邦題 | ラスト・ブレス |
原題 | The Last Breath |
公開年 | 2024年 |
監督 | ヨアヒム・ヘデン |
出演 | キム・スピアマン / ジャック・パー / アレクサンダー・アーノルド |
制作国 | イギリス |
ランク | A級(普通に映画として楽しめる。自信をもって勧められる。) |
ストーリー | ★★★★☆ |
演出や絵作り | ★★★★★ |
サメの造形 | ★★★☆☆ |
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あらすじ
英領ヴァージン諸島のダイビングショップで働く青年ノアは、ショップ経営者のリヴァイと共に、第二次世界大戦中に沈没した米国軍艦シャーロットを捜索していた。
長年の努力が実を結び、ついに二人は砂に埋もれていたシャーロットを発見する。
その日、シャーロット発見を知らされたノアの旧友たちは、シャーロット内をダイビングしたいと懇願。危険かつ違法だと渋るノアだったが、最終的には承諾してガイドすることに。
沈没戦艦内のダイビングで盛り上がる一行だったが、彼らを待ち受けていたのは、血に飢えた人喰いザメだった・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
『海上48hours』の製作陣が送る沈没船サメ映画
沈没船内を舞台にした本格派のサメ映画です。
脚本家のニック・ソルトリーズとプロデューサーのアンドリュー・プレンダーガストは『海上48hours -悪夢のバカンス-』に携わっていました。
そのためかストーリーも『海上48hours -悪夢のバカンス-』に似ていて、お調子者を含む若者グループがちょっとした冒険のつもりで海に出かけた結果、人喰いザメの巣窟から出られなくなってしまうという内容です。
サメ映画の肝である「陸にいる人間を海にいるサメにどうやって喰わせるか」という問題については、「借金問題を解決するために成金野郎の無理な頼みを聞き入れる」という自然な筋書きで解消されます。
閉塞感のある環境でサメに襲われる恐怖を描くという点では『海底47m 古代マヤの死の迷宮』に近いものの、本作は沈没船という一味違った舞台設定なので新鮮な気持ちで楽しめました。
また、登場キャラクターや関係性について最低限の描写で説明し、無駄なシーンを挟まずに脱出劇が展開されるテンポの良さも魅力です。
リヴァイがシャーロットを追い求めていた理由やノアとサムの恋物語など、もう少し深堀りしても良さそうな部分の説明が省略されていたのが気になりましたが、同じく沈没船を舞台にした『MAKO 死の沈没船』が人間ドラマを重視しすぎた作品だったので、それと対比すると良い意味で(あくまで良い意味で!)サメ映画らしい作品だったと感じました。
サメの存在感を損なわせない沈船ならではの演出
本作で注目して欲しいのは、サメの存在を示すための表現技法です。
原点にして頂点の『ジョーズ』からの伝統として、サメ映画業界では「水面から第一背鰭だけ見せる」という方法が踏襲されてきました。
本作でもその技法は用いられていますが、メインの舞台は”水面”が存在しない沈没船です。
そこでどうサメの存在を暗示させるのかと言えば、本作では「船の隙間から差し込まれる日光が一瞬さえぎられる」という方法が使われていました。
真っ暗な場所から急に白いサメが現れるという『海底47m 古代マヤの死の迷宮』とはまた違った表現で、沈没船という舞台設定を活かしたオシャレな手法だと感じました。
また、基本的には船内をゆっくりと泳いでいるサメが襲う瞬間に猛スピードで迫ってくる映像も、恐怖演出とリアリティを両立させた良い仕上がりでした。
実際に作中でサメが映った時間は恐らく短かったと思いますが、上記のような演出面が優秀だったため、サメの存在感が希薄になることはありませんでした。
日本では劇場公開されなかったものの、個人的にはその資格はあったと思います。
その他見どころや豆知識
- USSシャーロットという軍艦や潜水艦自体は複数存在しましたが、僕が簡単に調べた限りではどれも第二次大戦中に沈没はしていません。恐らくUSSインディアナポリス号にヒントを得た架空の軍艦かと思われます(USSインディアナポリス号についてはコチラも参照)。
- いくら砂に埋もれていたとはいえ、あんな浅い水深で沈んだなら誰かがとっくに発見していそう。何で手付かずだったのか謎です。
- 登場時からずっと死亡フラグを立てまくるブレットとローガン。
- SNSでバズるためにシャーロットに潜りたがっていたのに、船内で全然写真を撮らないブレット。
サメに関する解説
サメの造形
本作には2種類のサメが登場していました。
船内でノアたちを襲っていたのは、
- 丸みを帯びた吻
- がっしりとした体形
- 大きな三角形の第一背鰭
- 尾鰭の下葉が三日月形に発達していない
などの特徴から、オオメジロザメだったと思われます。
やや頭が平たいのが気になりましたが、全体的には良い再現だったと思います。
一方で、シャーロット船外でブレットなどを襲ったサメは
- 尖った長い吻
- 尾柄部にある際立った隆起線
- 三日月形に発達した尾鰭
などの特徴だから、ホホジロザメだったと思います。
こちらも一目でホホジロザメだと分かる姿をしていました。


サメの行動
捕食シーンの再現は高く評価できます。
突進するように獲物に噛みつくオオメジロザメや、一度噛みついた後に一旦獲物を離れるホホジロザメなど、実際にあり得るであろう攻撃が再現されていました。
製作陣がどこまで意識したのか不明ですが、オオメジロザメに噛まれたローガンが傷を負ったことによる失血死で、大きなホホジロザメに襲われる場合は全身を持っていかれるという描写にもリアリティを感じました(余程大きいサメでない限り、サメによる事故で亡くなる場合は丸ごと食べられるのではなく、噛まれて失血死することが多いです)。
強いて細かいことを言えば、沈没直後の軍艦の周りにすぐサメが現れるのかが疑問(衝撃音などで逃げそう)なのと、エサとなるような生物がいないように見える戦艦内にオオメジロザメが留まる理由が謎でした。
その他サメの解説
これまでサメの被害などなかったのに急に危険なサメが現れた理由についてノアは、「シャーロットを掘り起こした嵐がサメにも影響した」という仮説を述べていました。
確かに、嵐とシャークアタックの間に関連性があるという説は存在します(決してサメが竜巻で飛んでくるわけではありません)。
2024年7月に米国テキサス州でシャークアタックが連続した際も、ハリケーン直後だったことが関係しているという声が一部で上がりました(ちなみに当時撮られた映像から、この事故はオオメジロザメによるものだと思われます)。
実際にハリケーンの影響でサメが岸に近づくことはあるようなので、ノアの説は一理あるのかもしれません。
ただし、逆にハリケーンから逃げるようにサメが深みに潜っていくこともありますし、岸に近づくにしても凶暴化するわけではないので、嵐が去った海で本作のような悲劇が起こりやすいというわけでもないと思います。
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