『ジョーズ・バケーション』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

前半に全くサメが出てこない異色のサメ映画です。なんか『ロスト・バケーション』のパクリっぽく終わります。

邦題ジョーズ・バケーション
原題The Requin
公開年2022年
監督レ・ヴァン・キエ
出演アリシア・シルヴァーストーン/ジェームズ・タッパー/ディードル・オコンネル
制作国アメリカ
ランクB級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。)
ストーリー★☆☆☆☆
演出や絵作り★★☆☆☆
サメの造形★★☆☆☆

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目次

あらすじ

水中出産に失敗して死産になってしまった夫婦ジェイリンとカイルは、傷ついた心を癒すべくベトナム旅行をすることに。

しかし、猛烈な嵐によって宿泊していた水上コテージが破損し、二人はコテージごと遠い沖まで流されてしまう。

助けが来る見込みもないまま海を彷徨っていた彼らは徐々に衰弱し、やがて彼らの周りにはサメが集まり始める・・・。

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

とにかくサメが出てこない

ストーリー自体はオーソドックスな漂流モノであり、海のど真ん中に取り残されたカップルが衰弱していく点では『オープン・ウォーター』に近いものを感じますが、色々とツッコミどころが多いです。

とにもかくにも、前半に全くサメが出てきません。

非日常的な体験の中でもトラウマを忘れられずに苦しむジェイリンと、彼女を楽にしてあげたいと思う夫カイルの人間模様がしばらく描かれた後に嵐がやってきて、「ようやくサメが出てくるのか」と思いきや、ただ海上を漂うだけ。

言い争ったり、飲み水などの物資を探したり、救助を呼ぼうとした行為が裏目に出るなど物語の進展はありますが、開始から50分以上経たないとサメの背ビレすら見えません。

演出や演技、絵作りはそこまで悪くなく、収れん火災の原理で火を起こす場面も「間抜けに見えるけど、素人が変な知識つけるとこういうことやりがち・・・」という絶妙なポイントを押さえており、海洋スリラーとしてはまずまずの仕上がりだと思います。

しかし、サメ映画として観てしまうと、「一体いつになったらサメが見られるんだろう」と途方に暮れる羽目になります。

ラストは劣化版『ロスト・バケーション』

「いつサメが出るんだろうな~」と思いながら視聴を続けていると、開始から58分。ようやくサメが登場します。

本物のホホジロザメの映像を上手に組み込んだ襲撃シーンはなかなかに見応えがあったので、「おお、やっとサメ映画らしくなってきた」と思っていたのですが、その後は残念なクオリティでした。

ジェイリンが意識を失っている間にカイルの脚は食い千切られ、走馬灯を見たりと色々あった後、彼女は丸船で転寝をする地元漁師に出くわします。

この漁師に脚の傷を麻酔なしの激痛に耐えながら応急処置してもらうのですが、再びサメの襲撃に遭って漁師はサメの餌食に。ジェイリンは丸船の中にあったスクリュー付きエンジンを使ってサメを迎え撃ちます。

最終的に何だかんだあってサメの口に錨が詰まって死ぬのですが、どうも既視感があります・・・。

ろくな武器もない場所でボロボロになった女性、迫りくるサメ、それに噛み跡を縫合するシーンや口に物を突っ込まれて死ぬサメ・・・。完全に『ロスト・バケーション』を意識していることが分かります。

しかし、女優はブレイク・ライブリーほど美人ではないし、サメのビジュアルも途中から雑になるし、物語にヒューマンドラマが綺麗に組み込まれていないし、全体的に劣化コピー感がすごいです。

水中出産のトラウマで水に血が流れるのすら耐えられない状態だったジェイリンが、なぜ噛まれて流血しながらも果敢にサメに立ち向かえるようになったのか・・・。心情変化が上手く描かれておらず、「そもそもトラウマのくだりは必要だったのか?」とすら思います。

総括すれば、海のど真ん中に取り残されるカップルの絶望を描いた『オープン・ウォーター』と、悲痛な過去を抱えた女性がサメに立ち向かう『ロスト・バケーション』という、二種類の高級食材を使って酷い調理をしたような作品です。

正直、本作を見る暇があるなら、『オープン・ウォーター』と『ロスト・バケーション』を個別に視聴した方がいい気がします。

その他見どころや豆知識

  • 本作の原題『The Requin』は、フランス語でサメを意味します。この単語だけでホホジロザメを指すこともあるようです。
  • コテージを破壊するほどの嵐なのに「心配なら部屋変えますか」で済ませるホテル。海外ならあり得そうで怖い。

サメに関する解説

サメの造形

最初の襲撃シーンの出来栄えはまずまずでした。

ドキュメンタリー作品から借りたと思しきホホジロザメの映像でしたが、違和感なく作中に馴染んでおり、このシーンだけ見ればB級映画と称すのをためらうクオリティです。

しかし、その後に登場するCGのサメたちは、まるでアサイラム作品を見ているかのようにショボい見た目でした。

特に、砂浜でジェイリンに噛みつくサメがひどいです。ホホジロザメという設定のはずなのに、アップで映る目が明らかにメジロザメ系で、吻先がやけに傷だらけになっていたりと、よく分からない見た目をしていました。

サメの行動

サメの出番が少なかったので、あまり言うことはありません。

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