【BGサメ映画レビュー】ジョーズ’87 復讐篇

サメがブロディ家に復讐しにくるというトンデモ設定かつ低クオリティにより、『ジョーズ』に泥を塗ったと酷評された迷作です。

邦題ジョーズ’87 復讐篇 / ジョーズ4 復讐編
原題Jaws: The Revenge
公開年1987年
監督ジョセフ・サージェント
出演ロレイン・ゲイリー/マイケル・ケイン/ランス・ゲスト
制作国アメリカ
ランクB級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品)
目次

あらすじ

かつてサメとの死闘を繰り広げたマーティン・ブロディの死後、妻エレンはショーンとともにアミティ島で暮らしていた。

しかし、父と同じように警察官になったショーンは突現現れたサメに喰い殺されてしまう。

「サメが復讐にやってきた」と取り乱すエレンの心の傷を癒すべく、もう一人の息子マイクは自身が研究活動を行うバハマに母を招待する。

しかし、そんなブロディ一家の前に再びサメが姿を現し、執拗にマイクたちに襲い掛かる。

果たしてマイクとエレンはサメとの因縁に決着をつけることができるのか・・・!?

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

サメがストーカー化するという謎設定

本作最大のツッコミどころは、「サメがブロディ家に復讐しにやってくる」というトンデモ設定でしょう。

そもそもホホジロザメが人間ばかり狙って襲うという『ジョーズ』の設定もトンデモと言えばトンデモなのですが、特定の人間やその血筋だけを狙って現れるというのはもはやホラーやSFの領域です。

実際、マイクの前にサメが現れた時にエレンが虫の知らせならぬ”サメの知らせ”を察知したり、撒き餌もまかずに当てもなくヨットでさまようエレンの前にサメが都合よくやってくるなど、ジョーズシリーズらしからぬ無茶な場面が見受けられます。

さらに、「マーティンが心臓発作で死んだのはサメによる恐怖のせいだ」とエレンが決めつける場面は支離滅裂で、もはや違う意味で彼女が哀れに思えてきます。

しかも、どうせそこまでやるなら振り切ってサメを復讐鬼として描いてほしかったのですが、結局サメは本当に復讐でブロディ家ばかり狙っていたのか、それともエレンの被害妄想だったのか、そもそもショーンを殺したサメとマイクたちを襲ったサメが同一個体だったのか、ハッキリと分からないまま終わってしまいます。

サメに喋らせるわけにもいかないので仕方ないのかもしれませんが、『ディープ・ブルー』のように知能が高くなった設定でもないサメが復讐にやってくるという設定は、色々と無理があったと言わざるを得ません。

強いてフォローするとしたら、エレン役が一作目と同じロレイン・ゲイリーであり、作中に回想シーンのように一作目のカットが挿入されるため、前作『ジョーズ3』よりも正統な続編っぽさは出ていました。

グダグダするけどサメのシーンは良質

設定がトンデモでも映画自体がスリリングでテンポよく展開されるなら楽しめるのですが、本作は本筋に関係ない場面が多く挿入されてダレるのが難点です。

特に中盤はおばあちゃんになりつつあるエレン・ブロディの恋模様や、それを心配するマイクが妻のカーラとイチャイチャしたり、ブロディ家がジェイクの家族と交流したりなど、「俺は一体何を見せられているんだ?」という気持ちになります。

ただ、全てがダメというわけではなく、サメが登場するシーンは結構よくできており、制作陣なりに注力したことが伺えます。

冒頭でショーンが襲われるシーンは、無機質なブイの音と暗い海による不気味さ、サメに片腕を噛みちぎられる壮絶さ、それぞれが非常によく描かれています。痛々しく絶望的で状況に不釣り合いな聖歌隊の場面が挿入されるのも「誰も助けに来ない」という暗示に思え、個人的には良い演出だと感じました。

他にも、水中でマイクがサメに追いかけられるシーンはハラハラさせられるスリリングなシーンに、バナナボート襲撃はシアがトラウマを植え付けられるような衝撃的で血なまぐさいシーンにそれぞれ仕上がっています。

どちらもサメの動きがぎこちないのが玉にキズですが、演出や音楽などを総合して評価すると良いシーンと言えるでしょう。

意味不明な爆破シーンともう一つのエンディング

本作『ジョーズ’87 復讐篇』はラストシーンが意味不明なことでも有名です。

ジェイクが突然の閃きで作り出した電撃装置(この時点ですでに無理がある気がしますが)によってサメが苦しみだし、水面から体の3分の2ほども飛び出したサメ。そこに舳先から突き出たポールが突き刺さった瞬間サメが大爆発し、船も不自然なほどボロボロになって沈没するという、訳の分からないラストを迎えます。

ここまで読んで「自分が見たのと違う」と思った方もいるかもしれませんが、実は本作のエンディングは2種類存在します。

元々このシーンは、ポールが突き刺さったサメが血を流しながら苦しみ、暴れる過程で船が引き裂かれるように壊れ、サメは失血死しながら船とともに沈んでいくという、もう少し現実的な描写になっていました。

また、サメが爆発するバージョンではジェイクが血まみれになりながらも生還していますが、爆発しないバージョンではこの場面はなく、ジェイクはそのまま死亡したことになっています(空港でエレンが「ジェイクの面倒を見てあげて」と言うシーンも別のセリフになっており、彼が助かっていないことが伺えます)。

この本来のバージョンが先に説明した謎の爆発シーンに差し替えられたのですが、劇場公開は失血ver、DVDは爆発verなどごちゃ混ぜでリリースされているようです(日本ではほとんどが爆発verですが、たまに失血verがテレビ放送されることもあるとか・・・)。

その他見どころや豆知識

  • ビーチに流れ着いた杭をよく見ると、サメの歯らしき白い三角形の物体が刺さっています。
  • サメから逃げるマイクがタンクの圧縮空気を開放して急上昇するシーンがありますが、潜水病になる危険性が高いので良い子は絶対に真似してはいけません。
  • エレンが「Come and get me, son of a bitch」とサメに吐き捨てるシーン、恐らく一作目の決め台詞「Smile you, son of a bitch!」を意識していると思われます。
  • 本作でマイクの娘シアを演じた子役のジュディス・バーシは、本作出演から約1年後に父親によって殺害されてしまいます。彼女の葬儀にはマイク役であるランス・ゲストも出席したそうです。

サメに関する解説

サメの造形

一作目の『ジョーズ』から10年以上経っているので技術の進歩があったはずですが、本作のサメはどこか不健康な印象がある不格好な見た目で、動きもぎこちない残念なクオリティでした。

一作目のサメ(通称ブルース)の動きもだいぶぎこちないものでしたが、スピルバーグの手腕もあって上手く誤魔化されていました。

しかし、本作はサメのギクシャクした動きが惜しげもなく披露されてしまい、非常に陳腐な見た目になってしまっています。

サメの行動

本作のトンデモ設定である「サメがブロディ家を追ってくる」という設定ですが、実は移動距離だけで考えるとそこまで非現実的ではありません。

ホホジロザメは地球規模の回遊をすることが確認されており、インド洋を横断した記録もあります。

また、マイクたちは「バハマはホホジロザメにとって暑すぎる」や「バハマに来ない」と話していますが、近年行われているタグ付け調査ではバハマ近海に来ることも分かっています(浅瀬や表層に現れるかは不明・・・)。

さすがに特定の人間を追ってくることはないですが、バハマからそう遠くないメキシコ湾で生息が確認されていることからも、ホホジロザメがバハマに現れること自体は何もおかしくないと言えるでしょう。

そんなことより問題なのはラストシーンにおけるサメの雄叫びです。

電気ショックを受けたサメが激昂したゴジラか拷問を受けているドンキーコングのような雄叫びを挙げるシーンがありますが、現実のサメは吠えません。

獲物が出す低周波の音に敏感なことは知られていますが、音によるコミュニケーション能力はどこの誰も確認しておらず、演出として明らかに悪手であり間が抜けていると言えます。

その他サメの解説や気になるところ

  • 初めてマイクの前に姿を現すとき、木製の足場を嚙み砕いただけなのに何故かサメの口から血が出てきます。口の中切っちゃったのかな笑
  • 沈没船の狭い廊下でマイクを追い詰めたサメがその後船の外から壁を破って登場しますが、サメは後ろ向きには泳げません。一体どうやってUターンしたんでしょう・・・。

本作のシリーズ作品

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参考文献

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