邦題 | シャーク・ガール |
原題 | Shark Girl |
公開年 | 2024年 |
監督 | ジャスティン・シルトン / ロブ・ザザリ |
出演 | アレクサンドラ・ジョンストン / スマイヤ・アミーラ / ニック・タグ |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ?(評価困難) |
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あらすじ
SNSインフルエンサーのハイディは、カメラマンで恋人のロンと撮影のために訪れたカリフォルニアのベニスビーチでホホジロザメに襲われる。
ハイディは一命は取り留めたものの、漏れ出した核燃料の影響で変異していたサメに噛まれたことで、ハイディはサメ人間へと変貌を遂げてしまう。
ハイディが次々に人間を”捕食”する中、彼女の友人シエナとクリストファーが事件を調査し始め・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
サメ人間と言いつつほぼ吸血鬼
核燃料の影響で遺伝子変異したサメに噛まれた女性が怪物と化し、次々に人を襲う映画です。
こう聞くと、『海棲獣』や『キラー・シャーク 殺人鮫』のようにサメが二足歩行して陸でも襲ってくる作品に思えますが、少しテイストが違います。
サメに噛まれることでハイディは人を襲うようになりますが、背鰭やエラのある半魚人的な姿にはなりません。
見た目は普通の人間のままであり、これまでの生活を維持しつつ、血を見せたりムカつく態度の人間がいると、サメっぽい歯を剝き出しにして噛み殺します。
そうやって次々に人を殺めていくハイディの秘密に、海洋生物学を学びつつも陰謀論オタクであるシエナと、ジャーナリスト気取りで犯罪を調査するYouTuberのクリストファーが徐々に迫っていくという、ホラーサスペンス的展開となっています。
明らかに話の通じない異形の怪物としてサメ人間が登場する『海棲獣』等に比べると、表面上は普通の人間として過ごす怪物と闘うという点で、寄生生物系の映画に近いです。
さらに言えば、ハイディは人間を襲う際にいつも首元に噛みつくので、絵面だけなら完全にヴァンパイア映画に見えます。
常人でもまだ視聴できる”デビシャ”?
強いて近い設定のサメ映画を挙げれば、伝説的クソサメ映画『エクソシスト・シャーク』(旧邦題『デビル・シャーク』、通称デビシャ)が当てはまるでしょう。
この作品ではサメに噛まれて悪魔に取り憑かれた女性がサメに生贄を捧げたり、歯がサメっぽくなって人を襲うシーンがあります。
しかし、「最低なサメ映画」の称号を欲しいままにした(?)かの迷作に比べると、本作『シャーク・ガール』では常人の視聴にも耐えられる、理解可能なストーリーを味わうことができます。
開始早々に原子力関係の事故が起きたと分かる場面が描かれ、その後すぐにハイディがサメに噛まれて人を襲いはじめ、その合間にシエナやクリストファーが違和感のない流れで登場するという、スムーズな流れで話が進みます。
「噛み跡がホホジロザメに似ているが、明らかに小さすぎる」という現実的な疑問点からクリストファーが事件を深掘りする点や、突然挿入されるトゥルース・ジェダイなるイタイ名前の陰謀論者の話が後半で本筋に関わってくる点にも、それなりの作りこみを感じました。
もちろん、タヴァン教授を殺害したのが何者であるか曖昧であったり、最後に出てきたエージェント的オッサンの登場が唐突過ぎるなど気になる部分はあります。また、全体的に「放射能」、「核燃料」、「感染」、「突然変異」などの専門用語がかなり雑に扱われている印象は受けました。
しかし、70~80分の映像のほぼ全てが理解不能だった『エクソシスト・シャーク』に比べれば十分に及第点です。
かなり低予算で作られていると思われるので評価は迷いましたが、一応一本の筋でつながったストーリー展開であり、「無言のシーンが長すぎる」などのZ級サメ映画特有のシーンもほぼなかったことから、評価はB級としています。
サメが全く画面に映らないサメ映画
もう一つ本作の特筆すべき点を挙げるとすれば、画面にサメが映る瞬間がほとんどないということです。
どれだけ低レベルなZ級サメ映画でも、ほとんどの作品にはサメもしくはサメ要素のある生物(少なくとも製作陣やサメ映画業界人がそう言い張る存在)が何かしら画面に映っていました。
本作『シャーク・ガール』には、それがほぼ無いのです。
冒頭でハイディがサメに噛まれるシーンでも、サメ視点でハイディを映した映像のみが使われ、サメの姿は見えません(背鰭すら出てこない!)。
作中で種名が言及されていたので「あらすじ」ではホホジロザメと書きましたが、それが真実であると示すシーンは皆無です。
また、サメ映画ではサブリミナル的に本物のサメの映像を挿入したり、サメについて登場人物が調べたり解説するシーンでサメの映像や写真が出ることもよくあるのですが、本作にはそうしたシーンすらありませんでした。
唯一サメが映るのは、オープニングタイトルでわずか数秒映る、本物のヨゴレの映像だけです。
もちろん、人を襲っているハイディはサメ人間という設定なので、「サメ要素のある生物が登場している」と主張することは可能でしょう。
とは言っても、ハイディが噛まれる瞬間にサメが映っていない、サメ人間になった後に変化するのが歯だけでサメ要素が弱い、先述の通り襲い方が完全に吸血鬼であるという点から、あれをサメと呼んでいいのか迷ってしまいます。
一応「サメ映画」としてレビューしましたが、本作は「何をもってサメ映画とするか?」という議論でカギになる作品の一つかもしれません(その議論に意味があるのかについてはノーコメントで)。
その他見どころや豆知識
- 「原子力発電所で事故が発生した」という設定なのに、映っているのがよく分からないエネルギー体、マグマ、謎の緑の液体、そして火力発電所と思しき煙突。
- 海に入っていた恋人が消えたのに、溺れたと疑わずに留守電に電話するだけで帰るクソ男ロン。
- 防護服も着ず、ものすごくラフな格好で調査をするシエナ。燃料漏れを疑うならガイガーカウンターくらい持っていきなさい。
- 何故かいつも外で歩きながら撮影するトゥルース・ジェダイ。
- 人間としての知性は残っているはずなのに、道にまかれた血の臭いでノコノコ誘い出されるハイディ。
サメに関する解説
サメの造形
造形も何もサメが映らないので、評価ポイントはハイディの歯のみになります。
よく見ると控えの歯のようなものが見えるので、製作陣なりにサメ人間だと分かるように造形に力を入れたのだとは思います。
ただ、縦に長い歯が隙間なく綺麗に並んでいるのを見ると、ホホジロザメというよりヨロイザメの下顎歯のようだなと感じました(ホホジロザメは歯と歯の間隔が若干広めです)。


サメの行動
本作のハイディは被害者の顔面を執拗に食べていましたが(直接的な描写はないものの、そういう情報が出てきます)、サメに限らず捕食性の動物なら脂肪の貯まった部分や内臓を積極的に食べると思います。
また、「道端に血をばら撒いて誘き寄せる」という描写を見ていると、いかに「サメは血の臭いに敏感」というイメージが世間で根強いか、改めて思い知らされますね(確かに臭いに敏感ではあるものの、サメは音を含めた様々な刺激で獲物を探します)。
その他サメの解説
ハイディから血液を採取する際に頭に手を置いて動きを封じるシーンがありますが、これはトニック・イモビリティから着想を得ていると思われます。
サメ類の吻部に頭に手を置いて逆さまにすると、サメは動きを止めてしまうことがあります。
いわゆる死んだフリではないか?交尾の時に役立つのではないか?など様々な仮説があり、最近では「現状では意味のない習性が、自然淘汰で排除されずに残っているだけではないか?」という説も提唱されています。
ただし、サメの吻部に手を置いたからといって必ず動きを止められるわけではありません。
サメに限らず野生動物の、それも口の近くに手を置くのは危険なので、良い子の皆さんは安易に真似をしないでください。
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