トンデモなB級サメ映画が売りのはずのアサイラムが、背伸びして本格サメ映画の真似をした感じです。
邦題 | ホワイトシャーク 海底の白い死神 |
原題 | Shark Season |
公開年 | 2020年 |
監督 | ジャレッド・コーン |
出演 | マイケル・マドセン /ペイジ・マクガーヴィン /ジュリアーナ・デステファーノ |
制作国 | アメリカ |
ランク | B級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。) |
ストーリー | ★★☆☆☆ |
演出や絵作り | ★★☆☆☆ |
サメの造形 | ★★☆☆☆ |
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あらすじ
絵描きだった母を失ったサラは、辛い思い出を忘れるために絵を描くことを止め、カメラマンである元カレのジェイソンと共にモデルとして活動していた。
ある日、「干潮の時にしか顔を出さない岩礁で撮影しよう」というジェイソンの提案で、サラたちはメイク担当のメーガンと共にカヤックで海に出る。
しかし、岩礁での撮影中にホホジロザメが現れ、ジェイソンがサメの餌食になってしまう。
取り残されたサラたちはサラの父親に電話で助けを求めるが、携帯のバッテリーは残り僅かで、岩礁は今にも海中に沈もうとしていた・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
アサイラムらしからぬシリアス路線なサメ映画
似た邦題のサメ映画『ホワイトシャーク』とはストーリー上のつながりは一切なく、製作会社も別です。
数々のトンデモなサメ映画を世に生み出してきた映画会社アサイラムの作品ですが、サメが飛ぶことも歩くこともない、表面的には正統派のサメ映画です。
出てくるのは普通のホホジロザメですし、「座礁したクジラの肉に集まってきたサメが、クジラを撤去されたことで凶暴化している」という細かい設定まで用意され、「サメが人を食うのは当たり前」と言わんばかりの映画が多いアサイラムらしかぬ内容でした。
また、『シャークネード』や『ダブルヘッド・ジョーズ』に登場するような安物CGに混じって一部本物のホホジロザメの映像が使われており、アサイラムなりに真面目でシリアスな作品を作ろうとしていたことが伺えます。
それでも溢れ出るB級感
設定だけ見れば真面目な本作ですが、やはりアサイラムらしいツッコミどころは健在です。
まず本作の設定自体が、
- 母を失って悩みを抱える水着ヒロイン
- 時間が経つと沈む岩礁
- クジラの死骸を求めて現れたサメ
など、『ロスト・バケーション』のパクリと思える要素を多く含んでいます。
エンディングでサラが父親が「ママも誇りに思うだろう」とサラに伝えるやり取りも、『ロスト・バケーション』の二番煎じ感が強いです。
また、サラの父親と捜索隊の会話シーンが非常に冗長で同じ内容の繰り返しが多く、「そこまで細かい話はいいからサメを出してくれ」と言いたくなる無駄に丁寧な説明が定期的に挿入されます。
さらに、そんな状況説明の中で「キング・タイド」と呼ばれる大潮の話が何度も出てきますが、作中では急な水位上昇や大波のような自然災害的イベントが発生しません。
一体あのやり取りは何だったのでしょうか。
肝心のサメも、カヤックを襲うというより付き纏っているだけであり、そこまで派手な見せ場はありません。
他にも、何の脈絡もなく水上スキー男が出てきた後にすぐ食べられたり、「ボートが近づけないほどの浅瀬」という設定なのにサメが縦横無尽に泳ぎ回っていたり、サメの倒され方があまりにもショボいなど、B級映画らしい場面が数多く存在します。
その他見どころや豆知識
- サラたちがカヌーに乗るシーン、一応会話しているのに音楽がデカすぎて全然聞こえません。
- カヤック中の会話で海がほとんど映らない。パドリングのフリだけしてプールに浮かべて撮影してるのでしょうか。
- 電池が残り少なく電波も悪いと言われているのに長々と留守電を入れ続けるサラの父親。
- 「サメが竜巻になるかもしれない」というシャークネード発言。
- サメにナイフで反撃するサラ。突き刺したはずのナイフに血が全くついていません。
- ひと段落した後のサラとメーガンのトークが長い。
サメに関する解説
サメの造形
妙に醜悪な顔をして第一背ビレのあたりがヤジブカのように盛り上がった、奇妙な見た目のホホジロザメでした。
サメの見た目やCGのクオリティは他のアサイラム作品と大差ありません。
ただし、所々に本物のホホジロザメが泳ぐ映像が挿入されています。
サメの行動
作中のサラの父親たちの会話で、「今回のサメは”Rouge shark(凶暴ザメ)”ではないか?」という話が出てきます。
端的に言ってしまえば、人間ばかりを襲う異常に攻撃的なサメのことです。
合計5人が襲われ4人が死亡したニュージャージー州サメ襲撃事件(『ジョーズ』のモデルとされるシャークアタック)について、「一連の襲撃は一尾のサメによるものだ」という仮説のもとに、この”Rouge shark(凶暴ザメ)”の概念が作られました。
本作ではサメが執拗にカヤックを襲う理由の仮説としてこの”Rouge shark(凶暴ザメ)”が唱えられていましたが、そもそもこの概念は科学的に認められたものではありません。
時間・空間共に狭い範囲の中でサメの襲撃が連続したとしても、
- 本当に同一個体によるものなのか?
- 襲撃の原因はサメにあったのか?
- 人間だけを狙っているのか?
などが曖昧であり、映画のように人間ばかり狙う異常個体が実在するのかは不明です。
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参考文献
Forbes『Why Everything You ‘Know’ About ‘Rogue Sharks’ Is A Lie』2018年
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