割とシリアス路線ですが、製作がアサイラムなので手抜きポイントが多いです。登場するサメが少し可愛いです。
邦題 | シャーク・クルーズ |
原題 | Shark Waters |
公開年 | 2022年 |
監督 | ジェイドン・カル |
出演 | メーガン・カラスキージョ/マイク・レイ・アンダーソン/ジム・フィッツパトリック |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
父親と共にキハダマグロを釣るべく釣り船を予約したルシアだったが、父が脚を痛めてしまったため一人で参加することに。
気さくな船長や同乗したカップルと釣りを楽しんでいるのも束の間、大物を釣るべく向かった沖合でホホジロザメの群れに襲われてしまう。
サメによる執拗な攻撃によってエンジンは故障。無線も使えなくなり、さらにサメの攻撃で損傷した船が浸水し始める。
絶望的な状況の中、ルシアは父親に助けを求めるが・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
ストーリー自体はよくある漂流ものだが・・・
ストーリーの大筋は良くも悪くも普通で、シュノーケリングをしていたカップルが喰い散らかされる場面から始まり、何故か人ばかり襲う複数のホホジロザメが海のバカンスにやってきた人を襲う映画になっています。
頭を複数持つサメやサメ竜巻などのトンデモ作品を作ってきたアサイラムにしては大人しい作風ですが、作中のところどころに隠しきれないB級要素が散見され、「やっぱアサイラムだわ」という感じでした。
まず、バニング船長の船を手に入れた時のエピソードに始まり、「そこ、そんなに尺を使う必要ある?」という人間模様が多く、全体的に間延びしています。
出航前の詩、カップルの馴れ初め話、釣りに対するルシアの思い入れなど、サメの襲撃までに色んな話が出てくるので「何かしら後半に活かされるのかな」と思っていたら、ほとんどが何の伏線になることもなく終わってしまいました(ルシアの照明弾は一応活かされますが)。
あくまで推測ですが、中身がなさ過ぎて物語自体が短くなってしまい、時間稼ぎをしたかったのだと思います。
また、背景と合っていないCG感丸出しのサメ、同じくひどいCGで再現された血、浸水している設定なのに後半に映る船内は乾ききっているなど、アサイラム特有の低クオリティは健在です。
先の尖っていないオールの一撃でサメを仕留めたり、スクリューにサメを巻き込んだだけでエンジン全体が壊れるなど、よく分からない理屈で物語を押し進めるあたりも、B級サメ映画の悪いところが出ています。
制作陣としては、トンデモ系がネタ切れしたために正統派の方向性に舵を切りたいのかもしれませんが、Z級映画を見習って元の路線に戻った方がいい気がしてきます・・。
サメが終始可愛い
そんなB級クオリティの本作で注目すべきはサメの可愛さです。
サメ映画のサメは醜悪に描かれることが多いのですが、本作に登場するホホジロザメはB級サメ映画では珍しく自然に近い表情をしています。
さらに、並んで泳ぎながらお互いを小突き合ったり、あと一歩のところでサバを取り逃がしたり、ジェットスキーを集団でつつくなど、どことなくで可愛いらしい場面が定期的に挟み込まれます。
シャトーが持っていたバケツに意味もなく噛みついて引っ張り合う様子も、怖いというより「何でそんなもの欲しがっちゃうの」と思いたくなるほのぼのしたシーンに見えます。
ラストで片目を負傷したサメが片腕を咥えているシーンも、葉巻を咥えた殺し屋のコスプレみたいで、なんとなく愛らしいです。
ディズニーに出てくる悪役のようなコミカルなサメが見られるのは、本作の数少ない魅力の一つと言っていいでしょう。
その他見どころや豆知識
- 日本版DVDジャケットには銛を持つ美女の姿が描かれていますが、こんなシーンはありません。
- 出航前には救命胴衣を着ているのに、釣るときは全員外しています。救命胴衣は船を降りるまで着用しましょう。
- ルシアが釣り上げたマグロがめちゃくちゃ小さいうえに、明らかに死んでいます(というより腐ってる?)。
- サメを巻き込んでしまっただけでエンジン全体が故障し、船体に体当たりされただけで無線が使えなくなる船。明らかに不良品です。
- スクリューにサメを巻き込んだせいで海面が血塗れのはずなのに、水中のサメが映るシーンでは血が映っていません。
- 砂州に乗り上げてまでルシアを襲ってくるホホジロザメ。お前はシャチか。
- ルシアが父親に明確な緯度・経度を伝えているのに、いつまでも発見できない沿岸警備隊。無能すぎる。
- 「30年間一緒だったぜ」という決め台詞で船を吹き飛ばしたのに、海賊から勝ち取ったという話は嘘で去年買った船とラストに判明。一体全体何だったんだ。
サメに関する解説
サメの造形
アサイラムにしてはそこまで悪くないホホジロザメでした。
CGは相変わらずの低クオリティでしたが、全体的に本物に近く、顔つきに関してはハイレベルと言ってもいいです。
『シャークネード』をはじめとするアサイラムの作品では、「ホホジロザメがモデルなんだろうけど、吻が短いし、変に丸みを帯びているし、歯の形が全然違うし、なんだこのサメ」みたいなものが多かったので、これは相当な進歩だと思います。
ただし、厳しい目で見るのであれば、妙にお腹周りがでっぷりしている、胸鰭が長く幅も広いなど、やはり細かい部分まで洗練されてはいませんでした。
また、水中を泳ぐサメのCGは良かったのですが、水面に顔を出した時のサメが何故か『シャークネード』に出てくるようなクソCGになっていました。
さらに、本作ではドキュメンタリー映像の切り抜きと思しき本物のサメの映像も挿入されるのですが、一部明らかにホホジロザメではない映像も使用されています。
サメの行動
本作のホホジロザメが人間ばかりを執拗に襲う理由は「魚が少なくなったから凶暴化したのだろう」だけで片付けられてしまいます。
この点については予測でしかありませんが、ホホジロザメは長距離の回遊を行うことができ、人間のように毎日食事をしないと生きられないというわけでもないため、エサが少なくなれば他の海域に移動するのではないかと思います。
もう一つ気になる点を挙げると、シャトーが持つバケツに噛みつく時のサメの動きです。
サメには人間で言う「首」に当たる部分がありません。そのため獲物に噛みついて引き裂く時、頭だけ横に振ることができず、体全体を動かします。
ところが本作のバケツを奪い取るシーンのサメを見てみると、まるで首があるかのように変な曲がり方をしています。
細かい点ではありますが、こうした再現にこだわりを持てない限り、アサイラムの作品がA級や準A級と評価されることはないでしょう。
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