『サメストーカー リターンズ』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

邦題サメストーカー リターンズ
原題Stalker’s Prey3 / A Predator Returns
公開年2021年
監督コリン・ゼイズ
出演ヒューストン・スティーヴンソン/リーア・シノット/ハナ・ジェーン・マクマリー
制作国アメリカ
ランクB級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品)
ストーリー★★☆☆☆
演出や絵作り★★★☆☆
サメの造形★★★☆☆

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目次

あらすじ

束縛しがちな母親に反発していた女子高生のコートニーは、友人たちとの息抜きで立入禁止の無人島に向かう。

泳いでいる最中にコートニーは突然サメに襲われるが、その島でサメの研究をしているという好青年デビッドに助けられる。

海洋生物学に関心のあるコートニーはデビッドと交流するようになり、やがて彼に惹かれていく。

しかし、コートニーの父親は彼を不審に思い始め・・・。

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

多少ひねりはあるものの過去作と似た筋書き

いつまでも元カノに執着し、何度もサメに襲われ、そして何度でも蘇る金髪イケメンストーカー、ブルース・ケイン(本作での偽名はデビッド)の物語第三弾です。

一作目、二作目共にほぼ同じ筋書きでしたが、本作も例に漏れず似たり寄ったりなストーリーでした。

複雑な家庭環境の美少女がサメに襲われる→ブルースが登場して救い出す→恋仲になろうとするが失敗する→ブルースが執着を見せて周りの人間に危害を加える・・・。シリーズを追ってきた身からすればお決まりの流れです。

強いて異なる点を挙げれば、これまでは元カノに激似の女性や元カノと同じファーストネームの女性をターゲットにしていたのに対し、本作ではそういった共通点のない女性を選んでいるということです。

それが関係しているのか、本作のブルース/デビッドは序盤のストーキングが穏やかで、どちらかと言えばコートニーの方からアプローチしているように感じました。

なお、サメの出番は「一作目ほど少なくなく、二作目ほど多くはない」という具合で、前作同様ストーカー行為のきっかけになったり、登場人物を排除する舞台装置として機能するにとどまっています。

ただし、ブルースがサメの研究者を自称したり、コートニーたちとの食事でサメのウンチクを饒舌に語りだすなど、彼のサメに対するこだわりがより強くなっていました。

可もなく不可もないサスペンス映画

過去二作にも言えることですが、駄作ではないが絶賛すべき長所もない、無難でお手軽なサスペンス映画といった感じです。

全体的なストーリーはシンプルで分かりやすいものの、ブルースの母親に対する執着が描かれるがメインストーリーに特別活かされない、警察がキャット殺害の件で何故コートニーをあそこまで疑ったのか謎など、細部に雑さを感じます。

一方で、さりげなく画面に映ったものが後半に活かされる伏線回収の流れや、ブルースの気味の悪さを表現する映像手法については評価に値します。

特に、何時間もコートニーの寝顔を見つめている場面や、「クローゼットの中に潜んでいると見せかけて・・・」の流れは見事でした。特別画期的ではないものの、ロマンチスト気取りのサイコパスというブルースのキャラクターをよく表しているシーンだと思います。

また、コートニーにサメファッションの子供用パーカーが届くシーンは、なんとなく予想できる展開とは言えゾクッとしますね。あれのせいでサメ好きのイメージが下がらないか心配なくらいです。

ブルースはラストで死亡したのか?

過去作と大きく違う点を一つ挙げると、ラストでブルースがサメに噛まれていないことです。

過去二作では美女とブルースが海で戦い、ブルースが海に落ちてサメに連れ去られるのがお約束でした。

しかし、本作ではサメに噛みつかれる前にダイナマイトが爆発することでハッピーエンドを迎えています。

さすがに毎回サメに処理させてはマンネリ化すると製作陣が思ったのかは分かりませんが、爆発で体がバラバラになったりするシーンもないため、「ブルースはまたも生き延びた!」という設定で続編を作りたいのかもしれません。

ただし、現実的な話をしてしまうと、水中で爆弾などが爆発すると凄まじい圧力波が発生し、肺や内臓の中の空気が押しつぶされてほぼ確実に死亡します。

二度サメに襲われて生還したブルースも、今回ばかりは海の藻屑になったことでしょう・・・。

その他見どころや豆知識

  • ブルースが自分の上着をコートニーに貸すシーンにて、よく見ると前作にはなかったサメの噛み傷が増えています。
  • 日本語字幕では「sanctuary」が「聖域」訳されていますが、この場合は「保護区」と訳すのが妥当です。

サメに関する解説

サメの造形

サメの造形については二作目からそこまで変わっていません。CG感がやや強いものの、一応ホホジロザメと分かる姿をしていました。

登場するサメのサイズは小さく、恐らく全長2m前後のサメとして描かれており、作中でも「赤ちゃん」と表現されています。

そのせいかは分かりませんが、サメの吻が短く、やや潰れたような顔をしていました。

ただし、ごく一部のシーンではドキュメンタリー映画などが元と思しき本物のホホジロザメの映像も挿入されていました。

サメの行動

ブルースは島に集まるホホジロザメについて「母親と赤ちゃんが10尾ほど」と言っていますが、ホホジロザメは子育てをしません。

ホホジロザメの繁殖については分かっていないことも多いですが、恐らく出産後の母親は沖の方に戻っていき、子供と一緒に沿岸に滞在することはないと思います。

作中で語られる通り、ホホジロザメは誕生時点で全長1m以上もあるため、自力で泳いで狩りをすることができます。親の助けなど借りず、自分たちで魚などを捕まえて生きているのでしょう。

その他サメの解説

  • ブルースは「サメは群れで泳ぐ」と言っており、確かにそういったサメもいますが、全てではありません。単独で生活する種も多くいます。

本作のシリーズ作品

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