ネコは最悪の外来種?野良猫や猫の放し飼いを絶対に放置してはいけない理由とは?【外来種ネコ問題①】

おはヨシキリザメ!サメ社会学者Rickyです!

突然ですが、皆さんはネコは好きでしょうか?

恐らく大多数の方が好きだと思います。特別ネコが大好きではなくても、可愛いと思っている人は多いはずです。

僕もネコは好きですし、ネコが好きなことは全く問題ではないです。

しかし、そんな可愛いネコちゃんがブラックバスやカミツキガメなどと同じ、あるいは彼らよりも厄介な侵略的外来種であることはご存知でしょうか?

ほとんどの人が屋外でくつろぐネコを日常風景の一つに感じていて、未だにネコを放し飼いにする人も多いですが、実はネコは絶対に外に放ってはいけない存在なんです。

そして僕は、屋外で野放しになっているネコをゼロにし、全ての飼い猫は例外なく完全室内飼育されるべきだと考えています。

納得できない方もいると思いますが、この記事を最後まで読めば以下のことが分かるはずです。

  • 何故ネコが外来種なのか?
  • ネコが外来種としてどのような悪影響を及ぼすのか?
  • 放し飼いや野良猫を擁護する意見の何が問題なのか?

それでは、「外来種ネコ問題」とでも呼ぶべきテーマについて深堀していきましょう。

目次

解説動画:【外来種ネコ問題①~③】

このブログの内容は以下の動画でも解説しています!

※3本の動画に分かれたプレイリストです。

※動画公開日は2020年12月16~20日です。

何故ネコが外来種なのか?

議論の前提として、ネコが外来種であると言える理由を解説します。

以前にも紹介しましたが、外来種の定義は「移入時期や国内外に関係なく、人間の手によって本来の生息地とは別の場所に移動された生物」です。

そして、僕たちが普段「ネコ」と呼んでいるのは、厳密にはイエネコ(Felis catus)という動物で、リビアヤマネコ(Felis lybica)を品種改良を通して人工的に作り出した家畜です。

つまり、イエネコは”本来の生息地”を持っていないため、必然的に全てのイエネコは外来種ということになります。

どんなに可愛くて昔からいる存在でもネコは外来種です。

ちなみに、イエネコは生息環境によって以下のように呼び方が異なることもあります。

  • 飼い猫:ペットとして飼育されているネコ
  • ノネコ:山や森の中で野生化したネコ
  • 野良猫:都市などで人間と関わりつつ屋外で生きている

これにより「ノネコは外来種だけど我が家のネコちゃんは違う」などと言う人がたまにいますが、生物学的には全て同一種の家畜であり、例外なく外来種です。

補足:日本にいる在来種のネコ

日本にはツシマヤマネコやイリオモテヤマネコが生息していますが、彼らは生物学的にイエネコとは全くの別種とされており、人為的に移入されてもいないため在来種です。この記事ではシンプルな表記やSEOを意識して「ネコ」という言葉を主に使いますが、基本的にイエネコ(Felis catus)だけを指していると思ってください

ネコは侵略的外来種

外来種のうち、生態系や人間社会に重大な影響を及ぼすものを侵略的外来種と呼びます。

こちらも以前の記事で紹介しましたが、侵略的外来種が起こす問題をまとめると以下のようになります。

侵略的外来種の影響まとめ
  • 捕食:外来種が在来種を食べてしまう
  • 競合:外来種が間接的な要因(獲物や生息場所奪い合い、感染症etc)で在来種に悪影響をもたらす
  • 遺伝子攪乱:外来種が近縁の在来種と交雑してしまう
  • 人的被害:外来種が人間を襲ったり病気を媒介する
  • 産業被害:外来種が畑や養殖場を荒らしたり家屋などを破壊する

在来種を食べまくるブラックバスやウシガエル、人間に危害を加えるカミツキガメやヒアリなどは有名ですが、実はネコは今あげた全ての問題を引き起こします。

僕たちが「可愛いネコちゃん」と呼んで親しんでいるイエネコたちは、在来種を捕食し、競合し、交雑までして、さらに人間にも被害をもたらす非常に厄介な外来種なんです。

ただし、ここで問題にするのは、野良猫、ノネコ、そして放し飼いにされている飼い猫だけです。僕はこれらをまとめて「野放しネコ」と呼びます。

外来種としてノネコの管理区分

これからネコが外来種として引き起こす問題を解説していきますが、これらは全て野放しネコによって引き起こされるものです。

したがって、「ネコという存在自体が悪だ」とか「飼い猫も含めて全てのネコを処分すべき」などと言うつもりは一切ありません。

侵略的外来種ネコが引き起こす問題

では、ネコが起こす被害をもう少し具体的に見ていきましょう。

生態系への影響:捕食

ネコは捕食者として優れた能力をもったハンターであり、小型哺乳類や鳥類、爬虫類、昆虫など幅広い生物を襲います。

さらに、捕食とは別にいわゆる”遊び”でハンティングを行うこともあり、家や道端で餌付けをされていたとしても、野放しにすれば数多くの動物を殺してしまいます。

2013年に米国の研究者が国内のネコによる動物の年間死亡数を推定したところ、以下のような結果が得られました。

  • 鳥類:年間約1.3億~40億羽
  • 哺乳類:年間約6.3億~223億頭
  • 両生類:年間約9500~3億匹
  • 爬虫類:年間約2.6~8.2億匹

飼い主のいる・いないに関わらず、野放しネコがこれだけの数の動物を毎年殺しているんです。

ネコの捕食被害が特に深刻になるのは、ネコが来るまでは捕食性の哺乳類のいなかった島などの閉鎖的環境です。

日本で言えば、小笠原諸島でカツオドリやオナガミズナギドリなどが捕食されていることが確認され、奄美大島ではアマミノクロウサギをはじめとする希少種がネコの被害を受けています。

アマミノクロウサギ
アマミノクロウサギ

海外では、ネコが持ち込まれたことにより、その島固有の鳥類が激減、あるいは絶滅してしまった事例もあります。

生態系への影響:競合

ネコの捕食自体も重大ですが、ネコが食べてしまう小動物は他の在来種の獲物でもありますから、増えすぎたネコが在来の捕食者(タヌキ、キツネ、猛禽類など)と限られた資源を奪い合うことになります。

さらに、イエネコを経由してネコ免疫不全症候群ウイルス(FIV)やネコ白血病ウイルス(FLeV)が在来種のネコに感染してしまう危険性があります。

実際にこうした病気が、絶滅危惧種であり日本の固有種であるツシマヤマネコに感染してしまった事例が確認されています。

ツシマヤマネコ。何度でも言いますが、イエネコとは完全な別種です。

生態系への影響:遺伝子攪乱

イエネコはリビアヤマネコを品種改良して作った雑種であるため、近縁種であるヨーロッパヤマネコの仲間と交雑することが可能です。

実際、スイスに生息する在来のヤマネコとイエネコの交雑が進行しており、「2000~300年間という短期間のうちに不可逆的な遺伝子置換が起きてしまう」と専門家は指摘しています(進化の歴史で言えば200~300年は一瞬以下です)。

在来種のネコたちの遺伝子プールに、家畜であるイエネコの遺伝子と混じってしまえば、その地域固有の遺伝子多様性が失われてしまいます。

交雑が進んだ後もネコの姿をした動物はその地に残るでしょうが、遺伝子多様性の観点から言えば、在来種が絶滅したことになります。

人間社会への影響:人的被害

ネコは人間にも感染する病気、人獣共通感染症を媒介します。

ネコはトキソプラズマ症という病気を引き起こす寄生虫を腸内に持っている、この寄生虫がネコの糞を通じて広まります。

このトキソプラズマに人が感染すると、免疫機能の低下、胎児の流産や形態異常、統合失調症などの症状を引き起こす危険性があります。

さらに恐ろしいのが狂犬病です。

狂「犬」病と日本語で呼ぶのでイヌだけの病気のように思われがちですが、狂犬病は人を含む全ての哺乳類が感染します。

実際に、海外ではネコに噛まれたことで狂犬病に感染して死亡するという事故が複数報告されています。

幸い日本は狂犬病清浄国ですが、狂犬病の予防接種が義務付けられているのはイヌだけです(2022年4月12日現在)。

また、歪んだ愛護精神や反ワクチンという愚昧かつ危険な思想にとりつかれたカルト集団が、義務であるはずの予防接種を怠るケースもあり、対策が万全とは言えません。

万が一日本に狂犬病が持ち込まれてしまった時、予防接種がされておらず、しかも人々が全く警戒していない野放しネコは、きわめて厄介な狂犬病の媒介者になり得ます。

人間社会への影響:産業被害

野放しにされたネコは敷地内で糞尿をする、植木や車を傷つけるなどの被害を起こします。

病気の媒介に比べれば被害は小さいですし、動物が糞尿をしたり鳴き声を上げること自体は自然な現象ですが、そもそもネコは本来そこにいるべき野生動物ではないので許容する理由はありません。

また、その野放しネコが飼いネコであれば、他人に迷惑をかけている飼い主は管理者として責任を追及されるべきです。

侵略性を深刻化させる繁殖力

これまで紹介した被害にくわえて重大なのが、ネコの驚異的な繁殖力です。

ネコは交尾が刺激となって排卵する交尾排卵を行うため、オスとメスが交尾すればかなりの確立で妊娠します。

たった2カ月の妊娠期間で平均5匹の子供を産み、その子供も4~6カ月たてば繁殖可能になります。周個体数が少ない場所でも、近親交配をすることで短期間で増殖します。

たとえわずかな数でも、島などの閉鎖的な環境にネコが持ち込まれれば、その生態系の保全は絶望的です。

侵略的外来種ワースト100

生態系への悪影響が甚大で、人間社会にも危険をもたらすネコは、世界の侵略的外来種ワースト100にも選ばれています。

日本の侵略的外来種ワースト100に載っているのは「ノネコ」ですが、生物学的にはイエネコ(Felis catus)であり、飼い猫や野良猫と同一種です。ノネコだけが問題なわけではありません。

「外来種」と聞くと、アリゲーターガーやカミツキガメなどいかにも外国から来たような大きくて危険な生物の印象が強いでしょう。

しかし、ネコはそうした動物たちに並ぶ、あるいはそれ以上の侵略的外来種です。

何度でも言いますが、絶対にネコを野放しにしてはいけません。

全ての飼い猫は完全室内飼育をされるべきですし、屋外に暮らすノネコ・野良猫は早急に保護または処分が必要です。

ただ、ここまで説明しても納得できない人は多いため、次回の記事ではよくある反論に僕なりの回答を提示しようと思います。

参考文献

※本記事は2022年3月までにWebサイト『The World of Sharks』に掲載された記事を加筆修正したものです。

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