【BGサメ映画レビュー】シャーク・ナイト

古典的なホラー映画の枠組みにサメが登場する感じです。現実的かどうかはともかく、ホラーとサメの融合としては成功していると思います。

邦題シャーク・ナイト
原題Shark Night / Shark Night 3D
公開年2011年
監督デヴィッド・R・エリス
出演サラ・パクストン/ダスティン・ミリガン/クリス・カーマック
制作国アメリカ
ランク準A級(世間的にはB級だが個人的にはお勧めしたい。)
目次

あらすじ

女子大生のサラとその友人たちは、湖の畔にある彼女の別荘にバカンスを楽しむべくやってきた。

自然に囲まれながら大学生らしい休暇を満喫する一行だったが、友人の一人であるマリクが水上スキー中にサメに襲われ、片腕を失ってしまう。

なんとか彼を病院に運ぼうとする一行の前に、サラの知人であるデニスとその相棒レッドが現れる。

マリクを病院まで送るために助け舟を出そうというデニス達だったが、それは悪夢の始まりに過ぎなかった・・・。

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

13日の金曜日サメver

サメ映画として観ると斬新に感じますが、ストーリー自体はホラー映画のド定番です。

イケイケな若者たちが田舎に遊びに来る

酒やドラッグを片手に、色んな欲望を溜め込んだ男女数名が、周りに何もないようなキャンプ地や別荘を訪れます。

殺人鬼が現れて若者が次々に殺される

まず間違いなくビッチは犠牲になり、他にもドラッグをやっているおバカ、人種的マイノリティ、ヤリチン、ギーク(ヲタク)などがよく被害に遭います。

果たして主人公の美少女は生き残れるのか?

女性一人の場合とイケメンで誠実な彼氏役がセットな場合の2パターンがありますが、だいたい主人公は女子で、処女か清純派・真面目系と相場は決まっています。

『13日の金曜日』などの超古典的ホラーから続く伝統で、『キャビン』という映画でメタられたお決まりの流れです。

そうしたホラーのテンプレートに「塩水湖にサメを放てば人を襲いまくるだろう」という安直な考えでサメ要素をぶち込んだのが本作です。

人食いザメと殺人鬼の見事な両立

テンプレに従っているだけあってストーリーは安定していて、サメ映画としてはそれなりのクオリティに仕上がっています。

登場人物の表面上の設定はホラーの定番ですが、それぞれが程よくキャラ立ちしていて、しかも学生たちの中に根が腐ったようなクズがいないため、犠牲になった時の痛々しさや悪役の凶悪っぷりが引き立つように作られています。

また、本作の悪役は人間をサメに食べさせること自体を目的にしているため、クライムアクション系サメ映画にありがちな「サメの存在が置いてけぼりで人間同士のいざこざがメインになる」ということはなく、上手にサメと殺人鬼を両立させた作品だと思います。

まあ、「サメが人を殺しているビデオを映像作品として売り出す」という発想がブッ飛び過ぎていて「普通に買ってもらえると思うの?何でドキュメンタリーとして売り出そうとしてるの?裏物スナッフフィルムとしてダークウェブで配信した方がいいんじゃない?」とツッコミたくなりますが、殺人鬼が人を殺す理由なんていつも狂気じみているので、あまり気にし過ぎない方がいいでしょう。

ちなみに、本作は一応3-D作品ですが、『ジョーズ3』に見られたような「明らかに3D演出のためだけに入れただろ」という無駄なカットはなく、2Dでも違和感なく楽しむことができます。

ただし、ホラー映画のテンプレに従いつつも、派手なゴア描写や濡れ場はありません。

僕としてはその方がテンポがいいし人にお勧めしやすいのですが、そういうのを目当てでホラー映画を観ている人からすれば物足りないと思います。

その他見どころや豆知識

  • ワンちゃんが可愛いです。冒頭で棒をとってくる遊びをしているのがラストの伏線になっているのも良かったです。
  • 数々のサメを捕まえて輸送、放流できるうえ、最先端のバイオロギング機器を用意することもできるこいつ等は何者なんでしょう・・・。
  • エンドロールが終わった後、出演俳優陣が歌うラップソングが流れます。この映像内に表示されるサイトULR「www.saveyoursharks.com」にアクセスすると、『コンマフィルム ランドシャークプロジェクト』というよく分からない謎のサイトに辿り着きます(2022年10月現在)。

サメに関する解説

サメの造形

本作では複数のサメが出てくるので、種ごとに解説していきます。

なお、DVDジャケットや一部の配信サイトでは「46種」と紹介されていますが、作中でデニス達がそう言っているだけで、画面に映るのは以下の5種類だけです。

オオメジロザメ

マリク、マヤ、ゴードンを襲ったサメ。作中でレッドが「Bull shark」と呼んでいたのでオオメジロザメとしましたが、顔つきや体つきはそれっぽくありませんでした。

第一背ビレあたりが妙に上に伸びた体格だったので、恐らくヤジブカがモデルだと思います。

ダルマザメ

本作がサメ映画史上初めての登場でした。

顔つきが実物よりグロテスク過ぎる気もしますが、各ヒレが小さい葉巻型の体型、エラ孔あたりにあるバンド模様など、再現度は高かったと思います。

襲撃シーンも「ダルマザメならでは」という感じだったので、このサメの登場シーンは色々な意味で評価に値します。

ヒラシュモクザメ

マリクが槍で仕留めたシュモクザメです。作中で種名の言及はないですが、長方形に近い厳つい頭部と縦に長い独特の第一背ビレからして、モデルはヒラシュモクザメで間違いないと思います。

実際のヒラシュモクザメはもう少し背ビレが鎌形な気がしますが、全体的には良い仕上がりでした。

シロワニ

作中で保安官が「Tiger shark」と呼んでおり、日本語字幕でも「イタチザメ」と訳されていますが、どう見てもシロワニです。

シロワニの英名が「Sand tiger shark」なので間違えたのだと思います。

実際にはほとんど人を襲うことのないサメなので、保安官が得意げに「海のごみ箱って呼ばれてるぜ」と紹介しているのが滑稽でなりません(イタチザメは本当に海のごみ箱というあだ名がついています)。

ホホジロザメ

作中は「Big girl」とだけ呼ばれていましたが、尖った吻、大きな三角形の背ビレ、下葉が発達した三日月型の尾ビレなどの特徴からホホジロザメで間違いないと思います。

ただし、ホホジロザメにしては少しほっそりした体形で、少しアオザメっぽかったです。

サメの行動

「そもそもサメはあんなに積極的に人を襲わない」というツッコミはサメ映画全般に言えることなので、今回は「湖にサメが現れることはあるのか?」というテーマで掘り下げていきます。

本作に出てくる湖は塩水湖だという説明がなされ、一応サメが生きていけそうな設定が用意されています。

しかし、塩類濃度さえ高ければどんなサメでも生きられるというわけではありません。

サメは種によって適切な水温、光量などが大きく異なることがあります。

本作の舞台設定や登場人物の服装からして湖の水温は割と高いはずなので、温暖な海の沿岸に生息するオオメジロザメやシロワニ、ヒラシュモクザメには適した環境かもしれません。

一方で、ダルマザメは非常に深い水深に生息しており、浅い水深で泳ぐのも夜であるため、恐らく低水温でなければ生きていけないでしょう。降り注ぐ太陽光自体が彼らに致命的な刺激である可能性もあります。

また、雨水などによる塩類濃度の変化、泥や土砂などによる水質の変化、水に溶け込む酸素濃度など、あるサメにとってその環境が適しているかどうかは様々な要因によって変わってきます。

これを機に、「塩水」や「海水」という環境の中にも様々な生態系が存在することをご理解頂ければ幸いです。

その他サメに関する解説

  • 冒頭で白ビキニの美女を襲ったのはオナガザメの仲間という設定ですが、オナガザメの仲間は体に対して口や歯の大きさが小さく、とても人間を襲って食べるようなサメではありません。
  • 作中でデニスたちが「サメの種数は350種」と言っていますが、現在は500種以上が知られています。また、映画の公開時点でももう少し多く知られていたと思います。
  • デニス達はダルマザメについて「朝潜って見つけた」などと言っていますが、ダルマザメをダイビングで見つけて生きたまま輸送するのはまず無理です。ただし、「ダルマザメが歯を飲み込む」という話は事実のようです。
  • デニスの指示でショップ定員の男が檻を開けてホホジロザメを解き放つシーンがありますが、ホホジロザメは常に泳ぎ続けるサメなので、あんな風に閉じ込めることはできません。

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参考文献&関連書籍

  • David A. Ebert, Marc Dando, and Sarah Fowler 『Sharks of the World a Complete Guide』2021年
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