『ジョーズ’96 虐殺篇』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

邦題ジョーズ’96 虐殺篇
原題Cruel Jaws / Jaws 5 / Jaws 5: Cruel Jaws / The Beast
公開年1995年
監督ウィリアム・シュナイダー
出演デイビット・ルーザー / ジョージ・バーンズJr / スコット・シルバーア
制作国イタリア
ランクB級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。)
ストーリー★★☆☆☆
演出や絵作り☆☆☆☆☆
サメの造形☆☆☆☆☆

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目次

あらすじ

小さな海沿いの街ハンプトン・ベイで、何者かに襲われたと思しきダイバーの死体が打ち上がる。

海洋生物学者ビリーは凶暴なイタチザメの仕業と判断し、地元水族館の経営者ダグや保安官フランシスと共にビーチの閉鎖を訴える。

しかし、市政にまで影響力を持つ権力者ルイスは耳を貸さず、予定していたレガッタ大会はそのまま開催されることに。

案の定サメが再びを人を襲い始め、レガッタ大会も阿鼻叫喚の大惨事になってしまう。

恋人ヴェネッサをサメに襲われたビリーの怒りの説得により、ルイスは人喰いザメに懸賞金をかけるが・・・。

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

オリジナリティほぼゼロのマカロニ・サメ映画

邦題だけでなく原題にも珍しく「ジョーズ」の名が入っており、『ジョーズ5』などと呼ばれることもありますが、本家『ジョーズ』シリーズとは全く関係のないイタリア産サメ映画です。

なお、作中ではサメが終始「Tiger shark(イタチザメ)」と呼ばれており、本レビューの「あらすじ」でもそれに倣い「イタチザメ」と表記しましたが、イタチザメは一切登場しません。

ホホジロザメおよびそれをモデルにしたロボットの映像が使われています。

身も蓋もない言い方をすれば、『ジョーズ』のテンプレに他のパクリ映画のエッセンスを突っ込んだ粗悪品です。

ストーリーは呆れるほど『ジョーズ』に忠実で、

誰かがサメに襲われる→主人公がサメの仕業と推測→町の権力者が耳を貸さずイベント開催→犠牲者が出る→主人公がサメと闘いドカーン!

という流れで進行します。

そうした大まかな流れを真似するだけならサメ映画では日常茶飯事ですが、本作ではビリーがサメの生態について「泳ぐこと、食べること、子供をつくること、それだけです」と説明したりと、『ジョーズ』のセリフをほとんどそのまま使っている場面も見受けられます。

さらに細かい点で言えば、海に入ってイチャイチャしているヴェネッサ達を友人がからかう『ジョーズ3』のパクリ、サメに襲われてパニックになった女性が可燃物をまき散らしたせいでボートが爆発するという『ジョーズ2』のパクリも存在します。

こうしたパクリ要素満載のストーリーの中に、

  • サメがレガッタ(ヨット)大会を襲撃する。
  • 権力者の息子が友達を連れてサメ狩りに向かう。
  • ヘリコプターでサメを釣ろうとするバカが登場する。
  • 沈没船に爆弾を仕掛けてサメを倒す。

という、同じマカロニ・サメ映画の『ジョーズ・リターンズ』や『ディープ・ブラッド 復讐のシャーク』の要素が詰め込まれています。

後述する映像面の問題も考えると、もはや本作オリジナルと言える要素はほとんどありません。

強いてオリジナリティを挙げるとすれば、権力者ルイスがダグの水族館を閉鎖に追い込もうとしている一方タグの息子とルイスの娘が恋仲であるという人間ドラマや、映画では大胆にカットされた『ジョーズ』原作における権力者とマフィアの黒い繋がりが描かれていることです。

ただし、上記の話もルイスの長男やマフィアの手下がサメに喰われたことで知らぬ間に解決していたようで、ストーリー上は大した意味を持ちません。

そもそも本作には、検死の結果サメの仕業だと判明した次の瞬間にはビリーたちがルイスとビーチ閉鎖の件で怒鳴り合っていたり、ヴェネッサがビリーに愛想を尽かして浮気したと思ったらレガッタ大会ではすでに元の鞘に収まったように描かれていたりと、強引に進めているとしか思えない描写が多いです。

数あるパクリサメ映画の中でも全てにおいて手を抜いたクオリティであり、まだ『ジョーズ・リターンズ』の方がマシだと思えるレベルです。

他作品を流用・盗用しまくった最低最悪の駄作

本作最大の問題点は、ストーリーをパクっているだけでなく、他作品の映像を大量に流用および盗用していることです。

サメが登場するシーンおよび水中映像のほとんどが、先述の『ジョーズ・リターンズ』と『ディープ・ブラッド 復讐のシャーク』の映像または同作品内で使われた素材映像で構成されています。

数秒ほど同じカットが使われるというレベルの話ではなく、冒頭でダイバーが襲われるシーンは『ジョーズ・リターンズ』のピーターとロンが洞窟に潜るシーンがほぼそのまま使用され、レガッタ大会が襲われるシーンはほとんど同作のサーフィン大会とラストシーンの寄せ集めです。

一番の山場であるラストの闘いですら、『ディープ・ブラッド 復讐のシャーク』でミキ達が爆弾を仕掛けるシーンをほぼそのまま使い回しています。

他にも沿岸警備隊がサメを銃撃するシーン、犯人ではないサメが水揚げされるシーン、砂浜で犬が吠えているシーンなど、上記2作品から流用されている映像は数え切れません。

こうした事情のため、沈没した軍艦に潜ったはずのダイバーが何故か海底洞窟の中でサメに襲われ、夜に潜った設定なのに洞窟の外は明るいなど、訳の分からない描写が散見されます。

一応ダイバーのウェットスーツの色や起爆装置の見た目を合わせて整合性があるように見せていますが、上記二作を観た人間からすれば流用しているのはバレバレなので、なんだか舐められている気がしてきます。

もっとも上記の二作品はどちらもイタリア産なので、製作元が共通だから映像を流用したと考えればまだ納得できますが、本作は歴代『ジョーズ』シリーズの映像を盗用するという重罪を犯しています。

ジョーズ』からはクリシーが泳ぐ姿を見上げるカット、サメが背鰭を出して泳ぐシーン、サメが檻を破壊するシーンなど、『ジョーズ2』からは冒頭でダイバーが襲われるシーン、水上スキーヤーがサメに襲われ船が爆発するシーンなど、『ジョーズ3』からは水上パフォーマーが水中に落下するシーンや巨大ポンプの中でサメが暴れるシーンなど、まるで素材集の如く多数のシーンが無断使用されています。

ほとんどの盗用シーンは

  • ドアップにする
  • 画質や色調を変える
  • 一瞬だけ映す
  • 別々の場面や別々の作品の映像を繋ぎ合わせる

などの小細工で誤魔化しているのですが、『ジョーズ』のサメがオルカ号に飛び掛かる映像がそのまま使われていることもあり、完全にユニバーサル・ピクチャーズに喧嘩を売っています。

作中でイタチザメが1秒も映らないのに本作のサメがずっと「Tiger shark(イタチザメ)」と呼ばれていたのは、もはやこの盗用を誤魔化すための詭弁ではないかとすら思えてきます。

さらに、サメが泳ぐシーンの一部で完全に『ジョーズ』のテーマソングをパクった曲が流れたかと思えば、船が出航するシーンでは『スター・ウォーズ』のテーマ曲まで盗用しています。

一応ストーリーが成立しており、演技などの面はB級の範疇に留まっているので「B級」としましたが、本作は「F級(F**king garbage)」とでもランクをつけたくなるゴミクズでしかなく、昨今のZ級サメ映画とは違った意味で最低最悪の作品です。

どんな駄作でも受け入れてくれる心優しいサメ映画の歴史においても本作は恥ずべき汚点であり、今後このようなクソ映画が誕生しないことを心より願います。

その他見どころや豆知識

  • 監督名「ウィリアム・シュナイダー」をネット検索すると、2016年9月に日本人女性を殺害したカナダ人のニュースが真っ先に出てきますが、本作の監督とは無関係です(当の監督は事件より9年ほど前に逝去)。この監督はブルーノ・マッティやヴィンセント・ドーンなど複数の名義を使い分け、二番煎じの駄作を量産していました。
  • ビーチでカップルが襲われるシーンや水族館にルイスの息子ロミーの一味が侵入する場面で、昼間の映像を色調補正しただけの映像が夜の場面として使われています。別のシーンは普通に夜に撮影しているようなので「スケジュールを詰め込んだ結果夜の撮影時間が足りなくなった」か「夜は海の水温が低かったので断念した」などが理由かと思われます。

サメに関する解説

サメの造形

先述の通り、映像のほとんどが『ジョーズ・リターンズ』と『ディープ・ブラッド 復讐のシャーク』で使われた映像、そして『ジョーズ』フランチャイズから盗用された映像でした。

したがって、作中でビリーはサメの種類をイタチザメだと断定していましたが、映っているのはホホジロザメです。

上記の事情により、本作のサメの造形評価は星なし(すなわち最低レベル)とさせていただきました。

実際のイタチザメ
実際のホホジロザメ。

サメの行動

本作でほとんど唯一の評価ポイントは、サメが人を襲いまくる理由が用意されていたことです。

作中に登場するイタチザメ(ということになっているホホジロザメ)は、海軍の実験対象だった特殊なサメであり、敵を攻撃するように訓練を受けていたという設定が明らかになります。

「敵を攻撃するようサメを訓練することが可能なのか?」や「可能だとして何故ビーチを泳いでいるカップルやヨットを襲うのか?」というツッコミどころはありますが、サメが人間ばかりを襲うという不可解な現象に理由付けをしている点は一応評価に値します(実際のサメはそんなことしないので)。

ちなみに、軍事作戦に応用できるかは未知数ですが、ニシレモンザメやコモリザメなどのサメ類で、一定の動作をすればエサがもらえると学習させる実験の成功例があります。

また、水族館では健康チェックをしやすいようサメを訓練したり、ダイバーとサメが気の置けない仲であるかのように触れ合うパフォーマンスを披露することもあります。

サンシャイン水族館で撮影したダイバーに抱っこされるトラフザメの写真
ダイバーに抱っこされるトラフザメ

その他サメの解説

  • 水族館らしき施設でビリーがサメのスライドを次々に切り替えていくシーンについて、スライドに映っているサメのほとんどがシロワニだと思います。イタチザメ(Tiger shark)とシロワニ(Sandtiger shark)を混同して素材を集めてしまったのか、それともサメのビジュアルにこだわっていないので一番出回っているシロワニの写真を多用したのかは不明です。
  • ビリーはサメの弱点について「頭の上か背鰭の付け根あたり」と言っていますが、背鰭に付け根あたりに弱点と呼べるような特徴はありません。狙うなら呼吸の要で血管が集中しているエラ孔の方が有効だと思います。

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