『ジョーズ・リターン』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

似た邦題の『ジョーズ・リターンズ』というサメ映画とは全く別物です。クオリティはコチラの方が低く、パリピ成分多めです。

邦題 ジョーズ・リターン
原題Jersey Shore Shark Attack
公開年2012年
監督ジョン・シェップハード
出演ジェレミー・ルーク/メリッサ・スミス/ジャック・スカリア
制作国アメリカ
ランクB級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。)
ストーリー★★☆☆☆
演出や絵作り★★☆☆☆
サメの造形★☆☆☆☆

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目次

あらすじ

舞台はニュージャージーの港町。保安官の息子であるジーノ(TC)は、ガールフレンドとギクシャクしたり金持ちの大学生グループと衝突しながらも、悪友のパウリーやドニーと共に楽しい日々を送っていた。

しかし、ある日に起こした騒ぎの途中で友人の一人が行方不明になり、さらに岸辺で無残な姿になった男性の遺体と人喰いザメの群れを見つけてしまう。

ジーノたちは父親や地元住人に警告しようとするが、誰も聞き入れようとしない。

7月4日の海開きが近づく中、ジーノたちは人喰いザメからビーチを守ることができるのか・・・?

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

中身のないパリピなサメ映画

『ジャージー・ショア ~マカロニ野郎のニュージャージー・ライフ~』という米国で大人気だったリアリティショーをモチーフにしたサメ映画です。

サメが主軸のパニック映画というより、サメが添え物として出てくるパリピのコメディ映画と言った方が適切な気がします。

一応サメは出てきますし、主人公ジーノたちがサメに立ち向かう展開はあるものの、それまではモブキャラの死亡シーンが定期的に挿入されるだけ。筋肉を見せつけてビキニギャルに水鉄砲をかけるというパリピ特有の儀式に始まり、色黒ギャルの彼女に浮気を疑われる、ボンボンでイキリな白人大学生と揉めるなど、サメと関係ないシーンの方が多いです。

ホラー映画では喰われることがお決まりのマッチョパリピを主人公に置くこと自体は斬新ですし、アホではあるものの情に厚く根は真面目なジーノのキャラには好感を覚えますが、それだけではカバーできないグダグダ感があふれ出ています。

また、サメが登場するシーンでも、武器として持っていくのが花火や爆竹だったり、プロテインバーを投げてサメを誘き寄せようとしたりと、完全にふざけています。

犠牲者が何度も身長や名前のことでネタにされるという謎なギャグや、あまりにもショボいサメのCGも相まって、全く恐怖感がありません。

肝心のサメ退治シーンも、第一背ビレだけ出して泳ぎ回っているサメたちにパリピが銃を乱射するだけで見応えに欠けます。

本作を視聴する際は「ジョーズ要素のある青春コメディ映画」くらいの期待感でいることをオススメします。

『ジョーズ』やそのモデルがテーマ?

以上の通りふざけたサメ映画ではあるものの、本作には初代『ジョーズ』や、そのモデルになったとされる実際のシャークアタック「ニュージャージー州サメ襲撃事件」の要素が盛り込まれています。

そもそも物語の展開が「主人公がサメのことを警告するが誰も聞き入れず犠牲者が出る」というジョーズテンプレですし、一尾のサメが捕まることで事態が収束したと思い込む人々、経済的利益を優先してサメの犠牲者を増やす権力者など、お決まりの展開が用意されています。

また、成金大学生であるブラッドフォード達が「7月4日はヨットで入り江に行こう」と話している場面は、完全に『ジョーズ』が元ネタです(7月4日の海開きで、入り江に入ったサメがヨットを襲うシーンがあります)。

また、バーのおっちゃんであるキャプテン・サリーが話すシャークアタックの事例も、年代や細部が異なるものの「ニュージャージー州サメ襲撃事件」をモデルにしていることが分かります(実際に当時海岸で犬と遊んでいた男性がサメに襲われています)。

先述の通り万人に勧められる映画ではありませんが、サメ映画やシャークアタックに詳しい方なら、こうした要素を楽しみながら観られるかもしれません。

その他見どころや豆知識

  • 「ワニ狩りの英国人を殺したアカエイ」というネタは、実際にアカエイの毒針に刺されて死亡した環境保護活動家スティーブ・アーウィン氏のことを指しています。アカエイの毒自体は必ずしも致死的ではありませんが、胸を刺されたアーウィン氏は帰らぬ人になりました。
  • 警察署から銃を大量に持ち出すパリピと、そんな息子たちにサメ退治を任せる保安官。全員倫理観がおかしい。
  • 体当たりだけでクルーザーに穴をあけ、橋を破壊するパワーと持ちながら、木片で目を刺されただけで死亡するサメ。
  • ジーノがサメを撃つ直前のセリフ「Smile you stupid fish」は『ジョーズ』の決め台詞「Smile you son of a bitch」のオマージュです。
  • ドリルを止めたことで帰っていくサメたち。銃で撃ちまくるより前に最初からそうすれば良かったのでは?

サメに関する解説

サメの造形

非常にショボくてカッコ悪いサメでした。CGの出来栄えは『シャークネード』などに劣るレベルで、B級サメ映画の中でも類を見ない低クオリティです。

本作のサメはアルビノのオオメジロザメという設定ですが、何かに潰されたような平べったい体つきをしており、眼もやけに大きく、全くオオメジロザメに見えません。グレーな体色も相まって、サメ型のエイリアンと言われた方がまだ納得できます。

ついでに言えば、何故アルビノという設定にする必要があったのか謎です。

強いてフォローするなら、ごく一部のシーンで使われている模型のサメはそこまで悪くありませんでした。

顔に謎の隆起線が入っているのが気になりますし、顔つきはやはりオオメジロザメに見えないもの、それなりにリアリティがあって怖い印象のサメでした。この見た目のサメが人を襲う映画であれば、もう少しマシになっていたかもしれません。

サメの行動

本作のサメは工事現場のドリルの音によって引き寄せられたという設定ですが、工事の振動でサメが寄って来ることはないと思います。

確かにサメは音に非常に敏感ではあるものの、弱った魚が出すような低周波の振動音を好みます。掘削作業で出る騒音に引き寄せられるとは考えにくいです。

むしろ、水中騒音が大きすぎれば、サメを含む周辺の生物に悪影響が出てしまうことが懸念されます。

その他サメの解説

後半で突然現れた海洋生物学者と名乗る男が、捕まったサメを指して「カルカリヌス・ローカス・アルバス」という学名を述べますが、もちろん架空のサメです。

「カルカリヌス・ローカス(Carcharhinus leucas)」はオオメジロザメの学名で、それに続けてもうひと単語つけるとオオメジロザメの亜種を指す名前になりますが、作中で言及されたようなサメは存在しません。

また、「深海に生息する珍しい種」と紹介されていますが、オオメジロザメは浅瀬や河口域などに生息するサメですし、そもそもアルビノの体色は深海では目立ってしまうので生き残れないと思います(実際に深海を主な生息域とするサメは黒や茶色系統のものが多いです)。

なお、学者の男はサメの口に手を突っ込んで胃の中のマイクを取り出していますが、良い子の皆さんがサメの胃内容物を調べる際は、ちゃんと解剖するようにしましょう。

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