「海でダイバーが遭難したら本当にこうなるんだろうな」というジワジワした恐怖を淡々と描いた作品です。良作ですが、怖いと思うか退屈と思うかで意見は分かれると思います。
邦題 | オープン・ウォーター |
原題 | Open Water |
公開年 | 2003年 |
監督 | クリス・ケンティス |
出演 | ブランチャード・ライアン/ダニエル・トラヴィス |
制作国 | アメリカ |
ランク | 準A級(世間的にはB級だが個人的にはお勧めしたい。) |
ストーリー | ★★★★☆ |
演出や絵作り | ★★★☆☆ |
サメの造形 | ★★★★★ |
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あらすじ
日々の仕事で忙しいダニエルとスーザンの夫婦は、休暇を取ってリゾート地を訪れる。
滞在中にスキューバダイビングを楽しむ二人だったが、ひょんなことからガイドが手違いを起こして海の上に取り残されてしまう。
誰かが気付いて助けに来てくれるだろうと海を漂っていた二人は次第に心身ともに疲れ果て、いつしか彼らの周りにはサメが集まってくる・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
低予算ながら大ヒットを記録した海洋スリラー
本作『オープン・ウォーター』は約13万ドルという超低予算で作られました(参考までに比較すると、『ジョーズ』が約900万ドル、『ディープ・ブルー』が約6,000万ドルです)。
しかし、クオリティが予算額に比例するかと言えばそんなことはなく、本作は海洋スリラー映画としてヒットし、5,550万ドルの興行収入を叩き出しました。
実際にこの映画は、ダイビング中に海のど真ん中に取り残された夫婦が段階的に危機的状況に陥っていく様子を追体験させるように描いた良作に仕上がっています。
ガイドが人数を数える場面から始まり、ささいなアクシデントが重なって夫婦が絶望的な状況に陥るまでの伏線の張り方は、淡々としていながらも秀逸で「自分にもしも同じことが起きたら・・・」という恐怖を与えます。
正直この映画の影響で「ボートダイブに一人で参加するときは絶対周りの人に覚えてもらえるように目立とう」と心に決めています(今のところそのような機会はありませんが・・)。
恐怖を味わうか退屈するか賛否両論
本作『オープン・ウォーター』は全体的に優れた作品なので、この映画の評価をA級にするか準A級にするか悩みましたが、「人によっては味気なく退屈するかもしれない」という理由から準A級にしています。
- ドキュメンタリー映画を思わせる淡々とした展開
- 画質粗めの映像
- 必要最低限のBGM
- 無機質な時刻表示
- すぐ襲ってくるわけでもなくただ周りを泳ぐサメたち
- 時間が経つごとにお互いを罵り合う夫婦
- 二人の絶望的な状況と対比的に挿入される陸地での平和な光景
こうした要素の相乗効果により、海洋スリラー映画としての臨場感・リアリティという側面では間違いなく一級品の出来栄えです。
しかし、二人が海に取り残されてからは画面における変化が乏しく、サメが人間を食いまくるわけでもないため、サメ映画というカテゴリーで考えるといささか退屈に感じてしまいます。
「海に取り残された夫婦」という設定のため仕方ありませんが、淡々とした展開の中に描かれる恐怖の演出を評価できるか?海に取り残される恐怖に共感できるか?という点で賛否の分かれる作品でしょう。
実話をもとにした作品
冒頭で「based on true events」と表示される通り、本作『オープン・ウォーター』は実話に基づいた作品です。
1998年のオーストラリアにて、アメリカから旅行に来ていたトム・ローナガンとアイリーン・ローナガンの夫婦がグレート・バリアリーフでのダイビング中に取り残されてしまいます。
二日後には彼らの捜索が開始されますが、結局見つかることはありませんでした。
したがって、ローナガン夫妻が本当にサメに襲われたのかは不明です。
しかし、グレートバリアリーフも大型サメ類が数多く泳ぐ海域であるため、力尽きた彼らをサメが食べてしまった可能性は十分にあると思われます。
サメに関する解説
サメの造形
本作では実際に海を泳ぐ野生のサメが登場しており、造形という面ではある意味100点満点でした。
サメは全てこの映画のためだけに撮影されたようで、映像を僕が見る限りはドキュメンタリー映像から拝借したようなシーンはありませんでした。
なお、映っているサメのほとんどがメジロザメ属の仲間で、IMDbによればペレスメジロザメとのことです。
ただし、メジロザメ属の同定は難しく、本当にペレスメジロザメかははっきりしません。一瞬だけ見えるようなカットが多かったため、作中の映像だけでは正確な種の同定は不可能だと思います。
有名種としては、一度だけイタチザメ(と思しきサメ)がアップで登場します。
また、二人の周りを泳ぐサメの中にはいませんでしたが、エンドロール中に胃からカメラを取り出されているサメとしてアオザメが出てきます。
映像で見る限りは本物のアオザメだったので、恐らく実物のサメをさばいている途中に胃の中にカメラを入れて撮影したものと思われます。
サメの行動
幸いなことに同じ境遇になったことはありませんが、海を漂う人を襲うサメの行動としてはかなりリアリティがあったと思います。
映画冒頭でガイドが話す通り、ほとんどのサメは積極的に人を襲うことはありません。
しかし、それは海水浴やダイビング中などの、いわゆる”一般人が体験する普通のシチュエーション”においてです。
海の上を弱った状態で何時間も漂うという特異な状況では、外洋を泳ぐサメたちが興味や飢えによって噛みついてくることは十分にあり得ます。
海を漂う人間がサメに襲われた事例として最も有名なインディアナポリス号沈没事故でも、サメは死体を最初に襲い、次に弱った船員から捕食していったという体験談が残っています。
サメも悪意をもって人間を襲っているのではなく、ただ楽に食べられる食料だから食べているというだけなんでしょう(食べられる側としては何の慰めにもなりませんが・・・)。
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参考文献&関連書籍
- IMDb『Open Water』
- Wayback Machine『The ‘Water’ Way』2004年
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