邦題 | ジョーズ MEGAモンスターズ |
原題 | 夺命巨鲨 / Killer Shark |
公開年 | 2021年 |
監督 | シー・チアン |
出演 | リァン・ジンジン / チョン・チウ・ピン / ファン・ユ・メン |
制作国 | 中国 |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
都会から帰省してきたアン・チーと弟アン・ジエは、友人たちやアン・チーの元彼ウェイと共に休暇を楽しむことに。
プライベートクルーザーで沖へ出て優雅に過ごしていた彼らだったが、航行中に船底が岩礁にぶつかって転覆。全員が海へ投げ出されてしまう。
「このままだと沖へ流されるだけ」というウェイの判断のもと、彼女たちは船を離れて北西にある島へ向かって泳ぎだす。
しかしその海域には、恐ろしい巨大人喰いザメが生息していた・・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
中国版『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』
日本語版のタイトル、ロゴ、DVDジャケットの構図は明らかに『MEG ザ・モンスター』のパチモンですが、実際の中身は『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』のパクリです。
かつて恋愛関係にあった男女とラブラブな恋人たち+αが沖へ出る→岩礁にぶつかって船が転覆→島へ向かおうと言い出す→何もない海のど真ん中でサメに襲われて一人ずつ犠牲になる→生き残った元恋人同士が愛を確かめ合う→島を目前に男が喰われる・・。
上記の導入からラストまでの流れが、完全に『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』と一致しています。
ここだけなら「設定が似ているから仕方ないかも・・」とギリギリ弁護できますが、
- 船の上に残ることになったフイが「サメの好物のアザラシに似ている」などと発言し泳ぐ組を不安にさせる
- 弟が水面に浮かぶ浮き輪を取りに行ったところをサメに襲われる
- シャオミンが喰われる場面で残りカスと思しき肉塊に小魚が群がる
など、細かい描写まで共通点が多いです。
船に残る組がサメに襲われるシーンが明確に描かれている、照明弾や水中銃でサメに応戦する場面がある、最後に船が登場するなどのオリジナル要素があるとはいえ、さすがに言い逃れのできないパクりっぷりです。
あえてプラスに言い換えるなら、元になっている作品が良作なので本作のストーリーもそこまで悪くありません。
また、『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』では前半に全くサメが登場せず退屈な時間が長かったのに対し、本作は冒頭にモブキャラの死亡シーンを入れる、早めに船を転覆させる、定期的にサメの映像を挟み込むなどして、冒頭からサメ映画感を強く押し出していました。
『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』の良さが活かされていない
『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』をパクった作品でありながら、本作ではオリジナルの良さが無くなってしまっていると感じます。
以前にレビューした通り、かの作品の評価ポイントは捕食シーンの圧倒的なリアリティです。
実物のホホジロザメの映像を俳優たちの映像と見事に組み合わせることで、「本当に人を喰わせたんじゃないか」と思いたくなるほど完成度の高い襲撃シーンを描いていました。
対して本作『ジョーズ MEGAモンスターズ』は、サメと登場人物が一緒に映る構図が少なく、襲ってくるサメの大部分がCGであるため、リアリティが大きく削がれて平凡なサメ映画と化しています。
他の多くの中国サメ映画にも言えることですが、表面的なところだけを模倣した二番煎じと言わざるを得ません。
他作品の映像を盗用した疑惑
ここからは僕の推測も含む内容なので真実が明らかになり次第書き換える予定ですが、本作には他作品の映像を無断使用した疑惑があります。
まず、映画開始から14分39秒頃、岩礁に船がぶつかって転覆しスーウェイが脚に怪我をして痛がるシーンの直後、本物のホホジロザメの映像が二つ挟み込まれます。
この映像のうち、下から影になるようにサメを見上げるカットの映像が、明らかに『ジョーズ』で使われたものと同じです(マット・フーパ―の檻を水中に落としたすぐ後くらいの映像です)。
構図が似ているだけかと思って見比べましたが、胸鰭後ろ側の縁にあるギザギザまで一致しており、明らかに同一の映像です。
二つ目は映画開始から37分06秒頃、海を泳ぐ4人の前に初めてサメが姿を現す場面にて、サメが手前・4人が奥という構図でサメが左から横に円を描くように泳ぐシーンの映像が『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』で使われたものと酷似しています。
さらに49分30秒頃、弟アン・ジエに噛みつく瞬間のサメの映像と水面に一瞬ヒレを見せて泳ぎ去るサメの映像が、『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』でマットが襲われる映像と同じで、噛みつく瞬間の映像だけ反転しています。
ここまでなら「サメ映画はドキュメンタリー映像を使うことも多いので、同じ素材が使われただけでは?」と思うかもしれませんが、僕が知る限り『ジョーズ』と『赤い珊瑚礁オープン・ウォーター』は、それぞれの製作陣が自分たちでロケに行って野生のサメを撮影しています。
つまり、素材が被ることは基本的にあり得ないのです。
「米国と中国の映画業界が実は親密で素材を貸し借りしている」という可能性もゼロではありませんが、果たしてそんなことがあり得るのか・・・。2024年2月で、僕は盗用の疑いが強いと感じています。
その他見どころや豆知識
- AmazonやU-NEXTには「人間並みの頭脳を持つ」や「遺伝子が変異した」などと記載されていますが、そのような設定は作中に登場しません。デマです。
- 近くに船がいるかどうかも分からない状況で照明弾を撃っても無駄遣いでは?
- 助けてもらっていたくせにフイをビール瓶で殴ってサメのエサにするスーウェイ。クソビッチで草。
- 本物の映像を挟み込むことでそれっぽく見せているがCG感丸出しのトビウオたち
- あと少しで島に辿り着くのに、何故か危険を冒して浮き輪を取りに行くアン・ジエ。
サメに関する解説
サメの造形
一見するとリアルだがサメ好きからすればおかしいところが多いという、中国サメ映画にありがちなサメでした。
三角形の大きな歯、ダークグレーと白のツートンカラー、下葉の発達した尾鰭などの特徴から、ホホジロザメのつもりで登場させたのは間違いないでしょう。実際、本物のホホジロザメの映像がこまめに挿入されていました。
しかし、腹鰭の生えている位置が側面による過ぎている、吻先が妙に丸い、体高が異様に盛り上がっているなど、奇妙な特徴を多く持っていました。
また、ホホジロザメにしては少し大きすぎる気がします。
サメの行動
本作で気になったのは2点、サメの泳ぎ方と唸り声です。
作中のサメが泳ぐ際に胸鰭を羽のように上下に動かしていましたが、サメの胸鰭はこのように動きません。明らかにおかしな動作です(サメと名がつくけどサメではないギンザメという魚は胸鰭で羽ばたきます)。
さらに、釣り人を襲うシーンでサメが唸り声をあげていましたが、サメは吠えません。
その他サメの解説
- 冒頭の釣り人が襲われるシーンいて、一瞬だけイタチザメの映像が挿入されます。
- アン・ジエが浮き輪に向かって泳ぎだすシーンで一瞬映る下から見上げる構図のサメのシルエットがホホジロザメではなくメジロザメ類のものになっています。
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