『シン・ジョーズ 最強生物の誕生』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

2016年の『シン・ジョーズ』(原題:Atomic Shark)とは全く無関係の中国サメ映画です。サメ型の怪獣映画として観れば結構面白い良作です。

邦題シン・ジョーズ 最強生物の誕生
原題陸行鮫
公開年2020年
監督チェン・シユー
出演リクン・ルオ/シー・メイル/ヤン・ヨン
制作国中国
ランク準A級(世間的にはB級だが個人的にはお勧めしたい。)
ストーリー★★★☆☆
演出や絵作り★★★☆☆
ランク★★★☆☆

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目次

あらすじ

水深100mの深さに作られた製薬会社の研究施設「海王深海ステーション」。

研究者たちはこの施設で、サメを実験体にして癌の治療薬を開発していた。

しかし、実験途中にサメが大暴れしてしまい、研究所が破壊され浸水してしまう。

飼育係である宋の活躍もあり一部の職員は研究所を脱することに成功するが、遺伝子改造されたサメは陸上にも進出し、巨大化して街まで襲い始める・・・!

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

サメの形をした怪獣映画

冒頭で遊戯王カードにでも出てきそうなフォルムの巨大ザメが雄叫びを挙げながら飛び上がり、キャタピラでもついているかの思う動きで陸の上を進んでいく・・・。

このシーンだけでもう察しがつくと思いますが、これはサメ映画の名を語った怪獣映画です。

「遺伝子改造でミミズの遺伝子と融合した」という設定ですが、サメの姿のまま地上を這うように高速で移動する、弾丸も効かない鎧のボディ、急速に成長して船よりもデカくなるなど、「遺伝子融合」と言えば何やってもいいと言わんばかりの無茶苦茶なサメが出てきます。

DVDのジャケットには「超大型海洋パニックアクション襲来!」と書いてありますが、海洋パートは全体の3分の1ほどです。ほとんど地中や地上で暴れます。

しかし、「そういう設定のモンスター映画」として観ればかなり面白いです。

CGが粗いのは玉にキズですが、米国のB級サメ映画のようにストーリーや演技まで雑なわけではなく、”バカげた設定の下にちゃんと作られた映画”と言っていいと思います。

また、全体的に登場する女優さんが美人だったのもプラスポイントです。メインヒロインの叶博士はもちろん、前半で喰われるモブキャラの女性研究員たちもなかなかハイレベルなルックスでした(まあ、僕の個人的な好みの問題かもしれませんが・・・)。

圧倒的なテンポの良さ

本作の魅力はその圧倒的なテンポの良さです。

「遺伝子改造をした特殊なサメを飼育して研究しています」という設定だけ説明して主要なキャラクターを登場させたのち、開始12分で不穏なアラームが鳴ってサメが暴れだし、10分前後の脱出劇が終わって間もなく陸上での第二幕がスタートします。

必要最低限の会話だけで物語が進行し、B級・Z級サメ映画にありがちな無駄な水着シーンや本筋と無関係な捕食シーンもないため、短時間でサクッと人が喰われるのを観たい方にはかなりおススメです。

その分登場人物の説明がほとんどされないのですが、おデブなブーをはじめ全体的にキャラクター性が際立っている(というより、そうではないモブキャラはすぐに喰われる)ため、「誰が誰だか・・・」のようなモヤモヤは抱えずに楽しむことができます。

ただ、そうした分かりやすいキャラクター設定のため、モンパニ映画慣れしている人には誰が喰われて誰が生き残るのか容易に予想できます。そして、その予想をあまり裏切ることなく順調に物語は進んでいきます。

ラストの「実は子供が生き残っていた・・」も、モンパニ映画では使い古された”あるあるネタ”です。

ディープ・ブルー』のパクリ要素が多い作品ですが、あの映画で描かれたようなどんでん返しを期待していると興ざめするかもしれません。

あくまで”お約束を楽しむ”娯楽映画として鑑賞しましょう。

あふれ出るオマージュという名のパクリ

後の中国サメ映画にも同じことが言えますが、本作には『ディープ・ブルー』、『MEG ザ・モンスター』をはじめとする他作品を彷彿とさせる設定や場面が多数存在します。

【ディープ・ブルー要素】

  • 少し気難しいが頼りになるサメの飼育員と美人の研究者が働く海中研究所
  • 壁に大きな窓、真ん中にウェット・エントリーがあるラボ
  • 遺伝子改造によって特殊な能力を持ったサメが窓を破って浸水

【MEG ザ・モンスター要素】

  • 研究者の娘が施設内をウロウロする
  • 大きな窓の奥からゆっくりと顔を見せる巨大ザメ
  • 血祭りにあげられる漁船
  • 突然サメが20m近くもデカくなる

他にも、室内でサメに襲われる描写は『パニック・マーケット』を意識しているように見えますし、地面に後をつけながら地中を進む様子は「地上版ジョーズ」とでも呼ぶべき名作モンスター映画『トレマーズ』を思い出させます。

パクられている映画自体が良作なので全体的なクオリティは高いのですが、モンスターパニック映画が好きな方はすごい既視感を覚えながら観ることになるでしょう。

その他見どころや豆知識

  • 冒頭の研究所シーンで日本語を話す人の話し方が下手くそすぎる。
  • 機械に何かを注射されるサメが完全に水中で静止していますが、サメはあんな風に中世浮力を保てません。本来ならそのまま沈みます。
  • 銃が効かない設定のわりに麻酔銃はすぐ刺さる都合のいいボディ・・・。
  • ハゲ眼鏡と社長の清々しいほどのクズっぷり。中国サメ映画はこういうクズが一人は登場しがちです。

サメに関する解説

サメの造形

全身から棘の生えた岩石のようなボディ、二又に分かれた背ビレ、真っ赤な目、『ブレイド2』のリーパーズを彷彿とさせる左右に割れた下顎・・・。

「ミミズの遺伝子を混ぜてもこうはならないだろう」と言いたくなる完全な化け物です。

尖った吻、がっしりした体、小さな第二背鰭や臀鰭、発達した尾鰭下葉などから判断してモデルはホホジロザメなんでしょうが、面影をほとんど失っています(歯の形も全然違います)。

ただ、歯が二列並んでいたり、よく見ると体の側面にエラ孔があるなど、最低限のサメの特徴は保持していました。

サメの行動

途中で数えるのをやめたくなるほどの人数を短期間のうちに食い漁り、もともと3~4m前後だったのに突然20m近くまで巨大化するのを「代謝が上がった」だけで済まされてしまうので、本作のサメについてはあらゆるマジレスが無に帰する気がしますが、地上を歩く件にだけ触れておこうと思います。

実は陸上を歩くように移動するサメ自体は実在します。

マモンツキテンジクザメという全長1m以下の小さなサメは、胸ビレと腹ビレの筋肉や骨格が特殊な構造をしており、這うように動きをすることができます。

これにより、狭い岩の間に隠れたりするのはもちろん、潮だまりから一時的に陸上に上がって他の水辺に移動することすら可能です。

本作のサメのように陸上で体を支えて猛スピードで動くことは無理ですが、歩くサメ自体は実在することは覚えておいて損はないと思います(得があるかも分かりませんが)。

腹びれだけで体を支えて独特のポーズをするマモンツキテンジクザメ。

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