『ウィジャ・シャーク 2』のネタバレあり感想＆サメ解説【BGサメ映画レビュー】

邦題	ウィジャ・シャーク 2
原題	Ouija Shark2
公開年	2022年
監督	ジョン・ミリオーレ
出演	ジョン・ミリオーレ/デボラ・ジェイン・ライリー・スミス/カイリー・ゴフ
制作国	カナダ
ランク	Z級（もはや映画ではない何か。サメ映画の沼であり闇。見ればZだと分かる。）
ストーリー	★☆☆☆☆
演出や絵作り	★☆☆☆☆
サメの造形	★☆☆☆☆

あらすじ

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

前作から大幅に改善した異例のZ級映画

映画レビューサイトIMDbにて「新しい拷問器具」や「とにかく逃げろ」など散々な評価を受けたＺ級サメ映画『ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』の続編です。

前作ではブレット・ケリー氏が監督を務めたのに対し、本作では「ミスティックシールド！」のセリフでお馴染みの霊媒師役ジョン・ミリオーレ氏が監督と主演を務めています。

相変わらず低予算で手作り感満載の映画ですが、前作よりもクオリティが大きく向上しているように感じました。

まず、前作の長すぎる無言シーンのような無意味な時間稼ぎはほとんどありません。地獄を彷徨うアンソニーと彼を救いたいクレシーダたちという分かりやすい二軸構成のストーリーがブレることなく展開されます。

物語の所々に「え、前作でそんな伏線なかったぞ」と言いたくなる謎の設定が挟み込まれますが、全体的には「アンソニーの地獄からの生還」⇒「大規模スケールで最終決戦」という、おおよそ分かりやす流れになっています。

また、前作では空の背景画像を配置するだけで「霊界」という設定にするなどチープさを隠そうともしていなかったのに対し、本作では低予算なりに合成やセットが作りこまれていました。

「映画」という基準では相変わらずチープですが、NHKの子供向け番組と同レベル程度には豪華になっています。

単調なカメラワークや棒読み演技などZ級らしい部分は多いものの、「前作からの成長幅」という軸で評価すれば、高クオリティの作品と言えそうです。

意味不明なホラーからギャグ映画へのシフト

もう一つ特筆すべき点を挙げるなら、作品の方向性を完全にギャグに持って行っている点です。

前作はギャグとしか思えないほど酷いクオリティというだけで、一応サメが人間を噛みちぎったりするシーンが描かれ、ホラー映画として成り立たせようとしていた感があります。

しかし、本作は序盤から「ミスティックシールド」をはじめとする魔術が多用され、悪魔カルドゥーラの一行が突然ミュージカルを始めるなど、ギャグの方向性に大きく舵を切っていました。

サメについても見た目が完全なぬいぐるみになっており、体当たりや火の玉、電撃などの攻撃が中心で、だいぶ愛らしい存在と化しています。

Z級サメ映画は何をどうしてもネタにしかならないので、ギャグ路線で行く方がまだ救いがあると、ミリオーレ監督は理解していたように思えます。

その他見どころや豆知識

• 当たり前のようにファイアボールを発射するアンソニー達。マリオか。
• 「Connection to Ocult」を「オカルト殺法」と訳すサメ映画ルーキー氏。
• 「ネクロマンサーの力が必要」という理由でイリアナの母に会いに行ったのに、ほぼネクロマンサー関係なさそうな方法で超能力が覚醒。
• ワニが放つ緑の光線がゲロっぽい。
• 歩くワニの後ろに、何故か背ビレのようなものがあります。

サメに関する解説

サメの造形

本作のサメはどこからどう見てもぬいぐるみでした。

前作はゴツゴツした粘土細工みたいな見た目だったので、だいぶ可愛らしくなりましたね。

サメの行動

本作では巨大化したサメとワニが闘う場面がありますが、実際の野生環境でもサメとワニが死闘を繰り広げることがあります。

さすがにワニがサメをジャイアントスイングすることはありませんが、世間でイメージされるよりも、サメとワニは出会っているようです。

実際、淡水域を泳いでいたオオメジロザメがワニに襲われたり、イタチザメの胃の中からワニが出てくるなどの事例が確認されています。

本作のシリーズ作品