『KANIZAME シャークラブ』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

邦題KANIZAME シャークラブ
原題Narco Shark / Cocaine Shark
公開年2022年
監督マーク・ポロニア
出演タイタス・ヒムルバーガー/ケン・ヴァン・サント/ナタリー・ヒムルバーガー
制作国アメリカ
ランクZ級(もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる。)
ストーリー★☆☆☆☆
演出や絵作り★☆☆☆☆
サメの造形★★☆☆☆

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目次

あらすじ

自ら薬物中毒になってまで任務を遂行する潜入捜査官ニールは、”HT25″という新しいドラッグを売りさばこうと企む犯罪者グアリスコの組織に潜入する。

ニールはHT25がサメを原料にした麻薬であることを突き止めてその入手に成功するが、そのドラッグにはDNAを改変させるという恐ろしい副作用があった。

さらに、サメとカニの合成生物”シャークラブ”をはじめとする、HT25の開発途中で生み出された怪物たちが研究所の事故で逃げ出してしまう。

果たして、サメとドラッグを巡る闘いの結末はいかに・・・。

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

サメもシャークラブもほぼ無関係なクライムアクション

衝撃的なコンセプトかつ衝撃的なクオリティ(どちらも悪い意味)のサメ映画を量産する迷監督マーク・ポロニアの作品です。

元々は「Narco Shark(直訳すれば”麻薬ザメ”)」というタイトルでしたが、後に公開が発表された話題作『コカイン・ベア』にタイトルを似せるため「コカインシャーク」という別題が付けられました。

タイトルだけを見ると、麻薬を摂取して凶暴化したサメが人を喰いまくるというパニック映画を想像しますが、本作はその斜め上(クオリティが低いから斜め下?)を行っています。

「サメを原料にした麻薬」や「サメとカニの合成生物」という設定でどうにかサメ要素をねじ込んでいるものの、ストーリーの大半はただのクライムアクションです。

捜査官ニールの潜入任務や、グアリスコの部下フエンテによる敵対組織の暗殺、HT25を持ち逃げした博士の逃亡劇など、物語のほとんどが人間模様に費やされています。

シャークラブは登場や襲撃シーンは少なく、水の中を横切るシャークラブの映像を無意味に何度も挟み込むことでサメ映画っぽさをなんとか演出しているように感じました。

しかも、「カニと合体した」という設定を活かして陸上を歩き回ったりハサミを駆使して闘うのかと思いきや、陸に進出したのもハサミを使ったのもラストの一回のみ。カニ要素に一体何の意味があったのか謎です(恐らく意味なんてない)。

クライムアクションでもZ級はZ級

以上の通り本作は人間同士のアクションがメインですが、アクション映画としてのクオリティも最下層レベルです。

潜入任務における駆け引きは緊張感が全くなく、銃声やマズルフラッシュは安定のショボさ、ボスの相方美女ステファニーとニールのピロートークは色気ゼロ・・・。

数少ないサメの登場シーンも、『ランドシャーク』からの使い回しであるサメの人形をドアップで写したり、赤い液体を線上に塗るだけで「切り裂かれた」という設定にするなど、相変わらずのチープさです。

さらに、本作全体はベッドに拘束されたニールが4週間前の出来事を回想するという設定で描かれるのですが、突然何の脈絡も説明なく島で独り暮らしする女性が登場したりするので、時系列がどうなっていてどういう着地に向かっているのかが非常に分かりづらいです。

一応クライマックスではニールたち、グアリスコの一味、博士、シャークラブが島で一堂に会して時系列がはっきりしますが、そこまでの流れも極めて雑に描かれており、監督自身が迷走した挙句に登場人物を集合させて無理やり終わらせた感が強いです。

強いて良かった点を挙げるなら、無言で延々と歩いたり環境映像をただ流すだけの時間稼ぎシーンがほぼなかったことでしょう。会話の途中にフリー素材のような映像を挟み込むことで、どうにかそれっぽい雰囲気を出そうとしていたのも評価ポイントです。

その他見どころや豆知識

  • 本作とは全く無関係ですが、ディスカバリーチャンネルの番組『Shark Week』でも「コカイン・シャーク」というタイトルの企画が同年に放送されました(正式にはsharkの部分が複数形になり『Cocaine Sharks』)。フロリダの海に麻薬が捨てられ、それをサメが摂取しているのではないかという内容です。
  • 本作の日本版DVDジャケットにある「サメの時代は終わらない」というフレーズは、『キラーカブトガニ』の宣伝やDVDジャケットで使われた「サメの時代は終わった」を意識したものです。
  • ガンホルダーの銃が丸見えの状態で平然と街中をウロウロするニール。
  • トリップ中に映るサメの映像がどう見てもフリー素材。
  • フエンテが銃撃しに行く建物が毎回同じ構造。
  • 島で一人暮らしする女性がスマホを操作する際、スマホケースにある身分証にモザイクがかかります。映したくないならケースから外しておけばいいのに。

サメに関する解説

サメの造形

シュモクザメとカニを合体させたという設定は意味不明なものの、もともと両目が離れた動物同士のかけ合わせだからか、デザインそのものは悪くありませんでした。

緑色のシュモクザメということに最初は違和感を覚えましたが、モデルになったカニが緑色なのでしょう。

もっと良いアニマトロ二クスやCGで再現されていればマシな怪物になっていたと思います。

ただし、シュモクザメにしては歯が細長いのが気になりました。

モデルとして採用されそうな大型種(アカシュモクザメ、シロシュモクザメ、ヒラシュモクザメ)の歯は、幅広で斜めの方向に尖ったような形状をしています(部位によっては真っ直ぐに近い形状をしています)。

シロシュモクザメの歯

サメの行動

作中でシャークラブはモーターボートに追いつけるほど速く泳いでいましたが、カニと合体して流線形が崩れた体型では普通のシュモクザメよりも泳ぎが遅くなるはずであり、あのような高速遊泳は無理だと思います。

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