『シャークネード カテゴリー2』のネタバレあり感想&サメ解説【BGサメ映画レビュー】

一作目の時点で「ヤバいサメ映画の決定版」みたいな烙印を押されたのに、二作目はそれを超えてきます。最初からサメが空を舞います。

邦題シャークネード カテゴリー2
原題Sharknado 2: The Second One
公開年2014年
監督アンソニー・C・フェランテ
出演アイアン・ジーリング/タラ・リード/ヴィヴィカ・A・フォックス
制作国アメリカ
ランクB級(トンデモ設定や雑なCGなどのツッコミどころを楽しむ作品。)
ストーリー★★★☆☆
演出や絵作り★★☆☆☆
サメの造形★★☆☆☆

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目次

あらすじ

シャークネードとの闘いの中で元妻エイプリルとの関係性を修復したフィン・シェパードは、ニューヨークにいる妹エレンやその家族と会うべくジャンボジェット機に乗っていた。

しかし、新たに発生したサメ嵐によって機体が損傷。乗務員や乗客たちが次々にサメに襲われ、エイプリルも左手を噛み千切られてしまう。

フィンの活躍によって飛行機はどうにか不時着することができたが、エレンや友人たちが観光を楽しむニューヨークに巨大シャークネードが上陸しようととしていた。

エレンたちに警告すべくニューヨークに向かったフィンは、再びシャークネードとの戦いに身を投じていく・・・。

これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。

見どころ・ツッコミどころ

色んな意味で前作を上回るサメ竜巻

前作『シャークネード』のレビューでは「世間での評判と裏腹に前半は割とまとも」と紹介しましたが、二作目になった途端、最初から最後までブッ飛び展開が連続します。

冒頭からいきなり大量のサメが空を飛び回り、飛行機のエンジンにサメが突っ込む”シャークストライク”が発生。序盤はサメが泳いでいた一作目とは明らかに気合が違います。

その後も野球場にサメが降り注ぎ、地下鉄は押し寄せた水とサメで溢れかえり、『インディー・ジョーンズ』の大岩の如き勢いで自由の女神の首が転がってきます。

こうしたトンデモ展開の連続の中、前作では家族を守りながら生き延びるのに必死だったフィンは、本作ではアドベンチャー映画の主人公のごとき様々な活躍を見せてくれます。

サメによって放り出された機長に代わって飛行機を不時着させるのはまだ分かるとして、泳ぐサメを足場にして水を渡る、パチンコの要領で爆弾を飛ばしてシャークネードを消そうとする、宙を舞うホホジロザメを乗り回すサメロデオなど、スーパーマリオに登場しそうなアクションの数々は、もう発想と勢いの勝利です。

特に、ニューヨーク市民に演説をしている途中に飛んできたサメをエビぞりになりながらチェーンソーで”開き”にするシーンは、前作のラストを超える歴史的瞬間です。

「あと8分でシャークネードが合体するのに演説している時間なんかないだろ」とか「ニューヨーカーとはいかなるものか思い知らせてやれ!って言ってるけどお前ニューヨーカーじゃないじゃん」などのツッコミは通用しません。サメ、竜巻、チェーンソー、これが全てです。

なお、この演説の最後の決め台詞「Let’s go kill some sharks!(サメを殺しに行くぞ!)」は、前作にも登場した「センパ・パラタス(常に備えよ)」と同じく、本シリーズの名台詞となりました。

シリーズ中最も人気な作品

シャークネードシリーズは全6作品が公開されていますが、本作『シャークネード カテゴリー2』は、シリーズ中最も人気な作品です。

130本以上のサメ映画を鑑賞してきたサメ映画の翻訳家・バイヤーであるサメ映画ルーキー氏も「一本だけ見るならコレ」と発言しており、2021年に行われたサメ映画総選挙でも、本作は3位(シリーズ6作品中最上位)にランクインしています。

確かに本作は一作目を超えるトンデモ展開の荒唐無稽さ、「迫りくるモンスターをなぎ払い、家族と結束してニューヨークを救うヒーロー劇」というストーリーの分かりやすさ、これら二つが両立しているという点で親しみやすく、トンデモサメ映画の入門として一作目より相応しい気がします。

また、本作からオリジナルソング『The ballad of Sharknado』が劇中で流れ、ニュースキャスターが「シャークネード」という単語を連発し、「降サメ量50mm」というパワーワードが誕生するなど、前作以上に「これがシャークネードだ!」と言わんばかりの世界観を打ち出しており、これも人気の理由かと思われます。

なお、世界観のついでに紹介すると、本作の冒頭で登場する書籍『シャークネードからの生還』(実際のタイトルは『How to Survive a Sharknado and Other Unnatural Disasters: Fight Back When Monsters and Mother Nature Attack』という本は実在します(下記の通りアマゾンなどで購入可能です)。

その他見どころや豆知識

  • 「サメに喰われかけた」ではなく「サメに喰われた」と語れるサメ映画の主人公はフィン・シェパードだけでしょう。
  • フィンの妹エレンとその夫マーティンの名前は、言わずもがな『ジョーズ』のブロディ署長とその妻エレンにちなんでいます。また、作中でほとんど出てきませんが、彼らの苗字はブロディです。
  • 本作でエレン役を演じているのはカリ・ウーラー。モンパニ映画好きなら是非見て欲しい名作『アナコンダ』でデニス(イチャイチャの最中にイノシシに追いかけられたりした若い美女)を演じた女優です。
  • ニュースの気象イメージ映像で小刻みに動きながらニューヨークを目指すサメのシルエットが可愛い。
  • ニューヨークでフィンを乗せたタクシー運転手を演じているのはジャド・ハーシュ。名作SF映画『インディペンデンス・デイ』にて主人公デイヴィッドの父親を演じた俳優です。
  • スカイたちが観戦している野球の映像だけ画質が悪く、嵐が近づいている設定なのに晴れ晴れとしています。明らかに昔の野球中継を素材として使っていますね。
  • 日本語字幕で「眠気がサメた」と訳されているセリフ、実際には「Holy sh..ark」と言っています(「クソッ!」とか「マジかよ」などとよく意訳される「Holy shit!」に「shark」をかけたシャレです)。
  • 「超巨大台風が来てサメを降らせている!」と何度も報じられているのに平然と街中を歩いているニューヨーカーたち。
  • レポーターの中継画面では豪雨になっているのに、作中で雨が降っている街はほとんど映りません。
  • 本作はカメオ出演が多いのも特徴です。機内でフィンたちに著書のサインをねだるCAは「メタルの帝王」として知られるロック歌手オジー・オズボーンの娘ケリー・オズボーン、地下鉄でイライラしながら電車を待った挙句に押し寄せたサメに喰われる男は米国の有名ブロガーであるペレス・ヒルトン、フィンと顔なじみのピザ屋の店主は人気ヒップ・ホッパーだったビズ・マーキー(2021年に死去)などなど・・。

サメに関する解説

サメの造形

とにかく大量のサメが舞い踊り、押し寄せ、降り注ぐ中、よーく見ると様々な種類のサメが登場しており、前作よりも種数が増えています。

あまりにも膨大な数のサメだったので漏れがあるかもしれませんが、僕なりにピックアップしてみました。

ホホジロザメ

恐らく最も多く映りました。ただし、「多分ホホジロザメがモデルなんだろうけどよく分からない謎のサメ」も多くいたのではっきりとしません。

フィンがエビぞりになったり口に飛び込んだりして切り裂くホホジロザメは割としっかりと描かれていました。やはり主人公の見せ場には制作陣なりに気合をいれているようです。

ヒラシュモクザメ

タクシーの周りを泳いでいたり、竜巻の中を飛び回ったり、空から降ってきたりしたシュモクザメです。

シュモクザメは複数回映りますが、どれも頭の形が丸みを帯びておらず四角に見えたので、恐らく全てヒラシュモクザメがモデルだと思います。

オナガザメ

ピザ屋に落ちてきてオーブンに突っ込まれたサメです。尾鰭が長いのでオナガザメと判断しました。3種いるうちのどの種かははっきりせず(ハチワレではないと思います)。

ジンベエザメ

暴風によって飛んできて自転車で走るポリーを叩き潰しました。人を噛んだり食べたりしないサメも、空から落ちてきたらただの凶器ですね。

イタチザメ

エイプリルの腕を噛み千切ったり、通りを泳いでいたり飛んでいたり・・・。いろんな場面で登場しましたが、一番レベルの低い再現度でした。

顔つきがアオザメだったり体格が普通のメジロザメだったり、「縞模様を塗ればタイガーシャークってことでいいだろ」という雑な考えのもとに作られたことが見え見えです。

地下鉄でフィンに噛みついていたチビザメも縞模様があったので恐らくイタチザメだと思いますが、もはや何ザメかも分からないゴムのおもちゃみたいな代物でした。

アオザメ

何故かのんきに通りを歩いているニューヨーカーの上に降ってきたり、ホテルの階段で燃えながらフィンたちに迫ってくるなどしたサメです。

尖った吻先、大きな丸い真っ黒な目など、それなりに良い再現だったと思います。「本物に近いかどうか?」というだけの基準で評価すれば、『ディープ・ブルー』よりもクオリティが高かったです。

ヨゴレ

アオザメと共に空から降ってきたり、階段でフィンたちを追い詰めた挙句に斧を投げられたサメです。

背ビレの先に特徴的な白い模様がある、吻先が丸いなどの特徴は再現されていましたが、やけに体が細長く不格好でダサいヨゴレでした。

なお、サメの中でも胸鰭が長い方なので、一番飛んでいて様になるサメはヨゴレだと思います。

ダルマザメ

フィンがフロンを爆発させてシャークネードを消滅させた後に降り注ぐサメたちの中、ヤツメウナギの化け物にしか見えない謎の生物が映ります。

あまり認めたくはないのですが、葉巻型の体に丸く小さなヒレ、唇の付いた楕円形の口などの特徴から、恐らくダルマザメとして登場したんだと思います。

ラブカ

フィンが咆哮するホホジロザメの口の中に突っ込んで切り裂いた後、一瞬映ります。

ツマグロ

作中の合間でシャークネードの解説を行っていた男性キャスター二人がスタジオいで突き殺していたサメです。

各ヒレの端が黒いのでツマグロだと思いますが、顔つきや体の色合いなどが全然似ていませんでした。

サメの行動

空を飛んでいる時点で行動も何もないです。

「シャークネードのようにサメが飛んでくることはあるのか?」については一作目の『シャークネード』のレビューで書いたのでそちらをご覧ください。

本作のシリーズ作品

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参考文献&関連書籍

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