サメ映画がおかしな方向にいくキッカケと呼んでも過言ではない、アサイラム社最初のサメ映画です。
邦題 | メガ・シャーク VS ジャイアント・オクトパス |
原題 | Mega Shark vs Giant Octopus |
公開年 | 2009年 |
監督 | エース・ハンナ |
出演 | デボラ・ギブソン /ショーン・ローラー /ヴィク・チャオ |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
海洋生物学者のエマはアラスカ沖のチュコト海でクジラの観察を行っていた。
しかし、米軍によるソナー実験の影響でクジラが暴走。クジラたちの激突で崩れた氷塊の中から、超巨大なサメとタコが蘇ってしまう。
数百万年の眠りから目覚めた二体の怪物が海で破壊の限りを尽くす中、米軍はエマとその恩師ラマール、日本人科学者セイジに協力を要請。
エマたちはフェロモンを使って怪物たちを誘き寄せ、封じ込める作戦を立案するが・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
トンデモB級サメ映画のパイオニア
後に『シャークネード』や『ダブルヘッド・ジョーズ』などの迷作シリーズを生み出すことになるアサイラム社が最初に手掛けたサメ映画です。
本作よりも前から「知能が高いサメが暴れ回る」や「陸上をサメが歩き回る」など現実離れした設定のサメ映画は存在しましたが、その設定さえ受け入れれば普通に面白かったり、クオリティはともかく表向き真面目なトーンの作品がほとんどでした。
しかし本作は、飛び上がったサメが上空を飛んでいる旅客機を墜落させる、タコが脚を使って原子力潜水艦をなぎ払っていくなど、明らかにトンデモな展開を見せつけてきます。
意味不明なほどにデカい怪獣サイズかつ低レベルなCGという要素も相まって、何をどう考えてもシリアスにならないギャグと化しています。
現在良くも悪くも定着してしまっている「サメ映画は何をしてもいい」という流れは、本作から始まったと言っていいでしょう。
全然VSしないうえに映像が退屈
そんな記念すべき本作は、B級映画の中でも退屈で残念なクオリティと言えます。
まず、タイトルでVS要素を強く押し出しているにも関わらず、メガ・シャークとジャイアント・オクトパスがほとんど闘いません。
闘ったままの状態で氷塊に封印されるほど熱いバトルを繰り広げていたはずの怪物たちは、目覚めた途端バラバラに別れて勝手気ままに飛行機や海上施設を襲い始めます。
そうした襲撃シーンが定期的に挟み込まれる中、ストーリーの大半はエマたちが怪物の正体を探ったり対策を検討する場面、そしてエマとセイジの色気のない安っぽいロマンスに費やされます。
ピロートーク中にフェロモンを使うことを思いついたあたりで「ようやくサメとタコが激突するのか」と思いきや、サメはサンフランシスコ近海、タコは東京湾というそれぞれ正反対の方向に向かったことが明らかになり、サメと海軍が少しやり合うだけで終わってしまいます(タコとの闘いはセイジの話だけで描写すらなし)。
結局サメとタコが本格的に闘うのはクライマックスだけです。もはやこの場面だけで良かった気がしてきます。
そんな数少ないバトルシーンについても、
- 画面の明滅やカメラの手振れなどでそれっぽい雰囲気を出しているだけで全く迫力がない
- 水中映像が全体的に暗いので何がどうなっているのか分かりづらい
- 固定アングルで人間の顔ばかり映すため闘いの臨場感がない
- ほとんど同じ動きのCGが何度も使い回されている
など、眠気を誘うような仕上がりになっており、B級サメ映画の入門としては難易度が高いかもしれません(無理に入門する必要がないことも伝えておきます)。
その他見どころや豆知識
- 本作の主人公エマを演じたデボラ・ギブソンは元々歌手です。日本ではテレビドラマ『男について』のテーマソング『Without you』で有名です。
- 日本近海にあるプラットホームという設定なのに、なぜ流暢に英語を話す西洋人ばかり働いているのか。
- 叫ぶ司令官の映像だけで沈没を再現しないでほしい。
- 「氷の中に何百万年もいたんだ。ムラムラしてるにきまってるだろ」という謎理屈。
- 水中を泳いでいる相手に対し、なぜか魚雷ではなく砲弾や機関銃を使う間抜けな米軍。
- 日本人と話している設定なのに英語で話し続けるセイジ。
サメに関する解説
サメの造形
もはやサメなのか疑いたくなるアホみたいなサイズでした。
作中では「メガロドン」と呼ばれていましたが、メガロドンの全長は10~20mほどとされています(諸説あり。恐らく10~15mが妥当)
旅客機を襲うシーンから考えると、本作のサメは全長70~100mほどあったと思われます。どう考えてもメガロドンのサイズではありません。
「メガロドン」は巨大なサメを表す単語ではなく、一つの古生物種を示す名称です。ウルトラ怪獣みたいなサイズの生物を「メガロドン」と呼ばないでほしいです。
サメの行動
冒頭では大型のクジラを襲っていたメガ・シャークが、なぜ旅客機に飛びついたりゴールデンゲートブリッジに噛みつくのかが謎でした。
あの時点で世界中のクジラを食い尽くしたという裏設定でもあったのでしょうか。結局あのサメとタコは何がしたかったのでしょう・・・。
その他サメの解説
冒頭でエマが潜水艇を操縦するシーンにて、アラスカの冷たい海という設定なのにシュモクザメ類やネムリブカ、マダラトビエイなど熱帯性のサメ・エイ類の映像が挿入されます。
氷山が浮かぶような低水温の環境に、これらの生物が生息していることはほとんどあり得ません。
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