おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!
先日、いつもお世話になっているシャークジャーナリスト沼口麻子さんのサメ談話会に参加してきました!
前回はサメの歯を使ったアクセサリー作りをしましたが、今回はシロワニについてサメ好き同士で議論しました
シロワニの子宮内共食いの真相とは?
“シロワニ”と聞いて「え、サメ好きなのにワニの話?」と思った方のために一応触れておくと、“シロワニ”という名前のサメです。
ネズミザメ目というグループに分類されるサメで、強いて言うならホホジロザメなどに近い仲間です。
サメなのにワニとは紛らわしいネーミングですが、地方によってはサメのことをワニと呼ぶため、恐らくそれが標準和名に使われたのだと思われます。
歯をむき出しにした大きな体をしたサメなので「人食いザメだ!ジョーズだ!」と恐れられることも多いですが、実際は非常に大人しいサメです。僕も一緒に泳いだことがあります。
今回は、そんなシロワニについての疑問などを出し合い、沼口さんに解説して頂いたり参加者同士で意見を出し合ったりしました。
やっぱり子宮内共食いに関する疑問が多かったですね。
以前に僕もYouTubeなどで解説していますが、シロワニは母胎内で胎仔が共食いをして、生き残った一尾だけが産まれてくるとされています(子宮は二つあるので厳密には二尾)。
今回は参加者ほぼ全員その情報を知っていた上で、より細かい疑問を共有して話し合いました。
シロワニ以外のネズミザメ目の仲間も、子宮内で排卵される卵を食べて成長することが確認されています。
しかし、そもそも妊娠個体を捕まえて解剖できることが非常に稀であり、多くが絶滅危惧種とされているので可能だとしてもすべきではないという問題があります。
また、どこからが「排卵されてくる卵を食べてくるだけ」で、どこからが「子宮内で共食い」なのか境界線も曖昧です。
こうして考えると、”子宮内共食い”と呼ばれる現象はシロワニ特有ではないのかもしれません。
「シロワニは子宮内で共食いする!」という情報自体はネットで調べれば簡単に見つかりますが、こうして疑問を出して話し合ってみると、そこまで単純な話ではないことが分かりますね。
懐かしき油壺のサメたち
シロワニに関するマニアックな議論が盛り上がる中、一人の参加者さんがこんなものを見せてくださいました。
知る人ぞ知る、京急油壺マリンパークのサメの歯ガチャ!しかも全種コンプリート!
油壺マリンパークは2021年9月30日に閉館してしまいましたが、今回のテーマであるシロワニに加え、レモンザメとオオメジロザメを一緒に飼育していました。
大きなドーナツ型水槽を泳ぎ回るサメたちを撮影しようと一緒になってグルグル回っていたのは良い思い出です・・・。
そんな油壺マリンパークでは、水槽の底に落ちたサメの歯をガチャガチャで手に入れることができましたが、僕がやるときはいつもシロワニばかり出てきていました・・・。
生え変わりのペースが不明なサメも多いので断言はできませんが、シロワニは割と頻繁に歯が抜けるので、恐らくシロワニだけ多めに入っていたのだと思います(たぶん・・・)。
サメの脊椎骨を観察
さらに、沼口さんにこんなものを見せていただきました。
左から、ヨシキリザメ、アオザメ、ハチワレ(オナガザメの仲間)の脊椎骨です。
ネズミザメ目の脊椎骨は共通してスカスカに見えるような縦線が入るそうです。
ヨシキリザメはメジロザメ目、アオザメとハチワレはシロワニと同じネズミザメ目です。
正直なところ今まで気にしたことがなかったのですが、家にあるアオザメの脊椎骨を見直したら確かに全部そうなっていました。
この脊椎骨にある年輪のような模様を数えて年齢を調べたり、脊椎骨の数を確認して種の同定を行ったりします。
ちなみに、今回の参加者の半分以上が中学生以下の子供たちでした。
先に紹介したシロワニの繁殖についても、大人を置いていくような勢いで次々と疑問点や自分の意見を述べていました。
こういう子供たちを見ていると、サメ界の将来は明るいなと感じます(誰目線・・・)。
サメ談義は楽しくて有意義なので今後も参加していきますが、水族館などに行く頻度も増やしていこうと思っているので、その時はまた解説記事などアップ予定です!乞うご期待!
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