| 邦題 | ジョーズ-1.0 |
| 原題 | Into the Deep |
| 公開年 | 2025年 |
| 監督 | クリスチャン・セスマ |
| 出演 | スカウト・テイラー=コンプトン / カラム・マッゴーワン / リチャード・ドレイファス |
| 制作国 | アメリカ |
| ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
| ストーリー | ★★★☆☆ |
| 演出や絵作り | ★★★☆☆ |
| サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
父親を目の前でサメに殺された過去を持つキャシディは、祖父の助けもあってトラウマと向き合い、海洋生物学者の道を歩んでいた。
ある日、キャシディは夫グレッグと共に沈没船ダイビングに参加し、宝探しをすることに。
しかし、そこにホホジロザメが現れ、ダイビング参加者の一人が襲われてしまう。
さらに、海底に沈んだ麻薬を狙う海賊が襲来。サメのいる海に潜って麻薬を回収するよう脅迫される。
水中にはサメ、船上には海賊。板挟みの状況の中、キャシディたちは生き残ることができるのか?
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
『ジョーズ』のリチャード・ドレイファス出演!
本作において最も注目すべき点は、あのリチャード・ドレイファスが出演していることです!
一応説明しておくと、サメ映画の原点にして頂点『ジョーズ』にて、ブロディ署長やクイントと共にサメと闘う海洋生物学者マット・フーパーを演じた俳優です。
この話を最初に聞いたとき、『ピラニア3D』の時みたいなチョイ役なのでは・・と思っていました(同作でドレイファスは冒頭ですぐに食われる釣り人役で出演。『ジョーズ』で歌った歌を口ずさむというオマージュを披露)。
しかし、本作におけるドレイファスは主人公の祖父という割と重要な役柄、しかも海洋生物学者として登場します。
物語はキャシディの父親がサメに食い殺されるシーンから始まり、そこから大人になったキャシディが夫婦でダイビングに参加する場面まで話が飛ぶのですが、ドレイファス演じる祖父は、キャシディがトラウマを乗り越えるための指導をしてきたメンターという位置づけです。
直接ストーリーの中で活躍することはありませんが、キャシディが不安を抱いたり困難に立ち向かう際の回想で何度も登場し、勇気づけるような教訓を思い出させてくれる存在として描かれています。
流石に檻に入ってサメと闘う役柄ではなかったものの、50年の時を経てサメ映画のレジェンド的存在が再びサメ映画に降臨したという点で、『ジョーズ』を100回以上観て育ってきた者として感慨深いものがあります。
人間性に焦点を当てた”ブツ回収系サメ映画”
リチャード・ドレイファス出演という点でマニアの間でも話題になった本作ですが、その中身は最近の流行に乗ったような内容でした。
まず、邦題の「-1.0」は本編とは無関係です。明らかに『ゴジラ-1.0』から取ってきたフレーズですが、ゴジラ的な生物が出てくるわけでも、時代設定が第二次大戦中というわけでもありません。
舞台は現代のインド洋に浮かぶ島、レユニオン島。海洋生物学者キャシディが過去のトラウマを乗り越えるため、そして夫グレッグの宝探しを手伝うために沈船ダイビングに参加したところ、武装した海賊とサメに襲われるという内容です。
この「サメがいる海に潜ってブツを取ってこいと脅される」という展開はサメ映画のトレンド(というかテンプレート?)になりつつあり、2000年代で少なくとも三作品、2020年以降に本作を含め三作品で採用されています。個人的に”ブツ回収系サメ映画”と呼んでいます。
普通の人ならそこそこ新鮮な気持ちで楽しめるかもしれませんが、サメ映画を100本以上レビューしてきた人間からすると陳腐に感じました。あのリチャード・ドレイファスを出すなら、むしろ『ジョーズ』に寄せた古き良きテンプレートで良かったのではないかと・・。
強いて本作に特異な側面を挙げると、回想シーンを何度も挟んでキャシディの人間性にフォーカスを当てていることです。
かつて父親をサメに喰われるという壮絶な体験をした女性が主人公なので、てっきり恐怖に苛まれながらサメと対峙するのかと思いきや「私の方が軽いから麻薬を引き上げやすいし、海洋生物学者だからサメにも対処できる!ブツを取ってくるから私たちを解放して!」と海賊たちと交渉開始。めちゃくちゃ肝が据わっています。
この一見矛盾しているように思える強気なキャラクター性を支えているのが、ドレイファス演じる祖父との回想シーンという構図です。
物語全体も海洋生物学者×サメ×海賊の三つ巴バトル!という感じではなく、理不尽な困難の中で祖父の言葉を思い出しながらトラウマを乗り越えていくキャシディの人間模様を色濃く描いているように感じました。
海中映像のクオリティが安っぽい
ストーリーの流れが他作品と似ているのはサメ映画”あるある”なので大目に見るとして、本作の問題点は水中映像はチープなことです。
沈没船ダイビングでゴマモンガラが出てくるくらいまでは良かったのですが、その後に映る魚の見た目が妙に薄っぺらく、人間の動きに合わせて逃げる素振りがないなど、動きにもかなり違和感があります。ギンガメアジの成魚と思しき姿の魚がチョウチョウウオと同じくらいだったりとサイズ感もガバガバ・・・。CGだと丸分かりです。
サメ自体や噛まれた人間からあふれ出す血もかなり安っぽく、まるでアサイラムの作品を観ているようでした。普通に泳いでいるだけのサメが陽炎のように輪郭を歪ませるという謎描写もあります(ヒノカミ神楽の幻日虹かよ)。
物語的に重要であるはずのキャシディがホホジロザメと正面から向き合うシーンも、安っぽいCGのサメと違和感のある魚たちのせいでムードが台無しになっている気がします。しかも、このシーンの前にトニックイモビリティ(後述)に関する話が何もないので、サメに詳しくない人からすれば、キャシディが何かスピリチュアルな能力を発動させてサメを受け流したと誤解されそうです。
無論この程度のチープさはサメ映画全体で見ると許容範囲ですし、回想をこまめに挟んでいる割には作品全体の流れがスムーズ、その他の映像や演技は申し分ないという評価ポイントはあります。
しかし、あのリチャード・ドレイファス(しつこいようですが重要ポイント)を出演させてこのクオリティというのは、正直期待外れでした。『ジョーズ』に並ぶのは無理だとしても、A級と呼べる最低限のクオリティであってほしかったです。
最後にドレイファスからのサメ保護メッセージ
本作について面白いと感じたのは、エンドロールでリチャード・ドレイファス本人がサメの保護の重要性を語っている点です。
ご存じない方のために一応おさらいしておくと、サメは映画で描かれるように人間を狙って食べるモンスターではなく、むしろ人間の漁業活動や環境汚染によって被害を受けている存在です。多くのサメが絶滅の危機に瀕しており、生態系保全のためにも、彼らを守る必要があります。
こうした環境意識の高まりのためか、近年のサメ映画の中にはエンドロール中で海洋保護を訴えたり、現実のサメの危険性に関する注意書きを表示する作品もあります(『ジョーズ MEGAモンスターズ』や『温泉シャーク』など)。
しかし、本作は演者本人がエンドロール中ほぼずっとサメの保護についてトークするという、近年でも稀に見る力の入れようでした。
ドレイファスの話の内容とまとめると以下の通りです。
- サメは海の生態系に必要不可欠な存在であり、生きていることで地域経済にも貢献できる。
- しかし、乱獲やフィニングなどの人間活動によって多くのサメが絶滅の危機に瀕している。
- 特に、アジアで需要のあるフカヒレを得るために殺されることが多い。
- サメは成長がゆっくりで成熟が遅く、子供を産む数が少ないので乱獲に弱い。
- サメの漁獲量に関するデータが少ないなど、管理には課題が多くある。
- なので、サメの保護への寄付と支援をお願いしたい。
細かい情報に関して補足したい部分(サメの種数・サメの死亡原因など)はあるものの、全体的には重要な、もっと世の中に知れ渡るべきメッセージを発信してくれていると思います。
サメ映画というサメの悪いイメージを広めていると時に批判されることもある存在の中で、しかもその始祖とでも言うべき『ジョーズ』の出演者がサメの保護を訴えるというのは、本人が冒頭で言った通り皮肉にも思えますが、一人のサメ好きとして賞賛したいです。
その他見どころや豆知識
- 2022年にも本作の原題と同名の『Into the Deep』という映画が公開されていますが、本作とは無関係です。
- 作中で登場する「シェイマスのルール」は実在の専門用語ではありません。ドレイファス演じるキャシディの祖父の名前がシェイマスであり、彼独自のルール(教訓)ということになります。
- 沈没船でサメ登場前にダイバーに向かってきた魚はゴマモンガラという魚です。繁殖期には非常に気性が荒くなり、サメより怖いと言われるほど危ない魚として知られています(出演者の安全管理しっかりして)。
- 肩と腹を撃たれて出血しているのに生き残るベンツがタフすぎる。
- エンドロール中のドレイファスのメッセージ内で、サメの種数は465種が知られていると発言していましたが、映画公開の時点ですでに約560種のサメが有効種として知られていました。また、ドレイファスはサメの減っている主要原因がフカヒレ需要かのように説明していましたが、フカヒレに関する規制を強化してもサメの死亡数は変わっていないと示す研究があります(詳細はコチラ)。
サメに関する解説
サメの造形
ホホジロザメと分かる見た目ではありました。
尖った吻先、三角形の大きな歯、三日月形の背鰭と尾柄部の隆起線など、基本的な特徴は問題ありません。
第二背鰭がちょっと長すぎるなど細かい部分が気になりましたが、許容範囲でしょう。
水中映像や他の魚のものも含めたCGがもう少しリアルなものであれば、良質なクオリティだったと思います。

サメの行動
イサラが食い散らかされた後、キャシディがホホジロザメと正面から向き合い、サメをやり過ごすシーンがあります。
一件祖父の言葉に感銘を受けたキャシディが超能力を発動させたように思えますが、恐らく「トニックイモビリティの要領でサメを受け流した」という設定なのだと思います。
サメの吻先を刺激したりサメをひっくり返したりすると、サメが気絶したように動かなくなることがあります。この行動には「死んだふりで身を守っている説」や「情報を処理しきれずにフリーズしている説」、「現在は役に立たない祖先の形質が淘汰されずに残っている説」など様々な説明付けがされますが、はっきりしたことはまだ分かっていません。
キャシディは吻先を触っていましたし、サメが体を横に倒すような動作を見せていたので、あのシーンはトニックイモビリティを参考に作られたのだと思います。
なお、確かにサメの吻先をダイバーが触ってサメをやり過ごしたりすることはありますが、常にそれが可能なわけではありません。
サメが本気で獲物を襲う時はあんなのんびり近づいてきません(そもそもホホジロザメは泳ぎ続けないと浮力を保てないので、あんなにゆっくり近づくのは不可能)。
現実的な解釈をすれば、サメがキャシディを襲わなかったのはイサラを食べた直後だったからだと思います(もっとも、それを言い出したら何人もバクバク食べている時点で異常なのですが)。
その他サメの解説
ピエールが襲われた後の会話で「この辺にホホジロザメがいるはずがない」や「気候変動で自然が乱れて、いるはずのない種がいたりする」という話が出てきました。
確かにレユニオン島近海でホホジロザメによるシャークアタックは少ないようですが、ホホジロザメはインド洋を回遊していることは前から知られており、現れること自体そこまで異常ではないと思います。
それとは別に気になったのが、レユニオン島という物語の舞台です。
レユニオン島はイタチザメやオオメジロザメによるシャークアタックがこれまで何度か発生している、サメ被害のホットスポットの一つです。サメに父親を殺された過去を持つキャシディが何故そんな場所でダイビングすることにしたのか、その判断基準が謎過ぎますね・・。
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