邦題 | グレート・ホワイト |
原題 | Great White |
公開年 | 2021年 |
監督 | マーティン・ウィルソン |
出演 | カトリーナ・ボウデン/アーロン・ジャクーベンコ/キミエ・ツカコシ |
制作国 | オーストラリア |
ランク | A級(普通に映画として楽しめる。自信をもって勧められる。) |
ストーリー | ★★★☆☆ |
演出や絵作り | ★★★★☆ |
サメの造形 | ★★★★☆ |
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あらすじ
水上機のチャーター業を営んでいたキャズとチャーリーのカップルは、資金繰りに苦労しながらも幸せな日々を送っていた。
ある日、経済アナリストのジョージとその妻ミシェルの依頼を受け、無人島の砂浜”ヘルズビーチ”を訪れたキャズたちは、浜に打ちあがった男性の腐乱死体と、彼が恋人と撮ったと思しき写真を発見する。
キャズたちは男の恋人が生きている可能性を考えてカップルの船を捜し始めるも、水上機がサメの襲撃を受けて海に沈んでしまう。
命からがら救命ボートに乗り込んだキャズたちは海岸を目指し始めるが、海を彷徨う彼らを、巨大なホホジロザメが付け狙っていた・・・。
これ以降の記載は映画の重要部分についてのネタバレを含みます。鑑賞前にネタバレを知ってしまったことに対する責任は一切負いかねますので、予めご了承ください。
見どころ・ツッコミどころ
全体的には良作
本作にも登場する危険ザメ、ホホジロザメを数多く観ることができるオーストラリア発のサメ映画です。
そうした背景がどの程度影響したのか分かりませんが、総合的なクオリティは高いと言っていいでしょう。
まず、サメを登場させるときの演出が素晴らしいです。
冒頭のカップルが襲われるシーンでは背ビレとシルエットだけでサメの存在を間接的に示したのに対し、漂流中のシーンでは突然大口を開けて襲い掛かるサメの激しさが強調されており、物語の進行具合や場面の雰囲気に合わせて恐怖演出が見事に使い分けられていました。
本作は『海底47m』の製作総指揮チームが再結成して製作されたそうで、あのシリーズの良さがちゃんと発揮されていますね。
登場人物が少なく、かつ漂流モノという性質上サメの活躍がやや控えめですが、ハラハラする場面が定期的に用意されており、それぞれが高クオリティなので、そこまで気になりません。
『海底47m 古代マヤの死の迷宮』以降、一般の方にもお勧めできるサメ映画がほとんど製作されていなかったので、本作の登場は正統派のサメ映画好きには朗報でした。
見え隠れするB級感
全体的なクオリティは高めの本作ですが、『ジョーズ』や『ディープ・ブルー』のように独自の世界観を見せつけているわけではなく、「B級サメ映画のクオリティを高くした」という感じがします。
というのも、俳優陣の演技や演出は非常に良い仕上がりなのですが、ストーリーの運び方が迷走気味です。
本作は「漂流している中でサメに襲われる」というメインストーリーの中で、キャズとチャーリーの関係性というヒューマンドラマ的要素(サメに襲われたことをきっかけに出会った二人、生活苦の中の結婚願望、妊娠の発覚など)が出てきます。
これらが全く無駄というわけではないのですが、サメに噛まれたトラウマが作中で重要な要素になることもなく、お互いの愛を確かめ合った描写のすぐ後にチャーリーが喰われてしまうので、どうも物語に綺麗に組み込まれていないように思えました。
どちらかと言えば、成金プレイボーイの嫁でしかなかったミシェルが意外な活躍を見せるラストシーンの方が、かつて地獄のような遭難生活から生還したという祖父に通じる部分があるような気がして、「そっちにフォーカスしても良かったのでは?」という感じです。
また、サメのビジュアルについても、本物のサメの映像を上手に取り入れて全体的に良い仕上がりにはなっていたのですが、部分的に登場するCGやアニマトロ二クスのクオリティがやや雑です。
サメ映画を数多く観てきた身としては、1990~2000年代ごろに乱発された「明かにドキュメンタリー映画から借りた映像か合成だろ」とツッコミたくなるサメ映画のクオリティを高めたような仕上がりでした。悪くはないのですが、他のA級作品に比べるとオリジナリティに欠けます。
全体的なクオリティが高いので本作はA級としたものの、最初から最後まで高クオリティのビジュアルを見せつけてきた『海底47m』シリーズや、ストーリーの中にヒューマンドラマが完璧に組み込まれている『ロスト・バケーション』に比べると、本作の完成度はやや低めと言わざるを得ません。
その他見どころや豆知識
- 吹替や字幕には出てきませんが、ミシェルの祖父の名前は「モリタ サイキ」です。なんか苗字+苗字みたいな名前ですね。
- 腹のあたりを円形に噛み千切られた女性の死体。なかなかリアリティがあります。
- 海にペットボトルを捨てるな。
- ベニーのイルカの物真似が上手い。
- 沈没船内に逃げ込んだキャズに突撃するホホジロザメ。放っておいても窒息で死にそうなところをあえてトドメを刺されてしまうのは少し不憫。
サメに関する解説
サメの造形
ほとんどが実物のホホジロザメの映像です。カメラアングルなどから推察するに、ドキュメンタリー映像から借りた映像を加工したものと思われます。
とはいえ、『ディープ・シャーク』や『シャーク・イン・ベニス』に代表されるヌー・イメージ作品とは違い、色合いなどは他の映像と合うように調整され、自然な仕上がりになっていました。
一方飛行機に襲い掛かるサメはCGと後半でキャズやチャーリーと闘うサメはアニマトロ二クスだったのですが、こちらのクオリティはイマイチでした。
CGは背景と合っていないのっぺりした感じでしたし、アニマトロ二クスのサメは吻が短く目が間抜けに見えました。
サメの行動
本作の最も残念なポイントとしては、ラストシーンでサメが雄叫びを上げることです。
作中には2尾のホホジロザメが登場するのですが、どちらも絶命する際にクッパのような断末魔を発します。
他作品のレビューでも触れている通り、サメは吠えません。
その他サメの解説
チャーリーは「サメの脳は目と目の間にあるから、その柔らかい場所を狙えば倒せる」と発言し、実際に頭にナイフを突き刺すことでサメを仕留めています。
確かにサメの脳味噌は眼球同士の間に位置しており、前方は膜に覆われているだけなので、弱点と言えるかもしれません。
ただし、骨に穴があると言っても、骨と同じ成分でできた楯鱗という硬いウロコや肉などが阻んできますし、水中ではナイフを振る腕に強い抵抗が加わります。
暴れ回るホホジロザメにつかまりながら何度も頭にナイフを突き立てて脳を刺すという芸当が並の人間にできるとは思えません(無論、そんな無謀かつ野蛮な行為を実践するわけにもいかないので、確かめようがありませんが・・・)。
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