場・見せ場がほぼ存在しないことです。
先述の通り表面的なストーリーは『ジョーズ』から続くテンプレではあるものの、とにかくサメが出てきません。
最初に若者3人を襲う場面で少しだけサメが姿を見せるものの、その後は場面転換の間に意味もなく数秒映るだけ。映画の90%以上は、スペンサーが犠牲者の母親や自分の息子などと会話するシーンだけで占められています。
サメ映画にありがちな、本筋に関係ないモブキャラを喰わすことによる尺稼ぎも存在しません。
各会話によって展開される物語もグダグダで、保安官に会いに行くとノーランに話す→保安官とサメについて話す→サメが映っている映像をノーランと一緒に見る→市長と保安官に再度サメについて話す・・・という風に、もっと綺麗に整えられたであろう話の流れが細切れにされています。
サメ映画の皮を被った出来損ないのグラビアPV『ジョーズ・イン・ジャパン』を見ている時の虚無感を思い出しました。
そんな会話劇に耐えて50分以上経過して「やっとサメ退治が始まるよ」と思った矢先、注射器と薬品にまつわるアホらしいやり取りや、「なぜ禁酒しているはずなのに酒を飲んでいる?」というどうでもいい会話が始まります。はよサメと闘え・・・。
最終決戦が盛り上がればまだ救いがあったものの、ショボい注射器をサメに刺そうとするスペンサーVS噛みつく気が無いようにしか思えないサメという退屈な映像が繰り返された後、たった一発の銃弾でサメが死亡して幕引きを迎えます。
数少ないサメの出番なのに緊迫感も迫力も皆無に等しいです。
しかも「湖でオオメジロザメが人を襲う」という現実的な設定は律儀に守っているため、悪魔祓いの最中に空からサメが降ってくるとか、霊界でサメと霊媒師がバトルするなどのトンデモ展開を楽しむこともできません。
一体どういう意図で作られたのか?何を楽しめばいいのか?そうした思考を頭の中でグルグル巡らせたい方にのみオススメします。
その他見どころや豆知識
- 被害者の一人クリシーの名前は、『ジョーズ』で最初に犠牲になった女性が由来でしょう(日本語字幕ではクリッシーとなっていますが、同じ名前です)。
- 湖畔でヤケ酒するスペンサーの映像を流す演出。誰得のシーン?
- サメが水中を泳ぐシーンで映った、あの巨大な柱みたいな物体は何?
- サメの映像を見ていたスペンサーが「巻き戻せ!」と怒鳴る。絶対何か重要なことに気付くような流れだったのに、何もないんかい!
- 出血多量で意識不明だったという設定なのに、なぜか病院ではなく自宅で目を覚ますスペンサー。意識不明の患者をそのまま自宅に連れ帰るという謎ムーブ。病院で寝かせてやれ。
- 冒頭で若者が襲われるシーンおよびスペンサーたちがサメ退治をするシーン、どちらも岸に近すぎる気がします。足が付く場所でしか撮影できなかったのでしょうか。
サメに関する解説
サメの造形
作中では終始「オオメジロザメ」と言及されていましたが、実際には出来損ないのホホジロザメでした。
B級・Z級サメ映画で使われがちな安物CGのサメで、ホホジロザメがモデルであろうけど顔がつぶれ気味、第一背ビレが異様に鎌形などの特徴がありました。
目つき、顔つき、尾鰭など、どれをとってもオオメジロザメに見えません。
その他、水面から背鰭を出すシーンは明らかに作り物と分かるセット(恐らく背鰭以外はほぼ作られていない)が使用されていました。
スペンサーがサメに注射器を刺そうとするシーンの一部では、『ディープブルー・ライジング』で使われたCGと同じと思しきサメが出てきます。もう何でもアリですね。
沿岸警備隊が撮影したというケージダイブの映像と、銃撃されるシーンの一部で本物のサメの映像が使われていましたが、それもホホジロザメでした。せめてそこだけでもオオメジロザメを使って欲しかったです。
本作よりも酷い素材を使うZ級サメ映画は多くありますが、本作は完全に種を間違えているというか、正しく描こうという意思を全く感じられなかったので、サメの造形は☆☆☆☆☆(星なし、最低)という評価にしています。


サメの行動
出番が少なすぎるので、行動についてあまり言うことがありません。
その他サメの解説
クリシーの脚についていた噛み跡が歯形っぽくなっていたのは良い再現でした。本作で唯一評価できる瞬間です。
ただし、オオメジロザメは歯と歯の感覚が狭いですし、噛みついた時に恐らく肉を噛みちぎろうと頭を左右に振ると思うので、あのような跡にはならないと思いますが・・・。
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